2011.7.14

第20回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
議会のかたち
(制作:東海テレビ

平成21年4月。名古屋に黒船がやって来た。総理大臣を狙っていたはずの河村たかし衆議院議員が過去最多得票で名古屋市長に当選したのだ。河村市長は市民の人気を後ろ盾に「議員報酬半減」や「市民税減税」などの議会改革を提案。市長の改革案は否決と再議を繰り返し、市議会は「市長VS市議」の全面戦争の場となった。番組では、市議会議員の仕事や日常、選挙活動の密着を通して、よりよい議会の在り方を考える。

<2011年7月20日(水)26時10分~27時5分>


 名古屋市議会の本会議場の形は、円形である。全国でも珍しい形の議場は「議論を尽くし、そして丸くおさめる」という先人の願いが込められていると言われている。
 平成21年4月、自称「総理を狙う男」衆議院議員河村たかし氏が、史上最多得票で名古屋市長に当選した。河村市長は70%を超える支持率を後ろ盾に"市民税の10%減税""議会改革"などを矢継ぎ早に提案。議会改革では「市議は年間80日の活動で1600万円の報酬をもらい、特権化している」と議員報酬の半減案を繰り出した。過去30年、与野党相乗りで行政と馴れ合いだった名古屋市議会は、自民党だけではなく、出身母体の民主党も河村市長に反発。市長の改革案の否決と再議を繰り返し、議会は「市長VS市議」の全面戦争の場となった。

 平成22年8月、市長は最後の切り札を出した。議会の解散請求=リコールである。河村市長は、自ら立ち上げた新党「減税日本」から候補者を擁立するとともに、任期途中で市長を辞職し、議会リコールと愛知県知事選挙のトリプルで、市民の信を問うと表明した。 瑞穂区選出の自民党市議会議員、藤田和秀さん(47)。父親の地盤を継ぎ、現在3期目で、反河村市長で立場は鮮明である。地元からの陳情、就職の世話、運動会や老人会のあいさつ、そして党の会議に議会…。議員の日常は多忙だ。そして、迫る市議会議員選挙。瑞穂区の定員は4人。「減税日本」から2人が立候補すると市内屈指の激戦区となる。果たして、藤田議員は、この荒波を、どのように乗り切るのか…。その姿に、議会と市民の関わりが写し込まれる。市議会議員の日常や選挙活動に密着しながら、市長と市議会の動きの向こうに、地方政治のありようを考えて見たい。

齊藤潤一ディレクターコメント

「市議会議員は、ろくな仕事もしにゃで、高けえ給料もらっとる。だで、みんな世襲するんだわ。議員の数も給料も半分でええわ。おみゃあさん、そう思わんかね」

【名古屋弁訳】

「市議会議員は、仕事をあまりしないのに、高額な給料をもらっている。だから、多くの議員が世襲するのです。議員の数も給料も半分で良いと思います。皆さん、そう思いませんか」

「河村たかし市長の街頭演説に名古屋市民はやんややんやの大歓声。7割の支持率を誇る河村市長の呼びかけで、昨年、市議会解散のリコールが成立しました。
 私は番組を作る時、いつも悪役に興味を持ちます。悪役を描くことで、ものの本質が見えることがあるからです。昨年、名古屋の悪役は間違いなく市議会議員でした。今回、密着したのは、世襲で多選の自民党議員。飛びきりの悪役を選びました。悪役議員を通して名古屋市民が支持した河村改革はどう見えるのか。悪役気分で番組を見て下さい。」


<番組概要>

◆番組タイトル

第20回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『議会のかたち』
(制作:東海テレビ)

◆放送日時

2011年7月20日(水)26時10分~27時5分

◆スタッフ

プロデューサー
阿武野勝彦
ディレクター
齊藤潤一
ナレーター
舘 ひろし
撮影
川田隆志
編集
高見 順
音響効果
久保田吉根
音声
櫻井祐介
デスク
洞口樹里

2011年7月13日発行「パブペパNo.11-159」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。