あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「愛と偶然の旅立ち」
 中森かえで(中山美穂)、30歳。結婚を間近に控えて幸せの絶頂にいた。独身最後の旅行にと、勤めていた銀行の仲の良い同僚、愛原町子(西田尚美)、秋葉原りる(酒井若菜)と訪れたのは上海。現地についたかえでは、飲むわ食うわのグルメ三昧。その食いっぷりは町子やりるもあきれるほど。しかし、薬指に婚約指輪をはめ、幸せの絶頂にいるかえでの勢いをとめるものは、何一つない。そんな彼女の身に、この後とんでもないことが起ころうとは・・・。
 ことの始まりは旅行の最終日、時間ギリギリで飛行機に乗った3人だが、かえでは大切な婚約指輪を忘れたことに気づく。慌てて取りに戻ったかえでを残して飛行機は出発。無事に指輪は発見したものの、仲間と離れてひとり次の便で成田に向うことに。しかも成田に着陸予定の飛行機は、天候不良のため仙台に着陸するという。新幹線でようやく東京にたどり着くが、すんなりとタクシーに乗ることさえできない。電車に乗ろうにも終電は出た後。へとへとになったかえでが自宅マンションにたどり着いたのは、もうすでに明け方だった。
 カギを開けようとしたかえでの前に現れたのは、旅支度をした隣家の家族。家族が夜逃げ中だと気づいたかえでは、思わず救いの手を差し伸べたために、家族の一員と間違えられて、逃がし屋の車に乗せられてしまう。
 気を失っていたかえでが意識を取り戻したところは、見渡す限りの大草原。実は北海道の大自然の真っ只中、にひとり放り出されていたのだ。荷物はあったが、度重なるアクシデントで、携帯も財布も失ってしまう。食べてない、お金もない、連絡も出来ない、何より帰れない・・・ついにかえでは力尽きて倒れてしまう。
 そのころ東京では、かえでの弟、学(小泉孝太郎)が、連絡もよこさず帰ってこない姉の身を心配していた。町子とりるを呼んで、旅行中のかえでの様子などを話し合ううちに、かえでが帰ってこない理由を、マリッジブルーだと思い込んだ彼らは、それぞれがあらぬことを想像し始めて・・・。
 一方、意識を失っていたかえでは、サラブレッド牧場の牧場主の家で手厚い介護を受けていた。主人の一倉武夫(梨本謙次郎)が、倒れていたかえでを助けてくれたのだ。妻の節子(白木美貴子)の暖かい介抱の甲斐あって、元気をとりもどしたかえでの耳に、奥の部屋から老人の声。「文子が帰ってきたのか?」。武夫の父、興作(山谷初男)は、かえでを誰かと間違えている様子・・・。

<第2回> 「無人島からの脱出」
 中森かえで(中山美穂)が目覚めたのは、どこかの浜辺。運良くスーツケースと一緒に流れ着いたものの、果たしてどこかは分からない。見えるのは海と岩場と森だけで、人の気配はない。とにかく人を求めて浜辺沿いに歩いていくと、もとの場所に戻ってきた。どうやら無人島のようだ。途方にくれるかえでの前に小さなボートが現れ、数人の人影が降り立った。思わず駆け寄ったかえでの前にやってきたのは、外国人女性たち。続いて現れた男の様子から、密入国をたくらむ一団だと気づいたかえでだが、何はともあれ無人島から脱出できるのであれば・・・と、彼女達と一緒に船に乗ることを決意する。と、そこに海上保安庁の船が現れて・・・
 外国人女性たちと一緒に青森の海上保安庁に連行されてしまったかえでは、何とか誤解を解いて釈放される。一時間後に東京行きの深夜バスが出ると聞いて、胸をなでおろした。
 その頃、かえでのマンションには、帰りを待つ弟の学(小泉孝太郎)と、愛原町子(西田尚美)、秋葉原りる(酒井若菜)がいた。学は、町子らに北海道の知らない男から宅配便が届いたことを話す。見知らぬ人からの届け物に、誘拐犯からの脅迫状と思い込んだ3人は・・・
 さて、待ちに待った深夜バスの出発時間がきた・・・と思ったかえでの耳に、路面凍結で通行止めの知らせ。出発は早くても明朝と聞いてがっくりしたかえでは、バスを待つ間寒さをしのごうと、居酒屋『二岡』に足を踏み入れる。迎えたのは店主の二岡圭介(古尾谷雅人)。そこに、酔った若者、根本達也(中山祐一朗)が入ってきてかえでに絡みだし、そのあまりのしつこさにかえでが思わず押したはずみで、達也は倒れて頭を打ってしまう。捨て台詞と共に去った達也と入れ替わりに、警官が現れた。かえでが、正当防衛を主張しようとすると、圭介が「わたしがやりました」と言い出して、身代わりに連行されてしまった。圭介には6歳なる息子の正太(片岡涼)がいて・・・。

<第3回> 「たこ焼きとビリケンと母の涙」
 中森かえで(中山美穂)は、青森から東京にいくというトラックに乗せてもらった。しかし、眠ってしまったかえでが目を覚ますと、窓外の風景は大阪。このトラック、確かに東京に向うのだが、それは日本海側をあちこち経由しながらなのだった。
 新幹線ならば今夜中に東京へ・・・トラックを降り、格安チケット店で東京への切符を買ったかえでは、新大阪の駅を目指す。途中かえでは、道を聞くためにラーメン屋台に立ち寄り、そのあまりにおいしそうな様子に誘われて、ラーメンを食べていくことにする。その時、スーツケースを手にした女性、三隅由里(鈴木紗理奈)がかえでの隣にやってきた。そのスーツケースは、偶然にもかえでと同じ色・形。ラーメンを食べ終えたかえでは、間違えて由里のスーツケースを手にし、屋台を離れてしまう。間違いに気づいたかえでは、あわてて屋台に戻るが、由里(鈴木紗理奈)は出た後。探しに出たかえでは、遠くを歩く由里の後姿を発見して追いかけるが、追いつけないばかりか誤って入った居酒屋で阪神タイガースファンに囲まれてしまう。スーツケースにはどでかいジャイアンツのステッカーがはってあったのだ。這這の体で店を出たかえでが手がかりを求めてスーツケースを開けてみると、中にはブーケと結婚式の招待状。それによると式は明日の3時からとなっている。『返してあげないと』・・・かえでの中にそんな気持ちが生まれた。
 一方、かえでのマンションでは、中森学(小泉孝太郎)が、愛原町子(西田尚美)、秋葉原りる(酒井若菜)に、青森からかえで宛てに届いた手紙を2人に見せていた。そこには『ぼくの心の母さんへ』とある。町子は、かえでに隠し子がいたのだと決め込んで・・・。

 翌日、かえではスーツケースを返すために招待状にあった由里の家の住所を訪ねた。しかし、由里は帰ってない。応対に出た由里の父は招待状のあて先を見て、なぜか怒ってかえでを追い返す。次にかえでは、招待状の宛名となっている宮古浪江(林美智子)の家をたずねる。行き着いたのは、とあるたこ焼き屋。そこにはかえでのスーツケースを手にした由里の姿が。二人はようやく互いのスーツケースを取り戻す。由里は浪江に結婚式の招待状を渡そうとするのだが、浪江は頑に受け取ろうとしない。それどころか浪江は由里に二度と来るな、と・・・。由里も、つけていたネックレスを投げつけて、出て行ってしまった。二人は母子らしいのだが、何か事情があるらしい。店に残ったかえでに、浪江はポツリポツリと語り始めた・・・。


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