2010.6.2

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
HOME~僕が田舎暮らしを始めた理由~
(制作:福島テレビ

大家族から核家族へ、そして結婚しない人たちと、戦後、日本の家族の形は大きく変わり、もはや「一般的な家庭」の定義があいまいになりつつある。
果たして一般的な家族とはどんな形なのか…。
「団塊世代」の父と仕事を持つ母、そして引きこもりの息子という高度経済成長期を東京の高島平団地で過ごしたある家族の小さなドラマを3年間にわたって追いかけたドキュメンタリー。

<2010年6月4日(金)26時50分~27時45分放送>


 大家族から核家族へ、そして結婚しない人たちと、戦後、日本の家族の形は大きく変わり、もはや「一般的な家庭」の定義があいまいになりつつある。果たして、一般的な家族とはどんな形なのか…。6月4日(金)26時50分~27時45分放送の第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『HOME~僕が田舎暮らしを始めた理由~』(制作:福島テレビ)は、「団塊世代」の父と仕事を持つ母、そして引きこもりの息子という高度経済成長期を東京の高島平団地で過ごした、ある家族の小さなドラマを3年間にわたって追いかけたドキュメンタリー。
 大家族から核家族へ、そして結婚しない人たちと、戦後、日本の家族の形は大きく変わり、もはや「一般的な家庭」の定義があいまいになりつつある。果たして一般的な家族とはどんな形なのか…。
 そんなとき、ある家族に出会った。「団塊世代」の父と仕事を持つ母、そして引きこもりの息子という大塚家は、高度経済成長期を東京の高島平団地で過ごした、ある意味で日本の典型的な家族だ。
 大学受験に失敗した大塚純一さん(当時21歳)は3年間、東京都板橋区高島平団地の部屋で引きこもりがちの生活を送っていた。平成19年・春、純一さんの父、政男さんは定年退職を機に福島県小野町での田舎暮らしを決意。純一さんは「なんとなく」父との田舎暮らしを決めた。一方、母、令子さんは1人で高島平団地に残ることを決めた。30年間続けてきた保育士の仕事と年老いた実父の介護が理由だ。
 会話さえなかったという父子の田舎暮らしは悪戦苦闘の連続。失われた時間を取り戻す父とたくましく成長する純一さん。家族が離れ離れになって2年が経とうとしたころ、東京で1人暮らしを続けていた母がうつ病と診断された。孤独やストレスが原因だという。死ぬことも考えたという母に、純一さんは…、そして家族は…。

 聞き取れないほど小さな声の若者と、息子を「彼」と呼ぶ父、そしてお互いを「さん」付けで呼び合う夫婦に多少の違和感を覚えながら取材は始まったが。しかし、大塚家の人たちは飾ることなく素顔をさらけ出してくれた。中でも気になったのが「引きこもり」から「農業」へ。「なんとなく」田舎暮らしを決めた息子の純一さんだった。純一さんの言葉はいわゆるテレビ向きではなかったが、あいまいに聞こえる言葉には、「悩み、揺れる」若者の偽らざる気持ちがにじみ出ていた。「この若者はこれからどうなっていくのだろうか?」私たちは彼を追いかけた。
 移住から3年、大塚家を追ったVTRは99本を数えた。衝撃的な場面や劇的なドラマはない。お父さん、お母さん、そして純一さん、番組内の登場人物はほぼ3人。誰に共感するのか? それとも誰にも共感できないか?
 ただ番組を見終わった後、自分の家族のことを思い浮かべてもらえれば…。

村上洋平ディレクターコメント

 取材が始まったのは3年前の4月。田舎暮らしを楽しむ親子2人の話になるのかなと思っていました。ところが、違いました。なんとなく田舎暮らしを始めた純一さんは、次第に顔つきが変わっていくのがわかりました。田舎暮らしを楽しみにしていたお父さんの政男さんは、農業を続けていくことのつらさを話してくれました。家族と離れたお母さんの令子さんは、自分を取り巻く問題を1人で抱えていました。このドキュメンタリーは、その3人の日々の姿を追ったものです。こちらから何か強いメッセージを訴えかけているわけでもありません。劇的なドラマがあるわけでもありません。じゃあ何なんだ! という人もいるかもしれませんが、見た方それぞれが、違った何かを感じていただければ、作り手側として幸いに思います。取材を終えた今、私は3人をいとおしく感じています。私にも家族ができる日がきたら、こんな仲の良い家族を目指します。


<番組概要>

◆番組タイトル

第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『HOME~僕が田舎暮らしを始めた理由~』
(制作:福島テレビ)

◆放送日時

2010年6月4日(月)26時50分~27時45分

◆キャスト

語り
貫地谷しほり

◆スタッフ

取材
村上洋平(福島テレビ)
撮影
斎藤俊司・渡邉 哲(福島映像企画)
編集
貝沼大輔(福島映像企画)
MA
新国伸太郎(福島映像企画)
プロデューサー・構成
菊地昭洋(福島テレビ)
制作
福島テレビ

2010年6月1日発行「パブペパNo.10-099」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。