2014.8.28

第23回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『愛はモジャモジャ(一歩一歩)』
(制作:長野放送)

アフリカ・タンザニアから長野のりんご農家に嫁いだ女性がいる。彼女はいつも明るくパワフルで周りには笑い声が絶えない。周りの人たちを元気にする力もある。
そんな彼女には夢がある。それは故郷タンザニアの孤児のための施設を作ること…。家族に支えられながら強い意志を持ち、母国タンザニアのためにできることを強く思い、夢の実現に向け一歩一歩(モジャモジャ)進んでいく。番組では、彼女とそれを支える家族や周囲の人たちの愛を追った。

<9月10日(水)26時20分~27時15分>


 人生は旅に例えられる。では、旅の目的は何で、目的地はどこなのだろうか?そして、その旅に必要なものは何なのだろうか?旅を豊かにするものは?家族、友人、職場や地域、故郷の人々…夢や希望…なかなか答えの出るものではない。
 ここに生きる目標をしっかり持った、一生懸命な女性がいる。小林フィデアさん(43歳)。長野県飯綱町在住。アフリカ・タンザニアから日本に嫁いで19年。彼女の事を「太陽のようだ…」と言うのは夫の一成さん(53歳)。日本でも温かい家族に恵まれ、生活にも次第に慣れていっていた。

 私たちがフィデアさんに初めて会ったのは1999年。その時から彼女はずっと夢を持ち続けている。それは故郷タンザニアの子どもたちを助けること。「親のいない子どもたちに、家族のような生活を味わって欲しい」と、フィデアさんはいつも言っている。故郷タンザニアにいるたくさんの孤児たち、生きて行くことすらままならない子どもたちの生活、そんなタンザニアの子どもたちの現状にずっと心を痛めているのだ。

 分け合う国、助け合う国タンザニア。タンザニアには「ボランティア」という言葉もないという。それがあたりまえの事だから。そんな中、タンザニアでは母のレジーナさんが孤児を支援するNGO団体を立ち上げた。フィデアさんも個人で援助をし始める。日本から楽器や文房具を送ったり、講演や寄付で得た資金で援助をし続けた。

 情熱家でエネルギッシュなフィデアさんは、次第に周りの人を巻き込んでいく。そして、そのパワフルな活動に共感する人がだんだんと増え、タンザニア孤児支援のNPO法人まで設立することができた。フィデアさんの夢がさらに広がる。人生が旅なら、出会う人とは笑顔で挨拶したい。旅する人とは助け合い、分かち合って進みたい。動けなくなった人には、夢や希望が待っていると伝えたい。人生はサファリ。人生は旅だという彼女と、ほんの少しだけ一緒に旅をしてみた。異国から嫁いで19年。アフリカ・タンザニアから来た女性と家族や友人たちの姿を通して、もう一度豊かになるとはどういうことなのか考えてみた。

<ディレクター・岩村陽一(長野放送制作部)のコメント>

「フィデアさんには何度も元気をもらいました。彼女の発言はいわば箴言で、考えさせられる事がしょっちゅうでした。そして、取材の帰りいつも思うことがありました。“彼女はなぜ、他人のためにあんなに尽せるのか?” カッコよく言えば“人はなぜ、何のために生きているのか?”日本人が忘れつつあるものも思い起こしてくれました。私が感じたこんな気持ちを、少しでも多くの人が感じてくれれば幸いです。そして自分なりの答えを見つけてもらえれば、こんなにうれしいことはありません」


番組概要

タイトル

第23回FNSドキュメンタリー大賞出品番組
『愛はモジャモジャ(一歩一歩)』
(制作:長野放送)

放送日時

9月10日(水)26時20分~27時15分

スタッフ

プロデューサー
太田耕司
ディレクター
岩村陽一
構成
岩村陽一
桜井妙子
ナレーター
大谷香奈絵
柴田勝家
撮影
吉川勝義
水内通晴
編集
岩村陽一

2014年8月28日発行「パブペパNo.14-346」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。