FNSドキュメンタリー大賞
福井県の小さな町にある老舗のボランティア団体の日々の活動を通して『障害』とは、そして『戦争』とは一体何なのかを考える渾身のドキュメンタリー!!

第10回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『彼らの休日』 (制作 福井テレビ)

<7月11日(水)深夜26:55〜27:50放送>
 今年は国連が定めた「ボランティア国際年」。世界的にボランティアに対する関心が高まっているが、実は人口1万人足らずの小さな町・福井県の三方町には、16年前に誕生した老舗のボランティア団体「ベトちゃんドクちゃんの発達を願う会」がある。ベトちゃんドクちゃんとは、説明するまでもなく、ベトナムで下半身がひとつにつながったまま生まれてきた双子の兄弟のこと。その原因は、ベトナム戦争で使用された枯葉剤による影響と見られているのはご承知の通りだ。その後、身体を2つに分ける手術が施され、ドクちゃんの方は、元気に松葉づえをついて走り回っているが、ベトちゃんの方は残念ながら今もベッドで寝たきりの状態が続いている。そして、今、その2人も早20歳となり、もはや「…ちゃん」とは呼べない年齢になっている。

 7月11日(水)深夜26:55〜27:50放送の第10回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『彼らの休日』(制作 福井テレビ)は、「ベトちゃんドクちゃんの発達を願う会」の中心的存在の2人の日本人男性の日頃の活動や、ベトちゃんドクちゃんとの交流をカメラで追い、ボランティア活動や「障害」というものに対する彼らの思いに迫る。

 「ベトちゃんドクちゃんの発達を願う会」を引っ張るのは、三方町図書館司書の河原正実さん(52)と、元福井大学助教授の藤本文朗さん(66)の2人だ。河原さんは手足が不自由で車イスの生活だが、休日を返上してベトナムや障害をテーマに県内外で講演活動を展開している。
 一方の藤本さんはベトナムに通い続け、恵まれない障害児たちへの支援を続けている。そして、これまで彼らの活動は多くの実を結んできた。1987年には日本赤十字社の特別救援機が日本とベトナム間を飛んだり、日越盲人友好協会の設立、両国の大学生が交流する障害児教育セミナーの発足などだ。
 だが、その一方で、彼らはいま限界や悩みにも直面している。一向に進まないベトナムの福祉事情、枯葉剤と障害との因果関係の解明、そして自分の身に忍び寄る老い…。残り少なくなった人生を振り返る中で、彼らはある決心をしようとしていた…。果たしてその決心とは…?

 番組を取材したのは、福井テレビの横山康浩ディレクターだ。横山ディレクターに取材を始めたきっかけについて話を聞くと、「自分の子供が生まれたから(笑)」という意外な答えが返ってきた。  「仕事柄、障害者に理解を示してきたつもりでしたが、いざ自分の子が生まれるとなると、やはり障害のない子で生まれてほしいという思いにかられたんです。本音とタテマエの矛盾の中で自己嫌悪を感じ、障害、それも理不尽な原因による障害に改めて向かい合おうと思いました。河原さんは、通常ボランティアを受ける立場でありながら、逆に16年間ボランティア活動を続けています。障害者の彼にとって、『障害』とは、『戦争』とは何か、知りたいと思いました」と話す。

 「ベトさんドクさん」のうちドクさんの方は、これまでに治療の目的で何度も来日しており、河原さんたちとの絆も太い。河原さんと藤本さんが多くの時間と情熱を費やしてきた“休日”。彼らにとって一連の活動はどういう意味があったのか?そして何を残したのだろうか?彼らの休日をカメラで追い続け、心のうちに迫る。


<番組タイトル> 第10回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品 『彼らの休日』
<放送日時> 7月11日(水)深夜26:55〜27:50
<スタッフ> プロデューサー : 木下義信
ディレクター : 横山康浩
撮    影 : 加藤英一
ナレーション : 益岡 徹
<制 作> 福井テレビ

2001年7月2日発行「パブペパNo.01-224」 フジテレビ広報部