あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「懐かしのホームめざして子守唄」
 ついに東京へ。ようやく自宅マンションの玄関前にたどりつき、これでやっと家に帰れると思った中森かえで(中山美穂)の腕を何者かが掴んだ。借金取りの剣崎松司(高知東生)だ。かえでは剣崎の車に無理やり乗せられてしまう。剣崎はかえでに夜逃げした隣の家族について尋ねるが、かえでが知っているわけがない。とその時、剣崎の携帯が鳴り、関係を否定するかえでを乗せたまま、車は急発進。自宅を目の前にしながら、またしても遠ざかっていく・・・。
 その頃かえでのマンション室内では、ドアの外でそんなことが起きているとは全く知らない中森学(小泉孝太郎)が料理を作っていた。そこに愛原町子(西田尚美)と秋葉原りる(酒井若菜)もやってきて、一緒に料理を作り始めるのだが、材料が足りない・・・。  一方、剣崎からなんとか逃れたかえでは、夢にまで見た自宅の前に到着。部屋に入ろうと鍵を探すが・・・ない。落としたのだ。そしてついさっきまで部屋にいた学たちは、3人揃って足りない食材を買いに出かけてしまっていた。
 不動産屋に合カギをもらいに行こうとするかえでの前に、夜逃げしたはずの隣の娘、ナナ(久保結季)がひとりで現れた。家族のことを尋ねるが、ナナは何も答えない。しがみついて泣き出したナナを放っておけず、かえでは不動産屋へ連れて行くことに。再びマンションの前に戻ってきた剣先の目を上手くかわして、不動産屋へ向かったかえで。しかし、合カギはここには無い、と言われ、家に帰るのは明日まで待たなければならなくなった。
 食材を買って帰ってきた学たちは、マンションの前で剣崎の存在に気づく。町子たちがやってくる前に剣崎の訪問を受けていた学は、かえでの失踪に剣先が関係しているのでは、といい始め、3人は、剣崎の風貌からかえでが何か恐ろしいことに巻き込まれたかもしれないと不安になる。それなら直接、と、剣崎にかえでとの関係を聞きに行くのだが、3人とも情報を得られないどころか、逆に剣崎にかえでについての情報を与えてしまう始末。町子にいたっては、剣崎がかえでと付き合っていたと信じ込まされ・・・。
 その頃かえではナナを連れて、自分が通うはずだった料理学校に来ていた。今夜一晩をナナと一緒にやり過ごすには、先立つものが・・・授業料を返してもらおう。かえではそう考えたのだ。しかし受付の職員は、かえでのマンションに電話をかけて、出た男性に払い戻しができないことを説明したと言う。・・・学だ!かえでは、電話を借りて自宅マンションにかけるが誰もでない。かえでを探すために街に出てしまったのだ。仕方なくお料理学校を後にして、公園へ向かったかえでだが、横にいたはずのナナがいない・・・。あわてて探しに行ったかえでは、とある小学校で彼女の姿を見つけて・・・。

<第5回> 「天女伝説の秘湯の村で帰れない」
 コンテナが開くと、そこは九州の大平原。中森かえで(中山美穂)は人里を目指して山道を降りていく途中、誤って穴に落ち、洞窟に迷い込んでしまう。光が射す方向へ向かうと、小さな祠の裏に出た。
 その頃、近くの村では、村人たちが村長の五木周作(小松政夫)を問い詰めていた。最近、温泉の湯が細ってきた上に、新しい源泉も見つからない。このままでは村の存続が危うい。周作は、この村には300年に一度、天女様がやってくるという言い伝えを村人に話し、何とかその場を治めようとする。取り合わない村人達だったが、その時雷鳴が轟いた。天女は雷鳴とともに現れる。村人たちが窓の外に見たのは・・・かえでだった。
 村人たちがかえでの周りに集まっていると、慌てて駆け寄るものがいる。かえでが出てきた祠から温泉が沸いたというのだ。周作は自分の旅館にかえでを招き入れ、泊まっていって欲しいと頼み込む。不審がるかえでに、宿泊料は無料でいいと言う周作。家に帰りたいかえでだが、バスもないし、温泉宿に、しかも無料で泊まっていいと言われれば断る理由もない。一晩、泊まっていくことにする。
 夜になると、かえではご馳走攻め。何しろ村人たちはかえでを天女だと思っているのだ。訳がわからないながらも温泉につかり、満腹のかえでが寝ようとすると、廊下から周作の怒鳴り声が聞こえた。嫁ぎ先から帰ってきた娘の下田明子(山本未来)に向って、周作は理由も聞かずにただ「帰れ」の一点張り。
 その頃、かえでのマンションでは、弟の学(小泉孝太郎)が、愛原町子(西田尚美)、秋葉原りる(酒井若菜)と、お好み焼きを食べていた。焼いている鉄板台は、大阪から送られたもの。添えられた手紙には『大阪の母より』とある。町子は、かえでの本当の母親が大阪にいたと無茶な推理を主張する。学は否定するのだが・・・。
 かえでの部屋に明子がやってきた。結婚間近だというかえでに、明子は結婚後の苦労を語りだす。最近は夫と喧嘩ばかりしていて、それで実家に帰ってきたのだ、と明子。かえでが子供のことを尋ねると、明子は言葉を濁して部屋を出て行った。
 翌日も、周作と明子は、朝っぱらから口喧嘩。そこにかえでがやって来る。周作は引き止めるが、帰ると言い張るかえで。仕方なくかえでを駅まで送ろうと周作が玄関まで出てくると、村人が駆け込んできた。祠に湧き出た温泉は新しい源泉だと判明したのだ。やっぱり、かえでは天女?
 玄関口に出てきたかえでを迎えたのは、鎖で繋がれたスーツケース。周作は、かえでを帰さないつもりらしい。帰りたいかえではがんじがらめのスーツケースから必要なものだけを取り出し、宿を後にするのだが・・・。

