2012.9.28

第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『どうだい 元気にしとるかい
~村民と共に 医師池田忠さん~』

(制作:長野放送)

長野県泰阜村の診療所に3年前に着任した医師、池田忠さん(63歳)。「医者と患者には、人と人の付き合いが大切」と話し、診察室にはいつも笑いがあふれている。患者と同じ目線で向き合う医療を心がけ、往診以外にも気になる患者の家に立ち寄る池田さん。自宅の様子や家族関係などを知ることは、慢性的な病気が多いお年寄りの医療には欠かせないという。住み慣れた環境で、家族に囲まれながら生涯を終えることが理想だ。番組では、認知症を患う夫を、妻が自宅で明るく介護する夫婦や、100歳近い母を息子が介護する親子などとふれあう池田さんの姿を通じ、家族と地域、そして人間の生き方を考える。

<9月26日(水)27時5分~28時>


 長野県の南にある小さな村の診療所に3年前、着任した池田忠医師(63)は、鹿児島県出身。医者と患者としてではなく、人と人のお付き合いが大切と気さくに村民とふれあう池田さんの姿を2年間追った。泰阜村は、人口約1800人、高齢化率はおよそ4割。そして、村唯一の「泰阜村診療所」の患者の9割が70歳以上のお年寄りだ。

 3年前、診療所長に着任した池田さんは、患者と同じ目線で向き合う医療を心がけ、地元の言葉で気さくに話しかける診察室には、いつも笑いがあふれている。午前中は、診察、午後は往診に村内を回るが、往診以外にも気になる患者の家に立ち寄ることが多い。自宅の様子や家族関係などを知ることは、慢性的な病気が多いお年寄りの医療には欠かせないという。そして、池田さんの理想は、お年寄りが住み慣れた環境で、家族に囲まれながら生涯を終えるための環境を整えること…。

 村で暮らすある夫婦は認知症を患う夫を妻が自宅で介護して10年になる。息子たちのことは分からなくなり、かろうじて妻のことは認識している。認知症を発症したばかりは気に病むこともあり、周りの目を気にしていたという妻は、一生のことだからと明るく介護を続けながら生活をしている。

 また、100歳近い母と暮らす息子は、施設や病院ではなく母の好きな家でと自宅で介護を続ける。こうした患者とのつながりの中で、池田さんもまた自分の生き方を考えていく。

 番組では、患者とふれあう池田さんの姿を通じ、家族や地域とは…、老いとは…、死とは…、そして人間の生き方とは…。これからの高齢化社会が直面するさまざまな問題を考える。

東澤鈴美ディレクターコメント

「診察室での池田さんと患者さんの明るいやりとり、大きな声で笑う患者さん。鹿児島県出身でありながらも、地元の方言を使って患者さんに気さくに話す池田さん、すっかり地元になじんでいる姿に、まずは、こんなお医者さんがいるのか?と驚きました。いつも和やかな診察室から感じられるのは、お年寄りの池田さんに対する信頼の厚さです。“薬を飲まなくても先生と話したら治った気になる”“楽しくてついつい長居してしまう”小さな村のお年寄りたちは、診療所に来るのを心待ちにしています。往診の途中でも気になる患者さんのお宅に立ち寄り、生活環境を知ることで薬の処方も変わってくると池田さんは言います。患者さんの生活を第一に考え、医療がその生活の邪魔をしないよう、そして、住み慣れた環境で家族に囲まれながら生涯を終えられる在宅に力を注ぐ池田さんの姿を見て、医療とは、医者の存在とは何かをあらめて考えさせられました。また、池田さんの患者である認知症を患う夫と介護する妻、息子さんが100歳近い母を介護する親子との心温まるふれあいを通して、あらためて家族の存在の大切さを感じます。この番組を通して、家族の存在や生き方、また老いていくとは?などを少しでも感じていただければ幸いです。」


<番組概要>

◆番組タイトル

第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『どうだい 元気にしとるかい~村民と共に 医師池田忠さん~』
(制作:長野放送)

◆放送日時

9月26日(水)27時5分~28時

◆スタッフ

ナレーター
寺瀬今日子
撮影・編集
吉川勝義
音効
マイサウンドカンパニー
ディレクター
東澤鈴美
構成・プロデューサー
春原晴久

2012年9月25日発行「パブペパNo.12-330」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。