2016.10.3

第25回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『めざせ100万人の村~秋田を変える“よそ者力”~』
(制作:秋田テレビ)

独特の古民家再生に地方創世のヒントが!

<10月11日(火)27時~27時55分>


 秋田県五城目町に築130年以上のかやぶき屋根の古民家が全国から出資を募って保存する“シェアビレッジ”として注目を浴びている。解体寸前の家を買い取った3人のうちのひとり、丑田俊輔さんは2年前に町に移住し古民家を舞台に様々な取り組みを行っている。そんな丑田さんの取り組みに賛同し全国から「若者」が集うようになった。全国各地で人口減少や若者の流出が続く中、なぜ町に若者が集まるのか。番組では現代の若者の「心」と地域活性化の「鍵」を探っていく。

2015年の国勢調査で人口減少率ワースト1を記録した秋田県。秋田県南秋田郡五城目町も人口1万人足らずの町だ。そうした中、2014年に東京から縁もゆかりもない五城目町に移住してきた丑田俊輔さん。丑田さんは解体される予定だった築133年の古民家を買取り再生させ、“シェアビレッジ”を立ち上げた。シェアビレッジは古民家を「村」に見立て、「村民」を集い、「村民」から会費にあたる「年貢」を集め、古民家を維持していこうという事業だ。このシェアビレッジこそが人口減少に頭を抱える秋田県の中で、唯一秋田県内で人口が増えている「村」なのである。丑田さんはこの古民家、「村」にある壮大な夢を抱く。それは「人口100万人の村」を作ることだ。その夢を達成するためには何が必要なのか。

 いきなり移住してきた丑田さんは五城目町の特色や強みをまず知る必要があった。かつての主要産業の農業や林業を体験したり、特産品であるキイチゴの勉強をしたりするなど精力的に動き、頭の中に取り込んでいった。特に「キイチゴ」については特産品としていかに産業化していくかを大きな課題として挙げ、自ら「キイチゴ」を植え、収穫し、商品化を果たすなど、地域資源の見直しと活用に力を注いだ。一方で、教育事業を軸とする会社の代表取締役を務めていることもあり県内外から子どもを呼び五城目町の観光資源や特産品などを教材にする教育イベントを実施し、多くの人から賛同を得た。
 さらに丑田さんは人を増やしていくためには仕事がなければいけないと思い、「土着のベンチャー企業」、いわゆる「ドチャベン」をスタートさせる。ドチャベンは田舎から新たなビジネスを生み出そうとする人たちを支援するもので、コンテストを通じ、計画の成長性や収益性・将来性などが審査される。首都圏の大手のシンクタンクに勤めているある女性も秋田県横手市を移住のターゲットにしている。
 シェアビレッジの村民になったことで、秋田を知り、五城目町に移住してくる人、シェアビレッジで行われるイベントに参加し、村民同士で意気投合し協力しあって五城目で事業を起こそうとする人たち、丑田さんと出会い移住を決心する人、きっかけはそれぞれだが、そこには「丑田俊輔」という共通点がある。

なぜ、安定した生活を捨ててまでこの田舎に来るのか、五城目町にどんな魅力があるのか、秋田県に住む自分としては少々違和感を感じる行動だ。
 丑田さんが五城目町に来てからの2年間、彼を頼って秋田県に移住してきた人は多いし、町の集落もイベントなどを通じて活気づいていることは明白で、行政が人口の減少や若者の流出に頭を抱えている中、丑田さんの取組みが行政課題をクリアしているような感じすら覚える。確かに五城目町はこの2年間で大きく変化している。丑田さんの取り組み自体に安倍政権が掲げる「地方創生」に向けたヒントが隠されているのかもしれない。
 なぜ「人」、しかも「若者」がこの田舎に増えるのか、丑田さんの取り組みによってなぜ地域が活気付くのか、なぜ丑田さんに引かれるのか、丑田さんに密着し、現代の若者の心と地域活性化の鍵を探っていく。

ディレクター・畠山大(秋田テレビ報道部)コメント

「秋田県五城目町に築130年の茅葺屋根の古民家。この古民家を3人の若者が買取り“シェアビレッジ”として“再生”しました。しかし建物はほぼ昔のまま。この建物が“再生”されたことでこのエリアがどのように変わっていくのかを注目しました。3人のうちのひとり、丑田俊輔さんは、縁もゆかりもない五城目町に都会から移住し、人口100万人の村を作るという目標を掲げました。その目標に向かって突き進む丑田さんの姿は我々、県民にとって学ぶべきところが多いかもしれません。丑田さんが来ておよそ2年。全国各地で人口減少や若者の流出が続き、行政などが頭を抱える中、雇用創出の兆しが見えてきたり移住者が増えるなど、様々な変化が見られ、国も掲げる“地方創生”実現のヒントが得られると思いました。丑田さんの取り組みが、他の地域に必ずしも当てはまるとは限りませんが、多くの問題を抱える秋田県の未来に希望を与えてくれると感じました」


番組概要

◆番組タイトル

第25回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『めざせ100万人の村
 ~秋田を変える“よそ者力”~』
(制作:秋田テレビ)

◆放送日時

10月11日(火)27時~27時55分

◆スタッフ

構成
関盛秀
撮影
森義弘
編集
八端朝雄
ディレクター
畠山大
プロデューサー
星野隆

2016年8月15日発行「パブペパNo.16-330」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。