あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回>
 とあるデパートの屋上で、真顔で相対する平尾隆之介(竹野内豊)と小谷チヨ(広末涼子)。チヨが自分のお腹を指さして言いにくそうに発した言葉は「できちゃったの・・・」。我が耳を疑う隆之介。だって、2人は恋人じゃなく、付き合っているわけでもなく、ただ・・・。それは、数週間前の出来事・・・。
 新庄巧(妻夫木聡)と一緒に、新CMを編集中のCMディレクター、隆之介に1本の電話が入る。それは、隆之介の大学時代の先輩、川口英太郎(阿部寛)からの海へのお誘い。仕上げなくてはいけない、CMを抱える隆之介は断ろうとするのだが・・・。ギャル、20歳も同行と聞いたからたまらない。
 思いっきり来ちゃいました。真夏のビーチ。ニコニコの隆之介の前には、デパートに勤めるチヨと彼女の友達、有森みさと(片瀬那奈)。そんな隆之介を冷ややかに見つめるのは英太郎と、彼の恋人でチヨの姉、小谷亜紀(石田ゆり子)、そしてこの日のために徹夜仕事を手伝わされた巧。
 さて、隆之介はチヨ&みさとに挨拶代わりのアプローチを開始。2人を持ち上げる言葉の連続に、みさとは大喜びだがチヨはやや不満そう。それもそのハズ、チヨと隆之介は初対面ではなかった。亜紀の紹介で、チヨが彼女の妹と思い出した隆之介だが「どうもどうも」と挨拶したのはみさとの方。すかさず亜紀に間違いを指摘されると、持ち前の調子良さで出てきた名前が「ヤエちゃんだ!」。チヨ、全くもって面白くない。
 しかし青い海、空の下、男女の数も3対3。となれば、自然にカップルが出来ても不思議じゃない。英太郎と亜紀は一応恋人同士、みさとは巧を気に入った様子。となると、チヨに残されたのは隆之介。亜紀は「あいつだけはやめといたほうがいい」と、チヨに注意するのだが・・・。夜になってあぶれたのは、やっぱり隆之介とチヨ。「つまんないなあ」と、ホテルを出た2人はビーチでバッタリ。相変わらず、覚えられない名前を間違えながらも甘い言葉をささやく隆之介は、チヨといい雰囲気に・・・。
 それから数週間後、小谷姉妹のマンションに「ないの!」と響く亜紀の声。居合わせたチヨとみさとに妊娠の可能性を告げる亜紀。オロオロする亜紀に「この際、いさぎよく結婚してポーンと珠のような赤ちゃん産んじゃえば」とチヨは、強気に薦める。
 一方、隆之介と巧も英太郎から報告を受けていた。思い悩み、キャンセルまで口の端に上る英太郎に「それ男のクズ!」と責め立てる隆之介。「子供が出来たら即、結婚」と、こちらも強気の隆之介だった。家に帰った隆之介が母の公子(木の実ナナ)にことの次第を話すと、公子は大泣き。子供の父親が隆之介だと思ったのだ。隆之介は、公子の勘違いを指摘して一件落着のハズだが・・・。
 その頃、小谷姉妹は薬局に妊娠判定テスターを買いに行き、マンションはみさとがお留守番。そこに、小谷姉妹の母、淑子(高林由紀子)から電話が入る。亜紀の居場所を尋ねられたみさとは思わず「妊娠テスターを買いに・・・」。なんとか誤魔化して淑子からの電話を切ると、チヨと亜紀が帰ってきた。早速、診断。ドキドキの亜紀だが結果は陰性。みさとと共に喜ぶチヨ。だが、チヨは余ったテスターを手にとって・・・。
 その翌日、いつものように調子よくお仕事している隆之介。チヨは・・・、チヨは産婦人科に来ていた。やたら明るい小松原医師(沢村一樹)は、不安そうなチヨに「おめでとう!」。チヨは妊娠5週目に入っていたのだ。ああ、青い海、青い空・・・。チヨの経験上、間違いなく父親は隆之介。しかも「たった一度」。出産目指して頑張ろうと励ます小松原は、妊娠のしおりと赤ちゃんの超音波写真をチヨに手渡した。
 その夜、亜紀の「出来てなかった飲み会」に隆之介、チヨ、英太郎、みさと、巧が久しぶりにパブレストランに集合。ちょっとウキウキムードの飲み会なのに、チヨはどんより。亜紀の「うちのお父さんに知られなくてよかった」発言にチヨはドキ!
