FNSドキュメンタリー大賞
小学校の統廃合により消えゆく小さな街の学校に密着。
閉校までの4年間、水槽で生まれた一匹のサケ「かおなし」を通して、
成長する子供たちの姿を描くドキュメンタリー


第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品

『サケのかおなし』

(制作:富山テレビ)

<2007年12月15日(土)深夜3時45分〜4時40分放送>

<企画意図>

 めまぐるしく変わる社会構造の変化の中で姿を消そうとしているものがたくさんあります。「学校」もその一つではないでしょうか? 少子化や平成の大合併を期に学校運営の効率化が叫ばれ、地方でも統廃合が進んでいます。地域から学校がなくなる。それはどのような意味を持つのでしょうか?
 富山県内に残る現役木造校舎「大門町立浅井小学校」は133年間、地域の中心にあり続けた学校です。この学校の水槽で生まれた一匹のサケ「かおなし」。子供たちは鮭の稚魚を育て川に放流し4年後の再会を願いますが、その間に小学校は閉校になってしまいます。番組ではさまざまな出来事を胸に刻み、成長する子供たちの姿を追いました。
 サケの「かおなし」が子供たちに教えてくれたのは、生きる強さ。厳しい自然の中で生き抜き、再びふるさとの川へと戻る雄大なサケの営みに子供たちは思いをめぐらせるのです。いま、そうした身近な自然に触れることができる学校、地域の人々に支えられてきた学校が姿を消しつつあります。今を生きる子供たちに、大人は何をしてやるべきなのかを考えるべく、番組を制作しました。

<番組内容>

 富山県の中西部を流れる庄川のほとりにある小さな小学校、「大門町立浅井小学校」は県内でも残り少ない現役木造校舎です。

 地域の中心にあり続けて133年、この学校では地域の恵まれた水環境を生かし、毎年200個ほどのサケの卵を孵化場からもらい、稚魚になるまで学校の水槽で育て、庄川へ放流していました。

 今から4年前の春、孵化したサケの稚魚の中に1匹だけ顔の一部がへこんだように見える稚魚がいました。子供たちはこの稚魚を「かおなし」と名づけかわいがりました。稚魚を川へと放す時期を迎えましたが、子供たちは「かおなし」は自然の中で生きられないだろうと判断し、「かおなし」と数匹を水槽に残しました。ところが、「かおなし」は水槽の排水溝から流れ出し、いなくなってしまったのです。子供たちはただただ「かおなし」の無事を祈るばかりでした。

 「かおなし」が旅立った後、浅井小学校に閉校の足音が近づいてきます。

 「かおなし」たちが旅立って4年目の春、浅井小学校は閉校しました。平成の大合併。行政の効率化が叫ばれ小学校も統合されたのです。その年の秋、庄川のサケのやな場で1匹のサケが水揚げされました。かおのへこんだサケ。地元の漁師さんですら見たことがないというサケと4年前に「かおなし」と別れた子供たちが対面します。はたしてそのサケは…「かおなし」なのでしょうか?


<番組概要>

◆番組タイトル   第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『サケのかおなし』
◆放送日時   2007年12月15日(土)深夜3時45分〜4時40分放送
◆スタッフ    
プロデユーサー   杉谷和嗣
構成   関 盛秀
ディレクター   小島崇義
撮影   小島崇義
撮影助手   大上戸里沙
編集   黒田道則
MA   青木伸二
ナレーション   平泉 成
制作著作   富山テレビ

2007年12月5日発行「パブペパNo.07-376」 フジテレビ広報部