第10回 2004年6月21日(月)放送 あらすじ

#10 衝撃

 友川四季(菅野美穂)は、安曇俊介(藤木直人)から別れを告げられてしまう。俊介は、高泉諒子(黒谷友香)と結婚するというのだ。父の鉄雄(泉谷しげる)や弟の満雄(森山未來)、浅倉亜衣(伊東美咲)に折原新吾(玉木宏)と友川家に集う面々が、四季と俊介を応援しようとまとまった矢先だった。
 良枝(八千草薫)から、俊介の結婚を聞かされた鉄雄は釈然としない。容態が悪化した川根史也(桑原成吾)を病院に泊まり込みで診ることになった四季が、着替えを取りに帰ると、鉄雄は四季に真実を問うた。だが、四季は俊介の結婚を肯定。穏やかに話していた鉄雄だが、この答えに思わず怒鳴ってしまう。四季が自室に行くと亜衣が来た。四季と鉄雄の話を聞いてしまった亜衣も、四季の態度に異を唱える。しかし、俊介のことを諦めてはいけないと言う亜衣に向かって、四季は、自分が俊介の重荷になっていたかもしれないと、語った。
 史也は、重症個室に移されていた。息子の余命が少ないことを受け入れた両親は、降谷圭輔(時任三郎)と四季に、祖父が住む田舎に連れて行くと申し出る。史也に、そこで最後の時間を過ごさせたいと申し出る両親に、圭輔も静かに同意した。四季が史也の病室にいると、吉江彩菜(夏帆)から漫画の差し入れ。四季が漫画を渡すと、史也は内緒にすることを条件に、彩菜に恋していると告げた。告白はしていないと続ける史也に、何故かと問う四季。だが、史也はハッキリと答えず、逆に四季に、俊介への気持ちを尋ねた。
 圭輔から、最近俊介が病院に来なくなったことを問われた四季は、正直に俊介の結婚話を圭輔に伝える。すると圭輔は、四季から預かった休職願は自分が持っているので、今なら取り下げることも可能だと言う。四季は、決断にもう少し猶予が欲しいと願い出た。
 一方、俊介は諒子のウエディングドレス選びに付き合っていた。すると、俊介の携帯電話が鳴る。亜衣からだ。四季の考えに納得出来ない亜衣は、新吾に同行してもらい、俊介に会おうというのだ。呼び出しに応じた俊介は、諒子と別れて待ち合わせ場所へ。待っていた亜衣と新吾の表情は険しい。亜衣は、俊介が他の人と結婚するというのは四季の勝手な思い込みだろうと切り出した。だが、俊介は結婚する相手は四季ではないと答える。と、新吾は四季の思いを訴えながら俊介に詰め寄った。俊介は言葉を返せず、真剣な表情の新吾を見つめるだけ。そんな俊介に、思わず殴りかかろうとする新吾だが、病に気づき踏みとどまる。殴ってくれと訴える俊介に、踵を返す新吾。亜衣は、自分が一番悔しいのは、四季が俊介のすることを許してしまうだろうということだと俊介に告げた。その言葉にも返す言葉を持たない俊介は、何も言わずに去って行った。
 その夜、亜衣と新吾は俊介との出来事を四季に話す。二人が、俊介を見損なったと言うと、満雄が話に参加して来て亜衣と新吾の意見に同意。しかし、鉄雄は…。鉄雄は、相手を信じたら何を言われようと最後まで信じぬくことが大事だと、四季の気持ちを問いただす。黙って聞いていた四季だったが、鉄雄の言葉に、俊介へ電話する決心をした。
 四季は自室から、もう一度だけ会って欲しいと俊介に電話。俊介は、自宅で電話を受けて出て行こうとする。良枝は止めようとするが、俊介は会うだけだと言う。当の良枝は、四季に手紙を書こうとしていたが、結局、書けないでいた。俊介がふと見ると、手紙には『あなたのことを本当の娘のように思っていました』の文があった。一方、四季は俊介と会いに行くのだろうと察した鉄雄から、お守りを渡されていた。
 四季は、俊介との待ち合わせ場所に着く。だが、俊介はなかなか現れない。実は、自宅マンションを出た俊介は、偶然、諒子と会ってしまった。そして、俊介は諒子の気持ちには添えないと告げていたのだ。良枝と一緒に長崎に帰ると言う俊介に、四季と付き合うつもりだろうと食い下がる諒子。四季を好きなのだろうと諒子に問い詰められるが、俊介は好きになってはいけないのだ、と自分に言い聞かせるように答えていた。
 約束の時間はとっくに過ぎてしまった。諦めて帰ろうとする四季は、俊介の携帯に電話。その時、走って待ち合わせ場所に着こうとしていた俊介の携帯が鳴る。俊介の居場所からは、電話する四季が見えた。しかし…好きになってはいけない…先ほど諒子に言った言葉が、俊介を立ち止まらせる。携帯にも出られない俊介。四季は、留守電にメッセージを入れると、寂しそうに去って行った。会わずに四季を見送った俊介は、留守電を確認。と、入院患者の子供たちが俊介に見てもらいたいものがあるので、病院に来て欲しいとの四季のメッセージが吹き込まれていた。
 俊介は四季のメッセージ通りに病院へ行く。俊介と会った四季は、どこかよそよそしく事務的だった。そんな中、俊介は、史也がいないことに気づく。四季が子供たちを連れて、先にレクリエーション室へと向かうと、圭輔が史也のいない理由を話す。史也が俊介に会いたがっていたこと、そして子供たちが俊介の病気を知っていたこと。さらに、圭輔は、史也の提案で、子供たちがみんなで俊介を励ましたいと考えたことを告げる。子供たちからのエールを受け取って欲しい、と俊介をレクリエーション室へ誘う圭輔。そこには子供たちが整列し、四季がオルガンの前に座っている。病気と闘う子供たちは、俊介のために合唱を始めた。その姿、歌声に俊介の目は潤んでいく。合唱が終わると、俊介は話がしたいと四季を誘った。先日の待ち合わせを謝ろうとする俊介を、四季はもう大丈夫だとさえぎる。そして、四季は今でも俊介が好きで、それは俊介がどこにいても、何をしていても変わらないと語る。何のためらいもなく、感情を押し殺したように自然に言ってのける四季。俊介は、自分の本当の思いを伝えきれずに…。
 数日後、俊介と良枝が長崎に帰る日が来た。二人が荷物の確認などをしていると、インターフォンが鳴る。現れたのは、鉄雄で…。

キャスト

友川四季(26) … 菅野美穂
安曇俊介(31) … 藤木直人
浅倉亜衣(26) … 伊東美咲
折原新吾(26) … 玉木 宏
友川満雄(17) … 森山未來
高泉諒子(27) … 黒谷友香
  ・
安曇良枝(62) … 八千草 薫(特別出演)
  ・
友川鉄雄(55) … 泉谷しげる
降谷圭輔(44) … 時任三郎
  ほか

スタッフ

■原作
 さだまさし『解夏』(幻冬舎刊)
■脚本
 坂元裕二
■企画・プロデュース
 大多 亮
■プロデューサー
 矢吹 東
■演出
 林 徹
■音楽
 藤原いくろう
■制作
 フジテレビ制作1部

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