FNSドキュメンタリー大賞
秋田県の過疎の村に埼玉県から移り住んだ一組の若い夫婦
都会の人間関係が苦手だった二人が周囲に助けられ、また自らも溶け込もうと努力しながら綴った1000日間の日記

第10回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『テケテケ日記〜日本一の星空の村から〜』 (制作 秋田テレビ)

<10月14日(日)深夜26:40〜27:35>
 21世紀を目前にした1999年10月。日本一星空が美しいことで知られる秋田県東成瀬村に埼玉県から1組の若い夫婦が移り住んできた。
 当時、夫の杉山彰さんは32歳。妻のあおいさんは27歳。田舎暮らしを専門に扱う雑誌の中でみつけた、個人の貸家広告に惚れ込んだ二人は、縁故関係の全くない未知の村、過疎で悩む東成瀬村への移住を決意した。
 家と畑と田んぼはすべて借り物。家賃は2万円で、畑20アール、田んぼ20アール付き。彰さんは、人とのコミュニケーションが苦手で、好きな音楽にのめり込む日々が続いていたが、 父親が亡くなったのがきっかけで、埼玉県で農業を継いだ。しかし、それで自活できるほどのノウハウを身につけていたわけではない。

 昭和60年頃から流行になった田舎暮らしブーム。しかし一方では現実の厳しさに破れ、再び都会に帰っていく者も多かった。にもかかわらず、新・田舎暮らしが今、再びブームの兆しを見せているのはなぜか!?自然派志向だけでは説明出来ない田舎暮らしの魅力とは何なのか!?そして情報化時代の田舎暮らしとは、どんな意味とスタイルを持っているのか!?など、同じ時代に生きるものとして彼らの日常的日々と価値観に対する興味はつきない…。

 妻あおいさんは、田舎で自給自足の暮らしを始めた頃から「テケテケ日記」と名づけた日々の日記を、インターネット上に開設したホームページに綴り続けている。過疎の村で自給自足を目指しながら積み重ねた1000日の日記…。「テケテケ」とは飼っている鶏の歩き方からの命名だ。
 初めて東成瀬村に来た時、「ここが、自分の思う中で究極の場所だ」と彰さんは思い、あおいさんは、「小学校の頃から自給自足の生活に憧れていて、それが今本当になった」と振り返る。
 鶏卵で生計を立てようとするが、寒さの厳しい東成瀬村の生活に慣れていないこともあって、思うように鶏が卵を生まず家計が苦しい時もあった。
 そんな二人を村の人たちは、「初めは、二人にはここでの生活は無理だと思った。地元の人にとって雪は天敵。でも、杉山さん夫妻は、雪と遊んでいるのがいい。これからも遊んでいって欲しい」と話す。

 番組ではユートピア幻想を幻想だけで終わらせずに、自分たちの手でつかみ始めた、そんな夫婦の日々に密着した。季節の移ろいの中で、彼らの心はどう変化していったのか?
 その日々を見つめ直すことで、私たちが忘れていたどんなものが見えてくるのか?
 都会の中で落ちこぼれ、脱コミュニケーションを図った二人が、過疎の村暮らしで、村の人たちに助けられ、また自分たちも積極的に溶け込もうと努力しながら、本当の意味でのコミュニケーションの大切さを知っていく様子も追いつつ、1000日の彼らを見つめる…。

 「小さな村の閉鎖的な社会の中で、はじめは変わり者といわれながら自分たちの新しいふるさととして、積極的にコミュニケーションを図っていく二人。都会では人との関わり合い嫌い、田舎に自分たちだけの居場所を求めていたはずなのに…何が彼らを変えていったのか。
 『素敵な田舎暮らし』とはまた違う生活の中で互いに助け合い、農業に、そして村に可能性を見出し、次第にたくましくなっていく二人の姿を通じてコミュニケーションの大切さを伝えたい」
秋田テレビの星野隆ディレクターは語る。


<番組タイトル> 第10回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品 『テケテケ日記 〜日本一の星空の村から〜』
<放送日時> 10月14日(日)深夜26:40〜27:35
<スタッフ> ナレーション : 山谷初男
構    成 : 井上よしたか
朗    読 : 佐々木恵子
撮    影 : 清水 聡、斎藤清孝(共に、秋田パワーステーション)
音    声 : 那珂舞衣(秋田パワーステーション)
編    集 : 本間和久(秋田ステージ)
音    効 : 加藤彦次郎(秋田音響)
ディレクター : 星野 隆
プロデューサー : 石井 仁
<制 作> 秋田テレビ

2001年9月7日発行「パブペパNo.01-305」 フジテレビ広報部