あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「恋愛に勝敗はない」
 またしても都合の良い香川夏見(菊川怜)の夢を見ていた桃井環八(原田泰造)。目白通代(京野ことみ)に叩き起こされた場所は編集部だった。折しも編集部員たちは疎井明編集長(蟹江敬三)から、実在のスターを漫画化する企画ノンフィクションコミック「21世紀のスターたち」の次回登場人物の決定を迫られていた。
 さすがにばつの悪い環八だが夏見が通りかかると、そんなことも忘れた様子でにやけている。青梅広道(中山秀征)ら編集部員にも「社長の娘だからあきらめろ」と諭されるが、中原ひかる(真中瞳)には「惚れさせちゃえばいいじゃない。恋愛は愛されたら勝ち」とハッパをかけられる。
 早速「愛されたら勝ち」とメモした環八は、夏見に積極アプローチ。かつて自分のテリトリーだったボクシングを一緒に見に行く約束を取り付ける。家に帰って、嬉しさに打ち震えるが環八だが、目白から、書類を取ってきて欲しいとの電話が入る。
 目白は、とあるホテルで三京稔(川端竜太)とともに、TVドラマのプロデューサー、矢島(伊藤正之)と打ち合わせ中。伊藤は、ヤングシャウトに連載中の人気コミック『恋愛アリ地獄』をドラマ化するため原作権の交渉をしていたのだ。しかし、台本が気に入らない目白と伊藤の交渉は中断。そこに環八が頼まれた書類を持ってやって来た。
 帰りかけた環八と目白、そして三京はロビーに男と一緒にいるひかるを発見した。めざとい三京は、その男が人気絶頂のカメラマン・東出尚之(高知東生)だと気づく。「(ひかるの)彼氏っスか?」と問う環八に「東出には、奥さんも子供もいるから」と三京・・・。
 次の編集会議で、疎井編集長は懸案の企画「21世紀のスターたち」が東出に決まったことを発表した。心配そうにひかるを見つめる環八に目白は「誰にも何も言わないこと!」と注意する。目白は、三京が疎井編集長にひかると東出の関係を報告した気配を感じていたのだ。
 翌日、東出がアイドルタレントのRuri(酒井彩名)を伴って編集部に来た。「はじめまして」と東出に挨拶し明るく振る舞うが、いつもと違う様子のひかるに、環八はついに我慢できなくなる。
 ひかるが一人になったのを見て「東出先生とはどういう関係っスか?」と単刀直入に切り出す環八。「ただの友達」と答えるが、まだ何か言いたそうなひかるに環八は「そうっすか!」と勝手に安堵してしまう。
 その夜、環八は八代亜希(大竹しのぶ)から、東出が不倫しているらしいという話を聞く。ひかるを信じる環八は「それは嘘です」と断言するのだが・・・。
 その頃、ひかるは東出と会っていた。しかも東出は「妻とは別れる」と意味深な言葉をひかるに告げる。
 だが、その密会の様子が写真週刊誌にすっぱ抜かれてしまった。疎井編集長から自宅謹慎を言い渡されたひかるの後を追う環八。まだ、信じようとする環八にひかるは「ちょっと遊びたかっただけ」と言い放つ。環八には、ひかるの東出への想いが、ただの遊びとは理解出来ない。
 居酒屋「泪橋」で青梅と飲む環八。ひかるの話になるとアルバイトの西川沙耶(西山繭子)が「東出ってすごい女ったらしらしい」と首を突っ込んできた。さらに沙耶は「ゲームですよ。 愛されたら勝ちって」と言う東出の言葉を告げた。その瞬間、環八がキレた。青梅の制止を振り切って、東出のひかるへの真意を問いただすために走る環八。撮影中の東出を見つけた環八は、東出のひどい言葉を聞くことに。ひかるは物陰からその一部始終を聞いてしまうのだが・・・。

