FNSドキュメンタリー大賞
廃校になった学校から生まれ変わった、世代間交流ができる複合施設の取り組みと、
そこで生きる人々の姿を描くドキュメンタリー

第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品

『過疎の村に響く子守歌』

(制作:沖縄テレビ)

<2007年11月11日(日)深夜2時20分〜3時15分放送>

 11月11日(日)深夜2時20分〜3時15分放送の第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『過疎の村に響く子守歌』(制作:沖縄テレビ)は、沖縄本島北部にある過疎の村で廃校になった学校から生まれ変わった世代間交流ができる複合施設の取り組みと、そこで生きる人々の姿を描く。

<企画意図>

 物語の舞台は沖縄本島北部にある人口わずか80人の過疎の村、国頭村、楚洲。2004年春、村を見守るように建つ学校は廃校になった。これは、小さな学校と村の再生の物語。廃校から2年後、学校は世代間交流ができる複合福祉施設として生まれ変わった。番組では、施設の取り組みに一年間密着。生きがいを失ったお年寄りが子供との交流で明るさを取り戻していく様子や村で懸命に生きる人々の姿を描く。そして、少子高齢化・不登校の問題など現代社会が抱える問題を浮き彫りにしてゆく。

<番組内容>

 いじめによる子供の自殺をはじめ、生活苦による高齢者の自殺など…現代に生きる人々の中には、それぞれの「居場所」を見つけられず自ら命を絶つという悲しい選択をする人がいる。そこで、「命の重み、それぞれの居場所探し」について考えられる番組を作りたいと取材を重ねてきた。少子高齢化が進み閉塞感が漂う現代社会だが、番組を通して「人がつながることで生きる力や希望が生まれること」を伝えてゆく。
 物語の舞台は、沖縄本島北部国頭村楚洲。太平洋に臨む人口わずか80人の過疎化が進む小さな村だ。3年前の春、村を見守るように建つ楚洲小中学校は過疎化のため廃校になった。
 番組は、学校が終わりを迎えたその時から始まる。これは小さな村と学校の再生の物語である。
 「学校を無くしたくない…」人々の強い想いが行政を動かし、学校は2006年初夏、人に優しい福祉施設として生まれ変わった。楚洲あさひの丘と名付けられた複合福祉施設には、高齢者のデイサービスセンターや僻地保育所、一人暮らしが困難なお年寄りが共同生活を送る生活支援ハウスが併設された。
 番組では、全国でもほとんど例を見ない複合福祉施設の取り組みに一年間密着。お年寄りが子供たちとの交流や新たな施設で生まれた数々のドラマを紹介する。生活支援ハウスに入居するお年寄りたち14人は、長年、一人暮らしをして孤独と闘い続けてきた。果たして生きがいを失ってしまったお年寄りの心情や感情に変化はみられるのか…。
 また、番組では雄大な自然の中で、支え合いながら過疎の村に生きる人々の姿も描く。都会でいじめにあい不登校になった少女とその家族。立ち直るきっかけにしたいと村に移住し、地元の人たちの温かさに触れ家族は自分たちの居場所をみつけた。
 村で行われる年中行事(あぜ払い・豊年祭)を通して、世代をつないでいくことの大切さを知る人々の想いを伝える。
 番組では小さな村と学校で生きる人々のつながりを見つめることで「若者・団塊世代・高齢者にとっての地域社会とは…地域社会が果たす役割」についてのメッセージを送っていく。


<ディレクター平良いずみのコメント>


 物語の舞台は、沖縄県那覇市から車でおよそ3時間の場所にある国頭村、楚洲。人口わずか80人の過疎の村です。村には、もちろんスーパーマーケットもコンビニもありません。物質的には決して恵まれているとは言えませんが、そこには希望を持ちキラキラと瞳を輝かせて生きる人々がいます。家族や地域の人たちを大切に想い、助け合いながら生きる人々がいます。その姿に魅せられて一年間、村に通い続けました。
 取材を通して私が気づかされたこと…それは、人とつながることが人間の生きる力になり、希望になるということ。
 楚洲の廃校再生の取り組みは、現代社会が忘れかけている地域や人が「つながる」という意味、その大切さを教えてくれているように思います。楚洲の取り組みが全国の過疎化・少子高齢化に悩む地域の再生のヒントになることを願っています。


<番組概要>

 ◆番組タイトル   第16回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『過疎の村に響く子守歌』
 ◆放送日時   2007年11月11日(日)深夜2時20分〜3時15分放送
 ◆スタッフ      プロデューサー 船越龍二(沖縄テレビ報道制作局)
  ディレクター 平良いずみ(沖縄テレビ報道部)
  構成 山里孫存(沖縄テレビ制作部)
平良いずみ(沖縄テレビ報道部)
  ナレーター 平良いずみ(沖縄テレビ報道部)
  撮影 大城茂昭(沖縄テレビ開発)
神山敬三(沖縄テレビ報道部)

2007年11月05日発行「パブペパNo.07-333」 フジテレビ広報部