2012.9.7

第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『龍馬チルドレン
~マンハッタンで彼らが誓ったこと~』

(制作:高知さんさんテレビ)

高知県立坂本龍馬記念館が去年10月に実施したアメリカフォーラム。坂本龍馬や勝海舟の子孫と高知の高校生らが、龍馬憧れの地、自由と平等の本場・アメリカで龍馬スピリットを語った。テーマは「WHY RYOMA NOW?(なぜ今龍馬か?)」東日本大震災という未曾有の災害に見舞われた日本、不安定さが増す世界経済と国際政治。今、世の中に求められるのは「龍馬」だという、龍馬チルドレンたちのアメリカフォーラムに向けた奮闘ぶりを追った。

<9月19日(水)26時10分~27時5分>


 テレビドラマに端を発した坂本龍馬ブームが今も続く高知県。県を挙げて取り組んでいる今年の観光キャンペーンも「リョーマの休日」という名称で実施され、坂本龍馬が地域振興のシンボルになっている。ともすると「龍馬」の名が商業的な目的で使用されることが多い中、幕末、比類のない行動力と先見性で時代を動かした龍馬スピリットを世界中に広めたいと、本気で考えている人々がいた。高知県立坂本龍馬記念館の職員と、彼らに招かれた坂本龍馬や勝海舟の子孫たちである。

 2011年10月、龍馬が憧れ続けた国・アメリカに、龍馬の子孫たちが渡った。県立坂本龍馬記念館が開館20周年を迎えることを記念して開かれたアメリカフォーラムである。坂本龍馬、勝海舟、ジョン万次郎。幕末の混沌とした時代に、世代も生まれも身分も違う3人が偶然出会い、自由と平等の国について語り、歴史が加速した。そして現代、彼らの子孫たちが150年の時を越え出会い、自由と平等を求めた坂本龍馬の志について、日米の若者も交えて語り合った。

 龍馬の子孫・坂本登さんは自由を求めた志士の子孫として、勝海舟の子孫・高山みな子さんは平和を愛した政治家の子孫としてそれぞれ、彼らの志を後世に引き継いでいく責任があると考えている。幕末、龍馬や海舟が求めた自由・平等・平和の精神。それは、ジョン万次郎を通じてアメリカからもたらされたもので、当時の彼らにとってアメリカはいわば先生だった。行き過ぎた資本主義によって自由と平等が揺らいでいる現代のアメリカに渡り、龍馬・海舟のスピリットを語るということに、強い意義を感じている子孫たち。アメリカフォーラムのリハーサルなど、準備作業にも力が入る

 一方、彼らの思いを未来につなげるために選ばれたという大石すみれさんと宜保然樹さんは、熱烈な龍馬ファンというわけではないが、英語が得意な高知の高校生。大石さんは、過疎化が進むふるさとを何とかしたいという思いを、日本を何とかしたいと行動した幕末の龍馬の思いに重ね合わせ、アメリカでメッセージを発信するというが、もう一人の宜保さんは、フォーラムで訴えたい主張がはっきりしない。「WHY RYOMA NOW?(なぜ今龍馬なのか?)」というフォーラムのテーマについて、答えが見つからないというのである。さらに2011年3月11日に発生した東日本大震災に衝撃を受けた彼女は、この時期、アメリカで龍馬を語る意味があるのかと考えるようになってしまったのだ。さまざまな思いを抱えながら、リハーサルや準備作業に追われる二人の女子高校生は、アメリカフォーラムで何を語るのか。

 主催者である坂本龍馬記念館も、この時期に日本人が海外で何かメッセージを発信するとき、東日本大震災について語らないわけにはいかないと、フォーラムの台本を練り直した。ところが、震災に関する部分のボリュームについて、坂本龍馬記念館と龍馬の子孫たちの間で意見の相違が出てしまった。直前まで、台本が定まらず、きちんとしたリハーサルが行えないまま、一行はアメリカに向けて飛び立った。

 いざ、本番。いろいろな考え方や主張を持つパネラーたち。思いに強弱はあれ、みんな龍馬に思いを寄せる「龍馬チルドレン」なのだ。坂本登さんをはじめ、全員が堂々と龍馬スピリットを語った。計4回のフォーラムを終えたとき、彼らの心はひとつになった。そして、ニューヨークのウォール街で、アメリカの自由と平等が揺らいでいるさまを目撃した坂本登さんたちはひとつの誓いを立てて、実行に移した。

 番組では、高知県立坂本龍馬記念館のアメリカフォーラムに密着し、彼らの龍馬に対する思い、フォーラムに向けた心の動きを描きながら、龍馬スピリットの真髄に迫る。

ディレクター・尾崎晃一コメント

「日本人の好きな歴史上の偉人ランキングで常にトップクラスの人気を誇る坂本龍馬。小説や映画、ドラマなどで取り上げられることも多い。龍馬の生きざまに影響を受け、龍馬が人生の道しるべだという信奉者もいる。そんな中、龍馬の精神を世界中に発信していこうというグループが現れた。龍馬の子孫筋に当たる坂本登や高知県立坂本龍馬記念館の森健志郎館長らである。高知の高校生の身近で素直な日常の悩みから、宗教対立や経済格差が広がる国際社会に視線を向けたグローバルな諸課題にまで、龍馬スピリットによって解決に導こうというのだ。その最初の一歩となる、アメリカ・ニューヨークでのフォーラム開催に向けた、高知の女子高生・大石すみれや宜保然樹の純粋でひたむきな奮闘ぶりと、坂本登ら“龍馬チルドレン”がアメリカで誓った新たな決意から、龍馬精神の真髄を感じてほしい」


<番組概要>

◆番組タイトル

第21回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『龍馬チルドレン
~マンハッタンで彼らが誓ったこと~』
(制作:鹿児島テレビ)

◆放送日時

9月19日(水)26時10分~27時5分

◆スタッフ

プロデューサー
林寛(高知さんさんテレビ)
ディレクター
尾崎晃一(高知さんさんテレビ)
ナレーター
小林綾子
撮影
谷相勇一
編集
吉満一之(CARROT)
音効
片岡幸司(SOUND-K)
MA
山本正志(CARROT)

2012年9月6日発行「パブペパNo.12-329」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。