山奥にある温泉旅館へとやって来た高嶺一家。商店街の福引きでブリを当てられず嘆き悲しむガッシュに、優しそうな紳士が一等の温泉旅行を譲ってくれたのだ。温泉でくつろいだ清麿とガッシュが部屋に戻ってくると、近くにある隠し湯への地図が置いてある。旅館からの案内だと思った清麿たちは、探検がてらそこへ行ってみることにした。それが恐るべきハンターたちによって仕組まれた、周到な罠であるとも知らずに・・・・・。
　山道を進む清麿たちを、はるか遠くから見下ろす２つの影。黒豹のような姿をした魔物のバランシャと、その本の持ち主・ガルザである。ガルザこそがガッシュに温泉旅行を譲り、偽の地図で清麿たちを“狩場”へとおびき寄せた張本人だった。まったくの突然、遠距離からの攻撃魔法・ウォケルが清麿を直撃する。呪文を詠唱する声も聞こえず、敵がどこから攻撃してきたのかわからない清麿は、しかしすぐに状況を判断し、迎撃の態勢を整えた。
　“獲物”の意外な頭の良さに興奮を隠し切れないガルザ。ならばとグ・リアルクの呪文でバランシャの体を透明にし、接近戦に打って出る。見えない敵に翻弄され、徐々に心身の疲労がたまっていく清麿。獲物は弱らせてから狩る---------これこそがガルザたちの狙いだったのだ。やがて意識が朦朧とし始める清麿だったが、ガッシュが拾ってきた銀杏の実を見て起死回生の索を思い付く。銀杏のひどい臭いの着いた服を、バランシャが見つけてくわえるように仕組んだのだ。たとえ姿が見えずとも、ガッシュは臭いを頼りに敵を追うことができる。
　今や立場は逆転した。ガルザとバランシャがどこへ逃げようと、執拗に追いすがるガッシュ。ついに崖っぷちまで追い詰められたバランシャたちは、最後の呪文ギガノ・ガドルクで反撃しようとする。しかし清麿の、溜まりに溜まった心の力を爆発させたバオウ・ザケルガが炸裂！バランシャの本は燃やしそこねたが、清麿とガッシュは辛くも敵を撃退することができたのだった。