 2人の父、一徹(千葉真一)は泣く子も黙る警察署長。娘の男関係にはえらくうるさいのだ。そんな一徹が妊娠を知ったら・・・? さらに「出来てない」ことを喜ぶ一同に、ついにチヨは切れて店を飛び出す。
 追いかけた隆之介にチヨは真剣モードで、海の出来事が一瞬でも本気だったと告げる。困惑する隆之介の携帯が鳴った。女からだと直感したチヨは、妊娠の事実を隆之介に告げることが出来ずに帰ってしまう。

<第2回>
 平尾隆之介(竹野内豊)は「がんばって産もう・・・一緒に力を合わせて」と小谷チヨ(広末涼子)に思い切って告げた。だが、チヨの返事は「やっぱりイヤ」。「その場の勢いで言ってるんじゃない?」と言うチヨの鋭い突っ込みに、隆之介の言い訳も限界。チヨはそんな隆之介に「勢いじゃない」証拠を見せてと迫る。チヨが提案したのは、彼女の父親・小谷一徹(千葉真一)に妊娠の事実を報告すること。隆之介は「必ず言ってみせるよ」と大見得を切るのだが・・・。
 早速、川口英太郎(阿部寛)のマンションに隆之介、チヨ、小谷亜紀(石田ゆり子)、有森みさと(片瀬那奈)、新庄巧(妻夫木聡)が集合して「隆之介&チヨの一徹への妊娠報告」作戦会議。しかし、出迎えた英太郎の顔には青あざが。英太郎は、亜紀を妊娠させたと誤解した一徹に殴られたのだ。隆之介とチヨの場合は本当に「できちゃってる」から殴るぐらいでは・・・。対策を講じる一行だが出てきた答えは、打つ手なし。
 ならばと、みさとが提案した「妊娠は隠して、結婚だけ報告すれば?」に、一同合意。まったをかけたのは当事者のチヨ。「あたし・・・結婚するの?」と、すっかり忘れていた衝撃の事実。「(結婚して)いいの?」と聞くチヨに、隆之介は「よ、よろこんで」とマヌケな返事。隆之介とチヨの「できちゃった“隠して”結婚」が成立する。
 翌日、隆之介は母・公子(木の実ナナ)に結婚報告をしようと決意。公子の長電話を待って、やっと切り出したところへ、妹の昌子(今井陽子)と旦那の田中和正(酒井敏也)が子供たちを連れて乱入。結局、公子のみならず妹夫婦も隆之介の結婚を知ることに。ここで肝心なのは、公子たちが隆之介の結婚相手の名前を知り得なかったこと。“できちゃった”ことと相手が20歳ということに動揺した公子に、そんな余裕は(?)なかったのだ。
 数日後。隆之介とチヨに運命の日がやってきた。チヨの両親、いや、一徹に結婚報告に出かける2人。考えてみれば、初めての2人きりのお出かけに、ちょっと居心地が悪かったりする。隆之介の愛車でドライブ中も会話はギクシャク。すると、いきなりチヨがストップをかけて車を止めさせた。チヨは、一徹に納得させる“なれそめ”を作ろうと言い出す。言い合いながらもチヨの主導で、出来た2人のなれそめシナリオ。ポイントは「やってない」、さらに「2人は手も握ってなければキスもしてない」、おまけに「チヨは隆之介のプロポーズに逡巡していて、ためらっている。だから、一徹に相談しに来た」という点。ほとんどチヨが考案した、対一徹用シナリオに隆之介は「カンペキ・・・」。
 その頃、ある問題が起きていた。英太郎は、みさとから「巧が振り向いてくれない、もしかしたら同性愛?」の相談を受ける。“巧ホモ疑惑”に揺れる英太郎は、今度は疑惑の張本人、巧からの相談を持ちかけられ、2人きりにならないように必死。
 いや・・・それより大事が、隆之介の実家で発生中。綾小路麗奈(井上佳子)が訪ねてきたのだ。応対したのは公子。ここで思い出して欲しい。公子は、隆之介の結婚相手の名前を知らないのだ。そのせいで、公子は麗奈を息子のお相手と超勘違い。公子は麗奈を家に上げて、勘違いトークを炸裂させる。
