第3回 2006年1月26日(木)放送 あらすじ

嘘から始まる幸せ

 伸木(唐沢寿明)が出勤しようとすると、妙子(片瀬那奈)が「手術を終えた15日、浮気したでしょう」と問い詰めてきた。伸木はとっさに「沼津先生(大泉洋)と食事に行っていた」とウソをついてしまった。一方、伸木とカナ(紺野まひる)の関係が気になる仁志(藤木直人)も盆栽ギャラリー「なおえ」に行き、探りを入れる。カナも伸木と会っていない、とウソをつく。だが、仁志はそれがウソだと知っていた。
 病院では、VIP入院患者の中に大熊ヨネ(白石加代子)という老女がいた。病室に出張シェフを呼ぶなど、わがままし放題でスタッフも手を焼いていたが、伸木だけはひとつひとつ言うことを聞いてやっていた。
 そんなある夜、美村(古谷一行)は伸木と竹林(谷原章介)をクラブへ誘った。美村は「吸殻の一件では迷惑をかけた。気持ちだ、受け取ってくれ」と現金を差し出してきた。じっと考えた伸木は、金を受け取るとホステスに渡し「教授の好きな酒を」と窮地をしのいだ。そのスマートなさばきを苦々しく思った竹林は、同僚の医師・響子(高橋かおり)に伸木をおとしめる謀議を持ち掛けた。
 ある日、越智(田山涼成)が伸木に盆栽教室に連れて行ってくれと言い出した。二人で「なおえ」に行くと越智とカナは友山士偲の漢詩を詠みだした。感心する伸木。「欲を追うより小さな場所でも花を咲かせる人間になる」という意味の詩で越智の座右の銘だと言う。カナと二人きりになったギャラリーで伸木は睡蓮木の盆栽を買った。カナの様子が変わった。カナは、10年前に夫と死別し、その夫が最初に買ってくれたのが睡蓮木だったと告白した。それ以来、人を遠ざけていたと言う。「だけど、最近生きている実感を味わえるようになった」と伸木を見つめ「友達の先に何があるか見てみる?」と意味深に微笑むのであった。
 妙子は、病院の沼津を訪ねた。伸木のアリバイを調べるためだ。そのころ、伸木は竹林の差し金の響子に「気持ちいいセックスしてみない?」と迫られていた。ほうほうの体で響子から逃れた伸木が医局へ戻ると、竹林が「松金響子はどうでした?」と周囲に聞こえるように吹聴する。そこへ入って来た沼津から、妙子に本当の事を言ったことを聞いて愕然とする伸木。
 それでも、伸木は恬淡と誠実に仕事をこなしてた。それをヨネが見ていた。「私が特別室の患者だから親切なのかと思っていた。今この瞬間から100%の信用で小早川先生に手術を託すよ」と手を握ってきたのだった。
 にもかかわらず、美村は伸木に僻地への異動を言い渡した。さらに自宅に呼び2年で戻し講師にしてやると甘い条件も持ち出すのだった。美村の部屋を出て、伸木は、そのまま「なおえ」に向かった。カナは伸木を激励する。
 その晩、伸木は仁志と飲んだ。仁志は立ち去り際に古い雑誌を置いて行った。カナが写っている。そこにはカナの過去があった……。
 妙子は、伸木の持っている女性の名刺をもとに一人一人捜し歩いていた。残った名刺には、カナ、響子もある。次は響子であった。そのころ伸木が車の中で資料を探していた。そこへ乗り込む響子。突然、キスをしてきた。外から妙子が見ていた……。

キャスト

唐沢寿明
藤木直人
片瀬那奈
大泉 洋
紺野まひる
谷原章介
古谷一行

スタッフ

■原作
 柴門ふみ「小早川伸木の恋」(小学館刊 ビッグコミック)

■脚本
 武藤将吾

■プロデュース
 喜多麗子
 古屋建自

■演出
 松山博昭

■音楽
 Face 2 fAKE

■制作著作
 フジテレビ

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