2016.11.9

第25回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『自分を超える
~競泳日本代表 松田丈志~』

(制作:テレビ宮崎)

リオ五輪で集大成!競泳・松田選手の挑戦

<11月9日(水)26時50分~27時45分>


 オリンピックメダリスト・松田丈志。20歳で初のオリンピック出場(アテネ)を果たし、北京、ロンドンと3大会を経験。個人・リレーでメダルも獲得した。輝かしい成績を誇るスイマーも今年で32歳。年齢と戦い、若手の台頭に立ち向かいながら、日本競泳史上最高年齢で自身4度目となるリオオリンピックへの出場を決めた。松田の水泳人生を振り返りながら、懸命に憧れの舞台を追い求める姿を取材した。

 2016年4月、リオデジャネイロオリンピック代表を決める日本選手権。松田丈志は200m自由形で2位に入り、800mリレーでの代表の座をつかんだ。あの北島康介選手を超え、日本競泳史上最高年齢でのオリンピック代表選手となった。
 テレビ宮崎も地元局として松田選手には注目し、幼少期からの映像素材も局内に保管されている。4度目のオリンピック出場を決めた松田選手へのエールを込め、これまでの競泳人生を振り返る番組の制作が始まった。
 4歳から水泳を始めた松田選手。始めは母親がプールに連れてきたことがきっかけだった。そこで久世由美子コーチと運命の出会いを果たす。この頃のインタビューのあどけない雰囲気と将来大物になりそうな受け答えは必見だ。
 とにかく練習熱心な松田は小学生にして中高生と同じ練習をこなし、メキメキと実力をつけていった。中学3年生の頃には、同じ年齢区分の高校1年生を寄せ付けない泳ぎで国民体育大会(少年B)を制覇。また高校生で国際大会に出場するなど、その勢いは当時のトップスイマー達をも脅かした。

 初のオリンピックは大学2年生で出場したアテネ大会。400m自由形での決勝進出は当時40年ぶりの快挙であったが、メダルには遠く及ばなかった。このとき松田選手は「メダルを取れないとつまらない」と感じたそうだ。
 それからの4年間はオリンピックでのメダル獲得にこだわり、必死に泳ぎ続けた。そして迎えた2008年北京オリンピックでは、200mバタフライで怪物マイケル・フェルプスとデッドヒートを繰り広げ3位入賞。見事、悲願のメダルを手にした。
 順風満帆に見える競泳人生だが、ここで松田選手に試練が訪れる。スポンサー企業との契約が満了し、所属がなくなってしまったのだ。世界を舞台に戦う松田選手の活動費は、コーチとともに海外遠征や合宿を組んだり、専属スタッフにかかる費用など、年間およそ2000万円。500社以上に手紙を出し、練習の合間に直接挨拶に出向くなど、とてもトレーニングに集中できない環境だった。しかし苦境に負けずに根気強くスポンサー探しを続けた甲斐があり、新たな企業のサポートの中で3度目のオリンピックを迎えることができた。
 日本代表チームのキャプテンとして臨んだロンドンオリンピックでは200mバタフライでマイケル・フェルプスとの再戦が注目された。しかし結果は、北京と同じ3位。後半で猛追するもさしきれず、わずか0.25秒に3人がタッチする接戦を逃した。ここで奮起した松田選手は、日本代表のキャプテンとして国の威信を賭けた400mメドレーリレーに出場。この種目で日本男子初の銀メダルを獲得した。この後の「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」というインタビューは今でも鮮明に焼きついている。

 華々しく幕を閉じたロンドンオリンピックだったが、それ以降なかなか結果を出すことができず、2015年には13年間在籍した日本代表チームから落選。リオ五輪への期待が薄れる中、松田が選んだのは「原点回帰」だった。可能な限り故郷の延岡に戻り、練習を積んだ。ときには宮崎の試合に出場し、泳ぐ楽しさを再確認した。
 1年間自分なりの方法で水泳と向き合い、迎えたリオオリンピック代表選考会。松田は800mリレーの代表メンバーとしてリオへの切符をつかんだ。日本代表に復帰し、最年長として他の選手達を指導しながら、4度目のオリンピックでは金メダルを目指すと語った。800mリレーメンバーのインタビューでは、そのやる気に満ちた回答にオリンピックが待ち遠しくなった。
 リオオリンピックでの日本勢の活躍に期待するとともに、松田選手が納得のいく泳ぎができるよう精一杯応援したい。

ディレクター/構成・村上辰之助(テレビ宮崎制作部)コメント

「もともと自分が水泳をしていたこともあり、旬なタイミングで同郷の松田選手を取材できてとても楽しい番組制作でした。幼少期からの素材をストーリーにのせて紡いでいく作業がメインでしたが、ただ時系列に並べては水泳マニアの番組になってしまうため、どう緩急をつけようか悩みました。しかし、そこは苦労人の松田選手。4度のオリンピック出場の裏側にあった、決して平坦ではない道のりのおかげ(?)で、栄光あり挫折ありのドラマを描くことができました。
 リオデジャネイロオリンピック出場時には32歳の松田選手。日本の最年長スイマーとして、是非今までに取ったことのない金メダルをつかみ取ってほしいと心から願っています」

※注:テレビ宮崎での放送はオリンピック前の5月だったため、資料は一部未来形になっております。


番組概要

◆番組タイトル

第25回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『自分を超える
~競泳日本代表 松田丈志~』
(制作:テレビ宮崎)

◆放送日時

11月9日(水)26時50分~27時45分

◆スタッフ

プロデューサー
那須信介
ディレクター/構成
村上辰之助
撮影/編集
寺原浩次
ナレーション
柳田哲志

2016年11月8日発行「パブペパNo.16-450」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。