 さて“シナリオ”決定の隆之介とチヨは、小谷家に到着。ところが、ここでチヨが隆之介との訪問を両親に告げていないことが発覚。あきれる隆之介が、チヨと玄関前で押し問答をしていると・・・「トアーッ!」と庭から気合いの入った声。隆之介とチヨが庭を覗くと、折しも一徹は剣道の稽古の真っ最中。これを見た隆之介は訪問を後込みし始める。チヨが堂々と入ろうと玄関に戻ってしまっても、まだ決心できない隆之介。すると、彼の肩を一徹がつかんだ! 「何か用か?」の問いかけに「酒屋でーす」と土産用の日本酒を差し出し逃げ出す隆之介。こうして、第1回結婚報告は大失敗に終わる。
 帰りの車の中で、チヨはプンプン。そんなチヨに隆之介は、代わりに自分の母親を紹介すると言い出す。突然の訪問を遠慮するチヨに「おふくろには君のこと話してあるから」と隆之介。それではと、電話をすると・・・。「いらしてるわよ。あなたの麗奈ちゃん」と公子。しかも、ご丁寧に麗奈に電話を代わってしまう。受話口からもれる麗奈の声に、チヨまたしてもムッ! 車を降りて帰ろうとするが、道ばたにうずくまってしまう。

<第3回>
 言わない約束だったのに・・・。小谷チヨ(広末涼子)と彼女の両親に結婚の報告に行った平尾隆之介(竹野内豊)は、チヨが妊娠していることを話してしまった。チヨの父、一徹(千葉真一)がこれを聞いて怒らないはずがない。しかし・・・。
 いつものように、隆之介は川口英太郎(阿部寛)と新庄巧(妻夫木聡)に、チヨは亜紀(石田ゆり子)と有森みさと(片瀬那奈)に報告。隆之介の顔には、チヨを殴りそうになった一徹を止めに入った時に、柱にぶつけてアザが出来ていた。ちょっと、男らしい隆之介。そんな話をしていると、隆之介とチヨはお互いにプロポーズをしてない、されていないことに気づかされる。それらしい言葉と言えば、チヨの「結婚するの?」の問いに隆之介が答えた「よろこんで!」。やっぱり、ちゃんとしたプロポーズは必要?
 翌日、隆之介はチヨのデパートへ。2人ともプロポーズのことが気になる。ところが、2人の気持ちは微妙にすれ違い。隆之介は、バカ正直にもプロポーズをどうして欲しいかチヨに聞いて、怒らせてしまう。
 英太郎のマンションに、隆之介と亜紀、みさと、巧、そして隆之介の妹、昌子(今井陽子)の夫、田中和正(酒井敏也)が集まって、作戦会議開始。英太郎、名付けて「プロポーズ大作戦」。英太郎は、隆之介のためにと様々なプロポーズ例を披露するのだが、居合わせたメンバーを納得させるものナシ。会議は実り無く解散。
 隆之介が家に帰ると、チヨの母、淑子(高林由紀子)が訪ねてきた。応対した隆之介と、彼の母、公子(木の実ナナ)に意外にも淑子は、2人の結婚を応援したいと言い出す。と、そこに電話が・・・。綾小路麗奈(井上佳子)からの電話を取った公子は、てっきり淑子の娘、チヨと勘違い。隆之介は、まだ公子に自分の相手がチヨだとハッキリ告げていなかったのだ。麗奈の母親が来て結婚の話をしていると続ける公子。隆之介、あわてて受話器を奪い取って切ってしまうが、淑子は麗奈と、公子もチヨの名を聞いて2人は混乱し始める。隆之介はチヨが麗奈という名でモデルをしているんだとごまかす。人の良いお母さん2人、隆之介のあいまいな説明にも自分たちなりに納得してしまう。
 とりあえず母親たちはごまかしたが、隆之介はやっぱりプロポーズをどうにかしたい。こういうことは、やはり女性にと亜紀に相談。すると亜紀は長〜い説明の後に、花束にプロポーズを書いたカードを添えることを隆之介に提案した。
 亜紀の説明通りに隆之介は「プロポーズ大作戦」をスタート。花屋で、デート場所を指定して花束を届けるように頼み、カードも渡した。その頃、チヨはつわりの苦しさに耐えかねて小松原(沢村一樹)の病院に行っていたのだが・・・。
 待ち合わせの店で、ムードを盛り上げてチヨを迎えた隆之介は、シャンパンでの乾杯から入るリッチなデート。離れた席には亜紀と英太郎がチープな食事で2人を見守る。
 一方、自分の誘いに乗ってこない巧に業を煮やしたみさとは、自ら巧をホテルに誘い込んで・・・。


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