FNSドキュメンタリー大賞
現在、親と一緒に暮らせない子供の数は全国でおよそ3万6千人。
“家族を失った子供に家庭を”という意識の高まりから“里親”の存在が見直されてきている。
これは、6年前に身重の中学2年生の少女を引き取った里親と、
里親に見守られながら母として成長していく“彼女”の記録である。

第13回ドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『家族の絆を求めて〜ある里親一家・愛と葛藤の6年間〜』
(制作:フジテレビ)


<8月11日(水) 午前2:58〜3:53>
【8月10日(火)26時58分〜27時53分】



 親の病気や離婚、更に近年深刻な社会問題となっている児童虐待育児放棄(ネグレクト)の急増といった家庭の崩壊により、子供をめぐる家庭環境は悪化の一途を辿っている。現在、さまざまな事情から親と一緒に暮らせない子供の数は全国でおよそ3万6千人にも達し、今後も増えつづけることが予想されている。
 こうした子供たちの多くは児童養護施設に預けられているが、“家庭を失った子供に家庭を”という意識の高まりから、近年、行政はこうした子供たちの親代わりとなる“里親”の存在をあらためて見直し、その拡充に取り組んでいる。





フジテレビ制作、第13回ドキュメンタリー大賞ノミネート作品『家族の絆を求めて〜ある里親一家・愛と葛藤の6年間〜』<8月10日(火)深夜26時58分〜27時53分放送>では、心に傷を持ちながらもそれを乗り越え、自分自身の家族を築こうとする女子高生と、彼女を温かく見守り続ける里親の姿を通して、ともすれば忘れられがちな情や絆の存在、人と人とを結びつける一番大切なものとは何かを見つめていく。

【あらすじ】
 東京都のある里親家庭―若狭さん一家と出会ったのは今から2年ほど前の2002年春。もともと子供が好きで、社会の役に立ちたいと里親になった若狭さんは、これまで13人の子供を預かり育ててきた経験があったが、その頃、引き受けていたのはかつてないほど難しい事情を抱えた女子高生だった。
彼女は不慮の妊娠がもとで4年前、身重の体で若狭家にやってきていた。その後、若狭家で出産した彼女は若狭夫婦に見守られながら母として一個の社会人として少しずつ成長を遂げていった。

【取材内容】
身重の少女を引き取った里親と、里親に見守られながら母として成長していく“彼女”の記録。
 東京都・荒川区に暮らす若狭夫婦が里親登録したのは8年前。若狭夫婦には実子(長女と次女)が二人いるが、もともと子供好きで子供を育てることが人の役に立つのならと里親になった。それ以来、短期長期を合わせてこれまで10人以上の子供を預かり育ててきたが、6年前から若狭さんはある少女の養育に心血を注ぎ、試行錯誤を繰り返しながら向き合ってきた。
 戸惑い苦悩する里親に、彼女は「今度こそ結婚して自分の家族を作りたい」と話す。彼氏は一つ年上の、内装の仕事をしている若者だった。里親が二人に意思を確認したところ、二人は「結婚を考えて付き合っている、子供は産んで育てたい」と語った。
 里親は思い悩んだ末、二人にその気持ちがあるのなら、最終的に二人を盛り立てていく決心をする。とはいえ彼氏もまだ19歳。いきなり二児の父になる不安と戸惑いは隠しようがなかった。そんな彼氏と由香里さんの関係をつかず離れず見守り続ける里親。
 その思いは実を結び、さまざまな課題を抱えながらも、やがて二人の絆はより確かなものとなっていった。
 人は人との関わりを通してしか生きていけない。
 2年半に及ぶ里親家庭の取材で見えてきたのは、そんな人と人とを結びつける大切な何かであった。家族とは血のつながりからのみ生まれるのではなく、お互いの努力や格闘によってつくられていくものだということを感じてもらえればと考えている。

《制作者の思い:生活情報局情報番組センター 魏 治康》
 毎日通勤で使っている都バスの中で「養育家庭さん募集!という広告を偶然見かけた事が、この“里親と里子”のドキュメンタリーを撮るきっかけとなりました。
 その広告は「両親に抱っこされた赤ちゃんが振り向いて笑みを浮かべている」姿がとても印象的で、そこには小さく“新しい絆”と書かれていました。

 里親さんの子供にかける思いは、血のつながりがない分むしろ純粋に子供を思う気持ちだけが問われます。また、里子の子供たちの複雑な心根は「人間にとって親とは、家族とは何か」をあらためて考えさせられるものでした。

 里親の若狭さんと由香里さんには3年近く前に出会いました。もっと「里親家庭を知ってもらいたいというお互いの気持ちから、交流を重ねていくうちに、難しい事情を抱えながらも取材に応じていただけるようになりました。そのときは里親と由香里さんの関係が非常に良好だったことも関係していると思います。その後、重大な出来事が里親と由香里さんの身に襲い掛かることになりますが、そうした曲折を経て両者の絆がより確かなものとなっていく姿を、図らずもとらえることができました

 血のつながりがない家族関係は確かに難しいものを沢山孕んでいますが、家族を作るうえで一番大切なのはお互いの心のつながり、絆の確かさではないでしょうか。
 今、この日本で“家庭”を求めている子供は沢山います。子供は社会の宝、だからみんなで育てよう。そんな「意識」が、そして「人が人を思いやる気持ち」が人間社会全体を変えていくのではないか、そんなことにも思いを馳せていただければと思います。



<番組タイトル> 第13回ドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『家族の絆を求めて〜ある里親一家・愛と葛藤の6年間〜』
<放送日時> 8月11日(水) 午後2:58〜3:53
<プロデューサー> 岡田宏記
<ディレクター> 魏治康
<構成> 上久保直哉
<撮影> 安部裕
町井由佳
<編集> 青木観帆
<MA> 須賀昭一
<音響効果> 小堀博孝
<ナレーション> 中里雅子
<制作著作> フジテレビ

2004年08月04日発行「パブペパNo.04-223」 フジテレビ広報部

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