2010.7.16

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
自由に打ちたい! ~TAO・17年目の夢大陸~
(制作:テレビ大分

大分県竹田市久住町に本拠を置く世界的和太鼓集団・TAO。
結成17年目の2010年春、
結成時からの目標であったアメリカでの演奏旅行に挑んだ。
TAO代表・藤高氏に密着、草創期から世界に羽ばたく集団に成長するまでをたどると共に、
夢であったアメリカ公演での壮大な和太鼓パフォーマンスを伝える。

<2010年7月19日(月)27時5分~28時放送>


 大分県竹田市久住町に本拠を置く世界的和太鼓集団・TAO。圧倒的な音と光が融合するTAOの斬新なステージスタイルは、見るもの・聴くものを魅了する。
 7月19日(月)27時5分~28時放送の第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『自由に打ちたい!~TAO・17年目の夢大陸~』(制作:テレビ大分)は、結成17年目の2010年春、結成時からの目標であったアメリカ公演に挑んだTAO代表・藤高氏に密着し、草創期から世界に羽ばたく集団に成長するまでをたどる。また、アメリカ公演の壮大な和太鼓パフォーマンスを伝える。

 大分県竹田市に本拠地を置く世界的和太鼓集団・TAO(タオ)が、2010年春、初のアメリカライブツアーを成功させた。伝統的な和太鼓演奏ではなく、太鼓を中心にしながらも全く新しいパフォーマンスの創造を目指すTAOにとって、エンターテインメントの本場・アメリカでの公演は17年前の結成以来変わらず目標にしてきた事であった。その中でもクライマックスとなったのがエンターテインメントの頂点とも言えるブロードウエイを背景にしたニューヨークでの公演だ。
 番組では、代表・藤高郁夫氏を中心にTAOのニューヨーク公演に密着して、新しい日本のエンターテインメントがどのようにアメリカ人に訴えかけるのかを探るとともに独創的なTAOのステージの秘密にも迫る。
 和太鼓集団TAOは、17年前の1993年に愛知県で結成、静岡県熱海で興行をしていたが経営の行き詰まりから解散の危機に陥った。この事態に当時商社マンでTAOとかかわっていた藤高郁夫氏は、受け継ぐ形でこの集団に参加した。社長に就任した藤高は、10人ほどの若者を引き連れ故郷に近い九州・大分県久住町(当時)に居住地を移し太鼓の練習拠点を設けた。

 藤高の目指すのは、「創作太鼓」の演技集団であり、「芸能文化の継承」を掲げる他の和太鼓団体とは一線を画す。太鼓パフォーマンスを中心に、極限まで鍛えた肉体で構成する幻想的なステージは、藤高が若いころアメリカ・ラスベガスで見たスーパーサーカスの舞台が手本となっている。アメリカ公演スタートから1カ月後の3月初め、メンバーたちはそのラスベガスにいた。演技に迷ったら必ず来ると言うラスベガスで、見慣れたスーパーサーカスの舞台に触れ新たな思いに浸り、そして次のステージに向けてのモチベーションを得る。
 ハッピを脱ぎハチマキをはずした太鼓打ちの若者たちは、自然豊かな阿蘇くじゅう国立公園の中央に設けられた施設で共同生活を送る傍ら、身体をひたすら鍛え風や雨の音をメロディに変えながら創作活動を続ける。高い芸術性と豊かな独創性は評価を呼び、すでにアジアやヨーロッパを中心に350万人という観客動員を果たしている。そのパフォーマンスを支えるのは、厳しい鍛錬だけではない。共同生活で育んだ家族的なきずなは、演者の連携を高め寸分狂わぬパフォーマンスを生む。また、世界的に活動する音楽や映像クリエーターたちで構成されるステージクルーは、常にトップレベルの斬新さを演技に吹き込む。
 鍛えた肉体とハイレベルの技術をひっさげ臨んだアメリカツアーでは、およそ3カ月間に45都市での公演を成功させ各地でソールドアウトが続いた。芸を見る目が厳しいアメリカ人にも日本の新しいエンターテインメントが受け入れられたのか。
 3月下旬、TAOのアメリカツアーは、クライマックスを迎えた。エンターテインメントの頂点・ブロードウエイを背景にするニューヨークでの公演だ。舞台として選ばれたのは、ニューヨーク州立パーチェス大学が誇るボストン・マンハッタン地区で最大の会場・パフォーミングアーツセンター。無数の太鼓と大型の舞台装置、すべてが日本で作られ巨大トラックで運び込まれた。会場に到着したメンバーたちは、さっそく舞台作りに取り掛かる。細かな位置決めと同時に太鼓の音がチェックされる。中には長いツアーに耐え切れず響きが変化してしまったものもあり本番間際まで調整が続く。
 ステージテーマは、日本の伝統文化・歌舞伎をモチーフにした「浮世夢幻打楽」だ。大小さまざまな太鼓が奏でる音は、ダイナミックかつ繊細で多くの聴衆に驚きと感動を与える。2部構成のステージは、メンバー全員がステージに勢ぞろいして終わりを迎えた。観客は、いつまでも続くスタンディングオベーションでTAOへの絶賛を表現した。しかし、その高い評価を受けながらもメンバーたちは満足げな表情一つせず、次の課題が沸き上がるのを感じプロとしてさらなる高みに向かう。

河村和彦プロデューサーコメント

 TAOの演奏を初めて見たのは、10年以上も前の夏の終わりでした。たまたま立ち寄った高原でのイベント―落ちる夏の日を正面に彼らは舞っていました。秋風とともに草原をそよぐ太鼓の囁き・星々のきらめきを一層輝かせる響き・ラストは花火との競演―見たことがないパフォーマンス―これほどテレビ的なステージはありません。
 そんなTAOがアメリカ公演を行うというニュースが舞い込んで来ました。すでにアジアやヨーロッパで高い評価を得ているTAOが目標とするアメリカのステージとは? アメリカ人は、和太鼓パフォーマンスをどのように見るのか? 興味はつきません。「ラスベガス」というTAOにとってのマザータウン、そしてニューヨークでの公演に同行取材して、迫力のエンターテインメントを支える秘密が解き明かされました。
 全身でエネルギーを感じる太鼓の演奏は、まさに心の栄養剤、ぜひTAOの演奏をご覧いただきたいと思います。


<番組概要>

◆番組タイトル

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『自由に打ちたい!
  ~TAO・17年目の夢大陸~』
(制作:テレビ大分)

◆放送日時

2010年7月19日(月)27時5分~28時

◆スタッフ

プロデューサー・構成
河村和彦(テレビ大分)
ナレーター
塚本博通
撮影編集
池永裕樹(TOSエンタープライズ)
MA
小田健敏(ウッドストック)
制作
テレビ大分

2010年7月16日発行「パブペパNo.10-134」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。