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<第1回>「カオルとの出会い」
 小さな出版社に勤めるユウコは二十二歳。
 ある日、取材先に向かう電車の中で、ユウコは隣にすわった若者・大学院生のカオルに、間違えて自分のバッグを持っていかれる。
 ユウコはあわててバッグを取り戻すが、取材はキャンセル、その企画も打ち切りになる。
 意気消沈するユウコは、カオルと飲み歩き、気がつくと、翌朝、カオルの部屋にいた。
 そこで、ユウコはカメラマンをしているカオルの父司郎と出会い、司郎がモデルの女の子たちと朝から明るい猥談で盛り上がっているのに、不思議な心地よさを感じる。
 その日、ユウコは編集会議で爆弾発言を・・・・・・。

<第2回>「天敵小百合の出現」
 ユウコは編集会議で、女性の性器に関する企画を提案する。唖然とする編集長らに、ユウコはクビを覚悟するが、意外にも企画はオーケーになる。
 その名称は「プロジェクトH」。ユウコと先輩の草加が、準備作業の担当になる。
 その頃、カオルは建設会社から内定の知らせを受け取っていた。カオルは部屋の中で、ユウコが落としていったイヤリングを見つける。
 翌日、ユウコは世話になったお礼の桜草の鉢植えを持って、カオルの家を訪ねる。

 すると、玄関で同じ鉢植えを持った老婆と鉢合わせ。ユウコは押し売りと勘違いするが・・・・・・。

<第3回>「波瀾万丈のタイプ」
 ユウコが押売りと勘違いした老女は、カオルの祖母小百合だった。二人の間には険悪なムードが広がり、カオルははらはらする。
 小百合はカオルに、ユウコと付き合うのは許さないと言い渡す。ユウコは、離婚したカオルの母親に似ているという。自分の意志とは関係のないところで、波瀾万丈の人生を送るタイプだと。
 その夜、ユウコは編集部のスタッフたちと、銀座の母の店「シャルル」へ出かける。ユウコは小さいときに父親を亡くし、母の久美に女手一つで育てられたのだ。
 久美はいつものように明るかったが、実は、ある金銭的トラブルに巻き込まれていた。

<第4回>「ホテルの告白ノート」
 閉店後、久美は編集部の常務・御手洗とどこかへ行ってしまう。
 一人とり残されたユウコを、草加が自分の部屋に誘う。ユウコはそこで、司郎の処女写真集を偶然見つけ驚く。
 翌朝、ユウコが出動しようとすると、マンションの前でカオルが待っていた。頼んでおいたラブホテルの告白ノートを早速、持ってきてくれたのだ。ユウコはカオルに感謝のキス。彼のことがますます好きになる。
 編集部に司郎が訪ねてくる。副編集長の池内と知り合いで、今度の企画の撮影を担当してくれるという。
 その夜、ユウコは取材でカオルとラブホテルへ行く。
 二人はいいムードになるが・・・・・・。

<第5回>「泣きあかした夜」
 互いに好意を感じたユウコとカオルは愛し合おうとするが、カオルの体が不調で、うまくいかなかった。自分に魅力がないせいなのかと、落ち込むユウコ。  久美はユウコが恋をしているのを見抜き、“ひみこの音”の話をする。  翌日、ユウコの提案で、正式な企画タイトルが「プロジェクトひみこ」と決まる。  ユウコの出版社の株主である小百合が、今度の企画は淫らだから即刻中止するよう抗議にくる。御手洗がその場をおさめるが、小百合のユウコへの敵愾心は消えない。  その日、ユウコは、カオルがスナックで、中年の女性と密会しているのを目撃する。

<第6回>「失恋の平手打ち」
 カオルに裏切られたと思い込んだユウコは、仕事に打ち込む。
 一方、カオルは悩んだ末ユウコに自分の気持ちを伝えにいく。
 が、ユウコは話し合いを拒否。意気消沈するカオルを、久美が励ます。
ユウコの出版社の専務・阿久津が、プロジェクト「ひみこ」に対してクレームをつけてくる。憤るユウコを、御手洗常務は応援。ユウコは御手洗と久美の関係が気になる。
 専務の圧力に対抗するため、ユウコらはプロジェクト「ひみこ」の予告記事を出すことに決める。その原稿を書き上げた夜、ユウコはスタッフの中で一匹狼的な可門から、飲みに誘われる。

<第7回>「母の隠しごと」
 ユウコは可門に誘われてゲイバーへ行く。可門の意外な一面を見て、戸惑うユウコ。深夜、帰宅したユウコは久美が隠していた融資申込書を見つける。久美は、客の工場が倒産して、連帯保証人として、一千万の負債をかぶったことを打ち明ける。
 建設会社に就職の決まったカオルに、先輩の建築士尾畑から、国際コンペを手伝ってほしいと誘いがかかる。カオルは悩む。
 ユウコが書いたプロジェクトの予告原稿が問題になり、反対派が差し止め工作に出る。

 が、ユウコらはひるまない。  ユウコは、草加と可門が抱き合っているのを目撃。

<第8回>「仲直りの口づけ」
 ある夜、司郎の写真集を何気なく見ていたユウコはモデルの女性を見て、ハッとする。いつかカオルがデートしていた女性だった。
 司郎とその女性が結婚、カオルが生まれたのを知ったユウコは、カオルのもとへ飛んでいき、誤解していたことを謝る。二人は深夜の洗足池でボートに乗り、いいムードになるが、思わぬハプニングが起こる。
 翌日、カオルはゼミの教授に、尾畑と仕事をすることを相談する。が、教授は大反対。悄然とするカオルを、ユウコは励ます。その日、ユウコは久美が世話になった水商売の先輩寿美代と再会。久美が隠している父親のことを聞く。

<第9回>「4度目の結婚宣言」
 カオルは母の和歌子に呼び出される。四度目の結婚宣言をした和歌子は、婚約者の山川を紹介。一回りも年下の男性だった。
 そこへ、偶然、ユウコが現れる。まるで旧知の仲のように、ユウコは和歌子に声をかける。
 久美は頼みにしていた銀行からの融資を断られる。この際、二十年間の水商売生活にピリオドを打とうと決意するが、ユウコは猛反対。
 久美は御手洗に連帯保証人になってもらい、ある信用組合から融資を受ける方法をとる。
 小百合が編集部に陣中見舞にくる。草加に興味を持ち、その博識ぶりに感心した小百合は、上機嫌で帰っていく。

<第10回>「悪夢のような誕生日」
 カオルの25回目の誕生日がきた。ユウコはカオルと7時に待ち合わせをして、二人きりの夜を過ごすつもり。
 その日、プロジェクト「ひみこ」をめぐって、5時から臨時の重役会議が開かれることになる。会議に必要なアンケートを集めるため、ユウコは草加と街に飛び出し、百人の女性たちの声を聞く。
 その頃、カオルは入社が内定していた建設会社に赴き、辞退を申し出るが、聞き入れられない。
 重役会議での攻防の結果プロジェクト「ひみこ」はなんとか承認を勝ち取る。
 ユウコはカオルのもとへ飛んでいくが、二人の燃え上がる気持ちに反して、カオルの体が反応しない。


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