FNSドキュメンタリー大賞
『第9回FNSドキュメンタリー大賞』の各賞決まる!!

大賞はテレビ西日本の『母だからこそ…リストラされる小児病棟』
準大賞は鹿児島テレビの『封印された叫び 〜国策・ハンセン病隔離の罪〜』

『決定!第9回FNSドキュメンタリー大賞(仮)』

<2001年1月28日(日)午後4時からネット単発として改めて放送>
 「FNS各局がそれぞれの視点で切り取った28通りの日本の断面」。
 FNSドキュメンタリー大賞は、FNS系列全体の番組制作力アップと、そのノウハウの蓄積を図ることを目的に92年に創設された。
 今回で9回目を迎えたFNSドキュメンタリー大賞は、参加全ノミネート作品28本の放送が今年4月に始まり、先日12月13日(水)に終了、審査が行われ、大賞(賞金500万円)1作品、準大賞(賞金300万円)1作品、特別賞(賞金200万円)3作品の計5作品が決定した。2001年1月26日(金)正午から銀座東武ホテルで贈賞式が行われる。
 また、大賞作品は2001年1月28日(日)午後4:00〜5:25の『決定!第9回FNSドキュメンタリー大賞(仮)』内で全編放送され、準大賞以下の4作品はダイジェストでの放送となる
 今回の受賞作品は以下の通り。


<大賞> 『母だからこそ…リストラされる小児病棟』(制作 テレビ西日本)
番組内容:
 福岡市の主婦・高山圭子さんの一人娘・花菜ちゃんは、ただの風邪と診断されてからわずか17時間後に「心筋炎」で亡くなった。
 この病気は、風邪と症状が良く似ているが、見落としはそのまま命を落とすことにつながる。高山さんは病院で「ただの風邪じゃありません。いつもと様子が違うんです」と訴え続けたが、その叫びは医師に通じなかったという。
 小児科の基本は「母親の訴えを聞くことだ」と言える。子供は自分の症状を的確に表現できないので、子供と四六時中接している母親の目が大切という意味だ。しかし、この「いろはのい」が医療現場では必ずしも守られているわけではない。
 さらに、医療の現場で子供たちを守るはずの小児科が次々に減っているという。その理由は「少子化」に加え、小児科の保険点数が低いために「儲からないから」ということのようだ。今、「小児科」は危機に瀕しているのだ。
 そんな中、花菜ちゃんを失った高山さんが第2子を身ごもった。最初は再び母親になる喜びを見出していた高山さんだが、出産が間近になるにつれ、意外な感情に揺れ動かされることになった…。

<準大賞> 『封印された叫び 〜国策・ハンセン病隔離の罪〜』(制作 鹿児島テレビ)
番組内容:
 1998年7月、鹿児島と熊本にある国立ハンセン病療養所の入園者たちが1人あたり1億円余りの国家賠償を求める裁判を起こした。わずか13人の原告で始まったこの裁判は、やがて全国の療養所に広がり、原告数は500人を突破した。70歳代、80歳代が中心を占める原告たちはなぜ今、国に闘いを挑まねばならなかったのだろうか?
 ハンセン病の元患者たちが療養所の中でこれまで受けてきた信じられないような人権侵害の実態を、元患者や医師の証言によって明らかにするとともに、その悲劇をもたらした「らい予防法」がなぜ4年余り前まで廃止されなかったについて鋭く検証する。

<特別賞>
『日々是好日 〜天国にいちばん近い里〜』(制作 テレビ宮崎)
『日本最初のドキュメンタリー 〜石井十次・愛の記録〜』(制作 岡山放送)
『深海のサファイア 〜ホタルイカ光の謎〜』(制作 富山テレビ)


※第10回FNSドキュメンタリー大賞審査員 (順不同、敬称略)
  荻野 祥三  (毎日新聞学芸部)
  深井 道雄  (東京新聞放送芸能部)
  隈元 信一  (朝日新聞学芸部)
  山根 聡   (産経新聞文化部)
  高橋 尚宏  (共同通信文化部)   松崎 剛   (読売新聞文化部)
  沖永 利志子 (時事通信文化部)

※「特別賞」は、多少荒削りでも、取材対象へのアプローチや構成・表現方法に独創性があり、制作者の今後に期待・可能性を感じさせる、つまり“何か光るもの”ある作品が対象。

2000年12月21日発行「パブペパNo.01-418」 フジテレビ広報部