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アヴィニョン 第128回 2005年1月9日 「賑やかな晩餐」

フランスのホテルやレストランには「ターブル・ドット」といわれるもてなし方がある。直訳すると「主人がもてなす食卓」。つまり、お店のシェフ自らが客の前で料理を作り、食事をしにきた客皆が一つの大きなテーブルに座り、同じ料理を食べるということ。アヴィニョンの旧市街の中心にある4つ星ホテルは、700年以上前に建てられた当時の面影を残す瀟酒な宿。その一室で繰り広げられる「ターブル・ドット」の様子は、ある意味、ひとつのディナーショーでもある。
賑やかな晩餐


中世の城壁に守られた街並みとローヌ川に掛かるアヴィニョン橋。
今も、古き時代の面影を残す、この街には、ミシュランの4つ星に輝く一軒のホテルがありました。

今や、街一番のホテルとして知られる瀟洒な宿。

〜La Mirande/ラ・ミランド〜



ここは、その優雅な佇まいと、心行くまでゆっくりと寛げる静かな雰囲気は勿論の事、他では味わえない、賑やかな晩餐が楽しめることで知られる場所。

〜その晩餐は地下室で…〜



毎日、朝市に出かけては、プロヴァンス独特の食材を使ったメニューを考えるというジャンクロードさん。

彼が、この日、メイン料理として選んだのは、子牛の肉に、プロヴァンス産の蜂蜜をたっぷりと塗り、更に、カルダモンという香辛料を振り掛けて作るオーブン焼き。



〜オーブンで4時間〜

ジャンクロードさんは、こうして下ごしらえをした様々な料理を、お客の目の前で仕上げ、「ターブル・ドット」と呼ばれるディナータイムで もてなしているのです。

〜La Table d'Hote/ターブル・ドット〜



「カレ・ドゥ・ヴォー」

シェフ自らが客の目の前で料理をし、出来立てあつあつのメニューを一つのテーブルを囲んで味わってもらう…
これが何といっても「ターブル・ドット」のお楽しみ…



『ターブル・ドット』とは『主人がもてなす』という意味


「皆が食事をするこの場所が、僕の舞台なんだ」
と話すジャンクロードさん。
彼の演出で今夜も賑やかな晩餐が遅くまで続いていました。



スタッフからのメッセージ
 「ラ・ターブル・ドット/La Table d’Hote」これは、フランスで食事をする時の食事形式の一つです。日本の旅館などに行くと、泊り客皆が食堂に集まり、その日、旅館の板前さんが考えたひとつのコースメニューを、皆が同じように食べる事は良くある事だと思います。民宿やペンションなどもそうですよね。宿泊料金の中に「食事付き」と書かれていれば、それぞれがオプションメニューを付ける事はあっても、基本的な料理はどのテーブルに行っても同じものが乗っているはずです。ところがホテルの場合、その多くは、建物の中にいくつかレストランがあり、お客は自分の好きな店に入り、好きなものを好きなだけ選んで注文し、食べて帰る。御存知のように、海外のホテルに宿泊した場合は、そんなシステムがほとんどなんです。そこで登場したのが、今回紹介した「ターブル・ドット」と呼ばれる形式と「シャンブル・ドット/Chambre d’Hote」と呼ばれる形式です。
 まず「シャンブル・ドット」から説明すると、「シャンブル」とはホテルなどの「部屋」という意味なので、ここでは先に例を挙げた旅館や民宿のような形式です。宿泊客が、その日シェフが考えた一つのコースメニューを、皆が同じように食べる宿をこう呼びます。そして「ターブル・ドット」は、やはりシェフが考えたコースメニューを、皆で食べるのは同じですが、この場合はレストランで行われ、その上、大きなテーブルに皆で座り、テーブルのすぐ横に設置された厨房でシェフが料理するのを見ながら、出来たての料理を食べる事ができるという仕組みなんです。この場合、面白いのは、もちろん大人数で予約して、仲間とワイワイやりながら食事をするのも一つの楽しみ方なのですが、少人数の団体が大きなテーブルに相席し、見も知らぬ人と同じ料理を食べるのも、このターブル・ドットの楽しみ方なんだそうです。今回取材したホテルには、世界各国から来た旅行客が、このターブル・ドットに参加することも多いそうで、始めて顔をあわせ、言葉もろくに通じないお客達が、皆で同じ料理を口にし、同じ時間を共有する事で、どんどん打ち解けて会話が進み、楽しい夜を送っているんだということ。こんな話を聞くと、どこかの高原のペンションの食堂で、食事をしながら見知らぬ人と意気投合し、新しい友達が出来るような雰囲気を想像しますが、それが、このフランスの地で、それも見知らぬ外国の人との間で体験できるなら、海外旅行もより楽しくなるのではないでしょうか。フレンチのレストランというと、ちょっとカシコまって気取った雰囲気を想像しがちですが、たまには、こんな雰囲気で、一流シェフのコースメニューを味わってみたい。そんな気にさせられました。

レシピ 「カレ・ド・ヴォ−」
<作り方>
[1] タマネギ、ネギ、ニンジンをオリーブオイルで炒める。
[2] その上に、子牛肉の塊を乗せ、蜂蜜を塗る。
[3] 更に、カルダモン(香辛料)を振り掛ける。
[4] オーブンで4時間焼く。
[5] ソースは、白ワインにカルダモン、砂糖、酢、塩、コショウを加え煮詰める。
[6] 添え物としてプチトマトにオリーブオイルを掛け、塩を振り、オーブンで焼いたものとエシャロットにオリーブオイルを掛け、塩を振り、オーブンで焼いたものを添える。

LA MIRANDE(レストラン)
住所:4 place de la Mirande 84000 AVIGNON
TEL:04 90 14 20 20
URL:http://www.la-mirande.fr/

「6P.M.」
Clementine
作詞/作曲:Clementine
レコード会社/CD NO:EPIC RECORDS/ESCL-2409
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