2010.1.19

『決定!第18回FNSドキュメンタリー大賞』

「第18回FNSドキュメンタリー大賞」の大賞に、東海テレビ制作『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』が決定!
2009年5月に「裁判員制度」が始まったが、それは、私たち市民がいや応なく“死刑”を判断する立場になったことを意味する。
犯罪被害者の遺族の取材を通し、“死刑”の現実と遺族の多様な思いを考えた作品。

<2010年1月24日(日)16時〜17時25分放送>


 フジテレビの系列28局が番組制作能力の向上と、そのノウハウの蓄積を図るという趣旨の元、ドキュメンタリー作品を競い合う「第18回FNSドキュメンタリー大賞」。厳正な審査の結果、大賞には犯罪被害者の遺族の取材を通し、“死刑”の現実と遺族の思いを考える。『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』(東海テレビ)、優秀賞に『ありがとう!っていっぱい言わせて』(テレビ新広島)、特別賞に『笑顔の理由 〜小谷村 伊折の人々〜』(長野放送)『走れ!MAYA 〜義足のアスリート・22歳からの挑戦〜』(テレビ大分)が選ばれた。
 1月24日(日)16時〜17時25分放送の『決定!第18回FNSドキュメンタリー大賞』では、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が番組のナビゲーターを務め、大賞作品の『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』をノーカットで放送する。その他、優秀賞・特別賞を受賞した3作品をダイジェストで放送するとともに、それぞれの作品に込められたメッセージや、取材対象者との向き合い方などについて制作者(ディレクター・カメラマン)のインタビューも織り交ぜお送りする。
 また、昨年スタートした「裁判員制度」と「死刑」をテーマに、犯罪被害者の遺族を取材した大賞作品『罪と罰』の齊藤潤一ディレクターとともに、櫻井よしこ氏が被害者遺族の心情や死刑制度について、また、裁判員裁判の現状と課題について考える。

 今回の大賞を受賞した東海テレビ制作の作品は、内容、制作技術共に高い評価を受け、文句なしの全会一致で選出となった。東海テレビは、前年度の「第17回ドキュメンタリー大賞」では、殺人事件の弁護側を取材した『光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜』で優秀賞を受賞しており、2年連続“裁判”をテーマに取材している。また、東海テレビの大賞受賞は、第12回(2003年)『とうちゃんはエジソン』以来6年ぶり2回目。

【第18回ドキュメンタリー大賞受賞作品】

大賞 東海テレビ 『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』
優秀賞 テレビ新広島 『ありがとう!っていっぱい言わせて』
特別賞 長野放送 『笑顔の理由 〜小谷村 伊折の人々〜』
特別賞 テレビ大分 『走れ!MAYA 〜義足のアスリート・22歳からの挑戦〜』

【大賞作品内容】

『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』(東海テレビ制作)
 2009年5月、市民が法廷で裁く側に回る「裁判員制度」が始まった。それは、目の前の被告に対して「死刑」をも下すことになることを意味している。しかし、私たちは死刑の現実を知らない。
 番組は、死刑執行の経験を持つ元刑務官の証言から始まる。そして、実際に犯罪の被害に遭ってしまった遺族の方3名に密着し、その思いや心境が一様でないことを知っていく。
 2007年、名古屋・闇サイト事件で娘の利恵さんを殺害された母、磯谷富美子さん。1983年に発生した半田保険殺人事件で弟を殺された兄、原田正治さん。そして、1994年、長良川木曽川連続リンチ殺人事件で一人息子を失った父、江崎恭平さん。磯谷さんは、裁判を通じて極刑を求め、自分でも街頭に立ち、30万を越える署名を集める。一方、原田さんは、元死刑囚との面会などを通じて死刑に疑問を感じ始め、加害者と被害者の対話を進める団体を作って活動をしている。また、江崎さんは、死刑を強く求める気持ちを表明する一方、命の大切さを訴えるイベントの運営スタッフとして活動している自分との間で、複雑な心境を吐露する。
 全国で発生する殺人は、毎年1,200件を超える。裁判員制度が始まると、私たち市民は、いや応なく「死刑」を下すか、下さないか、その判断をしなくてはならない。死刑の現実と遺族の多様な思いを考えていく。

【受賞コメント】

齊藤潤一ディレクター(東海テレビ報道部)
「地方局のドキュメンタリーが全国ネットで、しかもお昼の時間帯に放送されることはほとんどないので、とても光栄です。裁判員制度が始まりましたが、私たちはこれまで「死刑」について真剣に考えたことがあっただろうかと疑問に思い、この番組を制作しました。今年は、死刑求刑が予想される裁判員裁判が控えています。多くの人がこの番組を見て「死刑」を考えるきっかけになればうれしいです。」



2010年1月19日発行「パブペパNo.10-012」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。