カナダの雪原を疾走するスノーモービル。乗っているのは、魔本の気配を追うブラゴとシェリーだった。しかし現場に着いてみると、既に魔物は立ち去った後。とその時、ブラゴが何者かの殺気を感じ取る。駆けつけてみると、巨大なグリズリーが老人と少年に襲い掛かろうとしていた。果敢に発砲するも、弾き飛ばされてしまう老人。その銃が傍らの少年の前に落ちるが、ブラゴの重力弾・レイスがグリズリーを撃退した。
　老人を家まで送り届けるシェリーたち。老人によれば、あのグリズリーは少年---------ジェフの両親を殺したのだという。親の仇を討てなかったジェフのことを「腰抜け」と言い放ち、ブラゴはどこかへ行ってしまうが、暫くして、先ほどのグリズリーをかついで戻ってきた。森の中で偶然仕留めたという。複雑な表情のジェフに向かって言う。泣いてばかりでは何も変わらない。強くなれと------------。
　翌朝、近くの森で体を鍛えていたブラゴ。とその時ジェフの家に、ブルドーザーに乗った地上げ屋たちが押しかけてきた。立ち退かないなら家ごとぶっ潰すと脅す地上げ屋に対して、初めは泣いていたジェフだったが、ブラゴの言葉を思い出し、勇敢にも立ち向かっていく。ブラゴがその姿に何か感じたその時、ホテルに置いてあった魔本が光りだした。それに気付いたシェリー、ただ事ではないとブラゴのもとに急行する。
　すさまじい腕力でブルドーザーを弾き飛ばすブラゴ。恐ろしくなって逃げ出す地上げ屋たちだったが、去りざまにあらかじめ仕掛けてあった爆弾のスイッチを押してしまう。雪山の斜面が爆発し、雪崩がジェフの家に迫ったその瞬間、駆けつけたシェリーの唱えた新呪文ディオガ・グラビドンが炸裂！雪崩を山ごと消し去った。
　一件落着の後、勇気を見せたジェフに優しく微笑んでみせるブラゴ。シェリーはその姿に、かつてのブラゴは無かった、厳しさと優しさを兼ね備えた王の風格を感じ取るのだった。