第6回 2003年8月5日(火)放送 あらすじ

#6 さよならクニミツ

 坂上(大杉 漣)たちが「坂上竜馬事務所」と書かれた看板を感無量でながめていると、桃絵(横山めぐみ)が赤飯を届けてくれた。「俺がバンバン支持者を集めてみせますよ」。大見得きる国光(押尾 学)だが、教え子のことを考えると気が重くなった。「なんか妙に情が移っちまってさ」。
 五木田市長(斉藤 暁)は苛立っていたが、不破(佐々木蔵之介)は市長選に勝算があった。佐和(伊東美咲)に国光が無免許教師であることを記事にするよう迫っていたからだ。そんな人物が秘書をしていたとあれば、坂上のイメージダウンは大きい。移転反対の署名運動も失速するのは間違いない。
 モヤモヤした気分を秘めて国光は水泳の授業にのぞんだ。一人遅れてプールサイドにきた江頭富士夫(大高力也)は飛び込んだ瞬間、パニック状態になってしまった。
 病院に運ばれた江頭は幸いにも大事にいたらなかったが、母親は国光を激しくなじった。「これは体罰だわ!どう責任を取るつもり!」。江頭は、これまで水泳の授業はすべて休んでいたのだ。
 翌朝、マスコミの取材陣が学校に殺到した。母親が国光のことを体罰教師だと教育委員会に訴えたのだ。取材陣の中には佐和もいたが記事にしなかった。本社のデスクは怒った「さっさと体罰教師のネタ拾って来い」。佐和のいる支局に不破が現れた。「あなたは国光に特別な感情を抱いてるんじゃありませんか?公正中立なジャーナリストであることを証明してください。」それは佐和自身が国光に口止めしたあのことを記事にすることだった。
 翌日の朝刊に“体罰教師、実は無免許”の活字がおどり、取材陣は坂上のもとにつめかけた。「無免許は知っていましたが、彼は人として大切なモノを子供たちの心に残しました。彼をクビにする気はありません」。坂上はきっぱりと言ったが、後援会には脱会したいという電話が相次いだ。
 「今まで黙ってて悪かった」。国光は教え子たちに頭を下げた。「でもな、お前らに教えたことにウソ偽りはねぇ」。廊下では小百合(吉岡美穂)が待っていた。
 国光は不破から呼び出された。「坂上さんの足を引っ張りたくないなら今すぐこの町から出てって下さい」。国光が何も言い返せないまま市長室を後にすると、入れ代わるように吾妻(古田新太)が姿を見せた。
 「次の市長選、私の選挙参謀になっていただきたい」。不破が、そうお願いしたこの男こそが、伝説の選挙参謀なのだ。前回の衆議院選挙で絶対不利といわれていた5人の候補者全員を当選させている。しかし吾妻の返事は不破の思惑を裏切った。「あんたには決定的に欠けてるものがある」。吾妻は不和の依頼を蹴った。
 坂上は国光が今しなければならないことを教えてくれた。「放っといていいのかい?江頭君のこと」。免許がなくとも子供のことは考えられる。国光は江頭の病室に向かった。「お前本当は泳げるようになりたいんだろ」「練習してるとこ、見られたらマズいんだ」。国光は江頭を学校のプールに連れて行った。もう夕方で人影はまったくない。
 「今日はこれぐらいにしてやっか」。なんとか息継ぎの練習までできるようになった。「もっと教えて。日曜日までに泳げないと、お父さんとお母さん、離婚するんだ」。江頭は数年前、父親と泳ごうとして溺れた。それ以来、母親は極度の心配性になり夫婦仲も悪くなった。2人を仲直りさせるために江頭はなんとしても泳げるようになりたかった。「俺が絶対泳がせてやる」。国光はきっぱり言い切った─。

キャスト

武藤国光(24) … 押尾 学
佐和真澄(25) … 伊東美咲
不破俊一(33) … 佐々木蔵之介
吉長小百合(24)… 吉岡美穂
坂上明日香(21)… 上原美佐
由良桃絵(34) … 横山めぐみ
坂上竜馬(50) … 大杉 漣
 ほか

スタッフ

■原 作
 安童夕馬
■漫 画
 朝基まさし
 講談社「週刊少年マガジン」
 (好評連載中)
 講談社コミック
 (1~13巻 好評発売中)
■脚 本
 大石哲也
■プロデューサー
 重松圭一(関西テレビ)
 和田豊彦(AVEC)
■アソシエイトプロデューサー
 長部聡介(フジテレビ)
■演 出
 赤羽 博(AVEC)
 中島 悟(AVEC)
■制 作
 関西テレビ放送
 AVEC

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