2009.10.19

第18回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父
(制作:東海テレビ

2009年5月、市民が法廷で裁く側に回る「裁判員制度」が始まった。
それは、私たち市民がいや応なく“死刑”を判断する立場になったことを意味する。
犯罪被害者の遺族の取材を通し、“死刑”の現実と遺族の思いを考える。

<2009年10月17日(土)深夜3時30分〜4時25分放送>


 2009年10月17日(土)深夜3時30分〜4時25分放送の、第18回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』(制作:東海テレビ)は、犯罪被害者の遺族の取材を通し、“死刑”の現実と遺族の思いを考えていく。
 2009年5月、市民が法廷で裁く側に回る「裁判員制度」が始まった。それは、目の前の被告に対して「死刑」をも下すことになることを意味している。しかし、私たちは死刑の現実を知らない。
 番組は、死刑執行の経験を持つ元刑務官の証言から始まる。そして、実際に犯罪の被害に遭ってしまった遺族の方3名に密着し、その思いや心境が一様でないことを知っていく。
 2007年、名古屋・闇サイト事件で娘の利恵さんを殺害された母、磯谷富美子さん。1983年に発生した半田保険殺人事件で弟を殺された兄、原田正治さん。そして、1994年、長良川木曽川連続リンチ殺人事件で一人息子を失った父、江崎恭平さん。磯谷さんは、裁判を通じて極刑を求め、自分でも街頭に立ち、30万を越える署名を集める。一方、原田さんは、元死刑囚との面会などを通じて死刑に疑問を感じ始め、加害者と被害者の対話を進める団体を作って活動をしている。また、江崎さんは、死刑を強く求める気持ちを表明する一方、命の大切さを訴えるイベントの運営スタッフとして活動している自分との間で、複雑な心境を吐露する。
 全国で発生する殺人は、毎年1,200件を超える。裁判員制度が始まると、私たち市民は、いや応なく「死刑」を下すか、下さないか、その判断をしなくてはならない。死刑の現実と遺族の多様な思いを考えていく。

制作担当者コメント(阿武野勝彦プロデューサー)

 今回の番組は、去年放送した『光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜』への反響を受けて制作を始めました。メールなどで寄せられたご意見は200通を越えましたが、その中に「犯罪被害者の気持ちを考えたことがあるのか!」という激しい批判が数多くありました。メールを送ってきた方は犯罪被害者ではないようでしたが、この声に応える番組が必要であると思いました。東海テレビのエリアで起きた3つの殺人事件の被害者遺族の今に密着し、その実情を取材させていただきました。世間に充満する「善意」と「正義感」が「犯罪被害者」に勝手なイメージを押し付け、息苦しい社会を作っているという側面も見えてきました。また、裁判員制度によって私たち市民が「死刑」を判断する立場になったことをどう受け止めるべきか、併せて考えていただく機会にしたいと思っています…。


<番組概要>

◆番組タイトル

第18回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父』
(制作:東海テレビ)

◆放送日時

2009年10月17日(土)深夜3時30分〜4時25分放送

◆スタッフ

プロデューサー
阿武野勝彦
ディレクター
齊藤潤一
構成
阿武野勝彦
齊藤潤一
ナレーター
藤原竜也
撮影
板谷達男
編集
山本哲二
音響効果
森 哲弘
音声
西久保雄大
デスク
須田麻紀子

2009年10月16日発行「パブペパNo.09-258」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。