第1回 2005年7月7日(木)放送 あらすじ

100万人が見守った恋の行方

 青山沙織(伊東美咲)は、東京にある外資系企業「グレースフル・トレーディング」に勤めるOL。帰国子女で英語も堪能、という才色兼備の女性だ。
 その日、沙織は、日曜日にもかかわらず会社が主催する船上パーティーに借り出されていた。同僚の沢崎果歩(佐藤江梨子)や観月裕子(須藤理彩)は、招待された男性客と親しくなろうとそれなりにパーティーを楽しんでいた。が、沙織は、そんなことにはまったく無関心だった。
 同じ日、人材派遣会社「ワーカホリック」の営業マン・山田剛司(伊藤淳史)は、友人の松永勇作(劇団ひとり)、川本信二(菅原永二)と、秋葉原で行われたイベントに参加していた。剛司は、アニメやゲームをこよなく愛する典型的なアキバ系オタク。この日は、人気アニメの声優・武田花梨(小出早織)のトークイベントが開かれたのだ。イベントで至福の時を過ごした剛司たちは、そのままメイド喫茶へとなだれ込んだ。
 事件が起きたのはその夜のことだった。果歩と別れ、発車待ちをしている電車に乗り込んだ沙織が、タチの悪い酔客に絡まれたのだ。その男・権藤(泉谷しげる)は、高校生やおばさんグループなどに次々と絡んで悪態をつくと、やがて沙織に気付いた。沙織に近づき、卑猥なことを言いながら、強引に彼女の肩に手を回す権藤。と、その時、前の席に座っていた若者が立ち上がった。剛司だ。ありったけの勇気を振り絞って立ち上がった剛司だったが、恐怖のあまり声が震えていた。権藤ともみ合いになった剛司は、危ないところを若いサラリーマンに助けられたものの、沙織やおばさんグループと一緒に警察まで同行を求められてしまう。
 剛司は、騒ぎを大きくしてしまったことを沙織たちに侘びた。すると、おばさんグループのひとりが、お礼がしたいから住所を教えてほしいと言い出す。「私も教えてもらっていいですか?」。沙織は、そう言って剛司に手帳を差し出した—。
 剛司の家は、自転車店を営んでいた。留守がちの母親に代わって家事を切り盛りしている父親の恒生(岸部シロー)、オタクな兄を毛嫌いしている妹・葵(掘北真希)の4人暮らしだ。剛司は、家に帰るなりパソコンを開き、インターネットの巨大掲示板に今日起きた出来事を書き込んだ。そこは、独身男たちが集う場所だった。そんな剛司の書き込みを見ていたのは、皆本宗孝(小栗旬)、牛島貞雄(六角精児)、浅野真平(山崎樹範)ら掲示板の住人たち。「住所を教えたならきっとお礼があると思う」「勇気ある行動に拍手」「期待してバカを見る」などなど、剛司の書き込みに対して、日本中からさまざまなレスが寄せられる。
 あくる日、出勤した剛司は、同僚の及川尚人(前川泰之)らの目の前で、上司の黒木文人(佐藤二朗)に怒鳴られる。剛司だけ、営業成績がまったく上がっていないのだ。そんな矢先、剛司が担当している派遣スタッフ・陣釜美鈴(白石美帆)が、派遣先で問題を起こしたという連絡が入る。美鈴がその会社の人事部長と男女の仲になった、というウワサが流れているというのだ。美鈴に会って事情を確かめようとする剛司。美鈴は、そのウワサ話を否定したが、「私、ここ辞めるから。次の派遣先、用意しておいて」と剛司に命じる。
 その夜、剛司が帰宅すると、宅配便が届いていた。贈り主はおばさんグループのひとりだったが、同封されていた手紙の最後には「女性一同」と書かれていた。落胆しながら、そのことを掲示板に書き込む剛司。それを見た一坂進(温水洋一)は、「全部夢だったんだ。早く現実に戻れ」とレスを書き込んだ。一方、牛島や浅野は、「昨日のお前は間違いなく凄かった」「俺も勇気もらったよ」と、改めて剛司の行動を称えた。剛司は、名前も知らない住人たちの言葉に感動を覚えていた。
 翌日は、剛司の誕生日だった。しかし、家族の誰もそれを覚えていないばかりか、足を捻挫したり、川に落ちた書類を拾おうとしてびしょ濡れになったりと、散々な目に遭う剛司。その書類は、美鈴に渡すものだった。美鈴は、ボロボロになりながら約束の場所にやってきた剛司に「生きてる価値ないんじゃないの?」と、キツイ言葉を浴びせる。
 泣きながら家に帰った剛司は、小包に気付く。その中には、エルメスのティーカップが2客入っていた。同封されていた手紙を読んだ途端、剛司は硬直した。それは、あの沙織から送られてきたものだった。完全にパニック状態に陥った剛司は、震える手を抑えながら掲示板に書き込み、みんなにそれを知らせた。驚くネットの住人たち。「いますぐお礼の電話をしろ!」「電話は絶対引く」「手紙の方が熱意が伝わる」などと、勝手にヒートアップする住人たち。その時、今までただ書き込みを見ているだけだった皆本が「電車男、がんばれ」とレスをした。続いて「電話しろーー!電車男、頼む。俺たちの為にも変わってくれ!」というレスが…。生まれて初めて希望を託された気がした剛司は、ついに沙織に電話することを決意する。
 同じころ、沙織は、啓介(速水もこみち)という男とバーで飲んでいた。その時、沙織の携帯が鳴り…。

キャスト

青山沙織(25) … 伊東美咲
山田剛司(23) … 伊藤淳史
       ○
陣釜美鈴(26) … 白石美帆
沢崎果歩(25) … 佐藤江梨子
観月裕子(30) … 須藤理彩
啓介(23) ……… 速水もこみち

松永勇作(30) … 劇団ひとり
川本信二(27) … 菅原永二
黒木文人(40) … 佐藤二朗
及川尚人(28) … 前川泰之
山田 葵(17) … 堀北真希
武田花梨(17) … 小出早織
       ○
<ネットの住人達>
皆本宗孝(25) … 小栗 旬
牛島貞雄(38) … 六角精児
一坂 進(40) … 温水洋一
富永(40) ……… 我修院達也
浅野真平(29) … 山崎樹範
       ○
山田恒生(48) … 岸部シロー
桜井和哉(38) … 豊原功補
青山由紀(48) … 秋吉久美子

スタッフ

■原作
 「電車男」中野独人著(新潮社刊)

■脚本
 武藤将吾

■企画
 鈴木吉弘

■プロデュース
 若松央樹
 川西 琢

■演出
 武内英樹

■音楽
 Face 2 fAKE

■制作
 フジテレビドラマ制作センター

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