<第5回> 「女がリングに上がるとき」
 桃井環八(原田泰造)は、香川夏見(菊川怜)とタコ焼きデート。さて、これからが本番、キスしちゃおう・・・が、やっぱり夢だった。寝ぼけ眼の環八の目に飛び込んできたのは「オッハー!」っと元気良い中原ひかる(真中瞳)のエプロン姿。失恋から立ち直らせてくれた環八に惚れたひかるは、いきなり押し掛け女房状態。うろたえる環八。
 その日、ヤングシャウト編集部では宮史郎太副編集長(高橋克実)、本占地雪之丞(八嶋智人)、ひかるらが、目白通代(京野ことみ)が見合いするらしいと噂話。一方、環八はアパートでゆっくり出来なかったトイレの真っ最中。ひかるのことで悩みながらにもかかわらず、すっきり快便言うことナシ。ところが、デカすぎた。環八が産み出したモノは、水の勢いをものともせず便器にどっしり腰を据えたまま。「俺、流れないんすよ」。環八は、これを口実にひかるをあきらめさせようと編集部に飛び込んだ。もちろん、上半身は裸ン坊。ところが、いつもの通り間の悪いことに編集部には、東洋ボトラーズ宣伝部部長・野山幸子(深浦加奈子)がいた。野山は、ヤングシャウトに掲載予定の自社CMに間違いを発見。苦情を言いに来ていたが、裸男の出現に怒り爆発。「金輪際広告は載せません!」と、去ってしまった。
 疎井明編集長(蟹江敬三)は、環八の保護者(?)でもあるデスクの青梅広道(中山秀征)に責任の全てを押しつける。
 目白は、広告の処理で頭がいっぱいの青梅から環八の世話を頼まれてマンガ家のもとへ。だが、目白はここのところ人気投票が落ちた「ブルセラ・ムーン」を疎井編集長に指摘され、頭を悩ませていた。さらに行く先々で環八が起こす騒動に、編集部に帰ってくるとブチ切れ状態。そんな目白に疎井編集長が声をかけた。目白担当の作家が「女とは腹を割って話せない」と言ってきたと言うのだ。そして、その作家の担当を目白から三京稔(川端竜太)に代えると告げる。納得行かない目白に「お前、見合い話きてるってな?」と、追い打ちをかける疎井編集長。心配する環八をよそに、 目白の胸に弱気が走る。
 環八がアパートに帰るとすぐに、ひかるが飛び込んできた。ウキウキとすき焼きの準備を始めるひかるに頭を抱えた環八は一計を案じる。八代亜希(大竹しのぶ)と、彼女のアシスタントを呼んだのだ。その席上、亜希は目白の噂を話し出す。まってましたと、相談しようとする環八だが、亜希は全てを話させようとはしなかった。
 翌日、ヤングシャウト編集部に目白の担当作家、甲州(六平直政)が自らやってきた。話は前日と同じ。目白では腹を割った話が出来ないから、担当を代えて欲しいと言う申し出だ。話を聞いていた環八は熱くなるのとは反対に、目白は冷静に「これからもヤングシャウトを宜しくお願いします」と頭を下げるのだが・・・。
 環八は目白の冷静な態度が納得行かない。そんな目白を横目に宮や本占地はまたしても見合いの噂を話し出す。そのに青梅が野山を伴って帰ってきた。憤る野山の前に目白が進み出る。そして、青梅とともに頭を下げることで野山の怒りも少しは収まるが、それでも広告を任せようとせずに帰ってしまった。
 目白がまたしても担当をハズされたことを知った青梅と環八が居酒屋「泪橋」で飲んでいると、亜希がやって来た。目白に起きたことを知っていた亜希は、青梅と目白の3年前の出来事を話し出す。そして環八に「女をおだてりゃ仕事がはかどる」と言う。何かに目覚めたかのように店を出る環八。たどり着いたのは目白のアパートだった。出てきた目白をおだてるはずの環八だが、なぜか言い争いになってしまう。その翌日、目白は出社しなかった。有給休暇をとった目白は、故郷での見合いに臨もうとしていたのだ。

<第6回> 「涙のヴァージンロード」
 大学館社長、香川善蔵役で細川俊之が出演。名優、細川だが彼の過去には『編集王』と関わりがあった。主人公、桃井環八(原田泰造)のバイブルと言えば『あしたのジョー』。そのアニメで矢吹ジョーの宿命のライバル、力石徹の声を担当していたのが細川。今回はそのものズバリ、力石ファンとしての登場となった。矢吹ファンの環八とぶつかってしまうことは、やはり避けられないことになる。

 チンピラに襲われた中原ひかる(真中瞳)を救ったことで意気投合した環八と善蔵。しかし、善蔵は大学館の社長で、環八が恋する香川夏見(菊川怜)の父親でもあった。ヤングシャウトの売り上げに厳しい善蔵だが、娘を心配する父親としても彼女に近づく男たちに厳しい目を向けている。環八と意気投合した善蔵だが、夏見の交際相手かと思うと許せない。早速クギを刺そうと、善蔵は環八を自宅に呼びつけた。
 緊張する環八だが、己の意思と恋を貫こうと夏見との正式な交際、ひいては結婚までを要求する環八。2人が言い争っていると、夏見が男を連れてやって来た。夏見が連れてきたのは、フリーライターの竹井誠司(近藤芳正)。夏見は、竹井と結婚するというのだ。
 ふいをつかれて失恋した環八は、放心状態で街をさまよう。一晩、泣き明かして出社した環八を夏見が訪ねてきた。自分への想いを募らせてしまったことを詫びる夏見に、環八はなんとか祝福の言葉をかける。だが、善蔵は夏見の結婚をすんなり許そうとはしなかった。大学館でライターの仕事をする竹井をクビにして、社への出入りも禁止してしまったのだ。そんな理不尽なことを聞いて黙っていられる環八ではない。早速、社長室へと乗り込むのだが・・・。
 娘を思う善蔵が口にした「愛する人を守れ」が、今回の社会生活の極意。フラれてはしまったが、夏見は環八の「愛する人」に変わりはない。夏見の幸せを勝ち取ろうとする環八と愛する娘を守る善蔵は、やはり正面衝突することになってしまう。


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