<第6回> 「旅の一座に助けられ舞台に立つ」
 北九州の、とある駅までやってきた中森かえで(中山美穂)。切符を買おうとするが、お金が足りず近くの交番へ。かえでは、応対した警官に今までの経緯を話す。すると警官は、かえでの捜索願が弟の学(小泉孝太郎)から出ていることを確認し、東京までの電車賃を貸してくれた。ところが駅に向かう途中、かえでは大事なお金の入った封筒をひったくられてしまう。犯人を追いかけるかえでの声を聞きつけ、颯爽と駆け寄る男・・・は、なぜか若侍姿。ひったくりをとり抑えようとするも、あっけなくやられてしまい、かえではお金を取り戻せなかった。
 傷ついた侍を助けながら歩いてゆくと、行き着いた先には『六車夢乃丞一座』とペイントしたバスの姿。侍は、清水玉乃新(湯江健幸)という旅芸人だったのだ。次の街へと出発直前の一座のバスで、玉乃新は座長の夢乃丞(柏木由紀子)、娘の薫丞(伊藤歩)ほかの座員に迎えられる。かえでが手を貸して玉乃新が乗り込むと、座員のバッグなども乗せられてバスは出発。その荷物の中にかえでのスーツケースも・・・。タクシーを捕まえて、慌てて後を追うかえではバスに追いつくことはできたのだが、タクシー料金が足りない。困っていると、薫丞が払ってくれて、かえでを一座のバスに乗せてくれた。その道中、かえでは薫丞から、一座が向かう次の街に彼女が結婚の約束をした男性がいると聞く。かえでは、自分も結婚直前なのだと一緒に幸せを喜ぼうとするが、薫丞はなぜか沈んだ顔に・・・。どうやら夢乃丞が薫丞とその男性との結婚を反対しているらしいのだ。一座のバスが瀬戸内海の小さな町の小さな劇場に到着するや、さっそくもめだした夢乃丞と薫丞を尻目に、かえでは一行と別れ、帰路につこうとする・・・が、自分のために怪我を負った玉乃新が心配で舞台の手伝いをすることにした。

 その頃、姉の帰りを待つ学がかえでのマンションにいると、いつものように町子(西田尚美)がひとりでやって来た。町子をりるだと間違えた学を町子がからかい始めたところに、りる(酒井若菜)が到着。2人のいちゃいちゃした様子にりるは、学には手を出さないことを約束したと町子を責める・・・が、軽くいなされる。と、そこで学が、九州の駅でかえでが見つかったと警察から連絡があったことを報告した。
 一方、舞台を手伝ったかえでは、夢乃丞からお礼にとお金をもらい駅に向かう。もらったお金では、東京までの切符は買えなかったが、とりあえず途中までは行けそう。かえでは、残ったお金で自分のマンションに公衆電話から電話をかける。マンションでは、電話を取ったのは学。学が思わず矢継ぎ早に質問を繰り出していると、町子が受話器を奪う。だが、その町子が自分の近況報告ばかりをしているうちに、電話は切れてしまった。結局、かえでがどうしているのかはわからずじまいで・・・。
 受話器を置いたかえでがベンチで電車を待っていると、薫丞が駆け込んできた。彼女を待っていたのは、飯村武(根岸大介)。薫丞の彼氏だ。二人で駆け落ちするのだと言う。と、そこに夢乃丞の姿が・・・。身を隠す二人。夢乃丞に二人を見なかったかと聞かれて、かえではオロオロしてしまう。その表情から、夢乃丞は薫丞が駅にいることを確信。隠れていた二人を見つけ出し、薫丞を一座に連れ帰ってしまう。二人のことが心配で電車に乗れず、一座に戻ったかえでに、薫丞と飯村は、考えなしに結婚を決めたわけではないと話す。そして、夢乃丞を尊敬しているとも・・・。そこに夢乃丞が現れて、薫丞とは会わないようにと飯村にきっぱり言い渡す。泣き崩れる薫丞。飯村は、やはり二人で出て行くと決心を固め、かえでにあることを頼み・・・。


戻る

バックナンバー
[第1-3回] [第4-6回] [第7-9回] [第10-11回]