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サン・レミ・ド・プロヴァンス 第126回 2004年12月19日 「フルーツの宝石」

ワインや南仏野菜と共にプロヴァンスが産地として有名な果物。その果物をまるごと砂糖漬けにして、昔は保存食としても食べられていたのがフルイ・コンフィ。今でも世界中の美食家達が注目するその姿は、まるで宝石のように輝く砂糖漬けのコレクション。400年前の資料に既にその名は記され、フランスでは高級菓子として知られるフルイ・コンフィはクリスマス時期の豪華なデザートとして、そして装飾としても人気がある。
フルーツの宝石


オレンジや赤、黄色に緑、色鮮やかに輝くフルーツの正体は…
果物天国、プロヴァンスで有名なお菓子、フルイ・コンフィです。

〜Fruits Confits/フルイ・コンフィ〜

16世紀にノストラダムスが生まれた事で知られ、今尚、古い町並みが静かな佇まいを見せるサンレミ・ド・プロヴァンス。



〜紀元前の遺跡が残る町〜

そんな町にある一軒のお菓子屋さんの中には、砂糖漬けにされた果物が一杯。

〜フルイ・コンフィ専門店〜



もともとは、保存食として砂糖漬けにされていた果物も、今では、パーティなどで飾られる高級菓子として美食家達を喜ばせているのです。

およそ140年前から、この地にある工場では、その伝統を守り、今でも昔ながらの方法でフルイ・コンフィを作り続けていました。



〜2週間シロップに浸ける〜

一度、漬け込んだミカンを、シロップの濃度を上げるため、更に、火にかけて煮詰めていく…



〜煮詰める事8回〜

こうする事で、果物の表面が飴色になり、より砂糖の輝きが、増していくのです。

そして、仕上げは、ミカンの表面に砂糖の膜を付けるグラサージュ。



「フルイ・コンフィ」


古くは、400年以上前の資料に、その名が記されているフルイ・コンフィ。
ほんのりと甘さを増したフルーツの宝石は、クリスマスのデザートとしても人気の逸品です。



スタッフからのメッセージ
 まず、このフルイ・コンフィを今回取材してみようと思ったキッカケは、取材準備をしている時、フランスから送られてきた資料の写真を見たことでした。その時、資料には、イチジクやオレンジなど数種類の果物の写真しか印刷されていませんでしたが、その色に透明感があり、とても綺麗な色彩に写っていたのです。私は、早速、このフルイ・コンフィに使われている果物には、どんな種類があるのか確認しました。というのも、この番組でフランス各地を取材している時に朝市などに出かけると、そこには、いつも、たくさんの果物が並んでいて、特に天気の良い朝などは、「本当に果物の色ってカラフルで美しいな…」と感じていたからです。この色鮮やかな果物が砂糖漬けにされて、より輝きを増し、更に透明感を身に着けているとすれば、それを並べた時にはどんなに綺麗な映像が出来るだろうか…可能であれば、今回、そんな撮影をしてみたい。そんな気持ちになっていた所へ、フランスから返ってきた返事は、「プロヴァンスといえば果物が一杯実っている場所。この地方で栽培されているほとんどの果物がフルイ・コンフィに使われている」との事。取材前に、実は、こんな経緯があって、この取材をする事が決まったわけなんです。
 さて、実際に現地の工場を訪ねて見ると、そこには、本当に色とりどりの果物が砂糖漬けにされて並んでいました。オレンジにメロン、サクランボ、イチゴ、レモン、キウイ、リュバーブ、イチジク、杏子、パイナップルなどなど。工場のパンフレットに「今でも世界中の美食家達が、この美しい宝石のような砂糖漬けのコレクションを味わうために、はるばる訪ねてくる」と書かれていましたが、その姿は、本当に宝石のようでした。この宝石のような姿にするためには、一度、果物を軽く茹でてから秘伝のシロップに漬け込むだけでなく、3ヶ月ほどの時間を掛け、何度もシロップの中で煮詰めていく地道な作業が行われています。長い間砂糖漬けにされ、何度も何度も煮詰めていると聞いて、食べると、物凄く甘いものになってしまうんじゃないかと思っていましたが、実際に味わって見ると、果物の味がしっかり残っていて、思ったほど甘くなく、これなら食後のデザートやパーティなどの軽食としても人気があるのも分かります。ただ、お菓子としてはお値段がちょっと高め…フランスでは高級菓子として知られていて、口にするのは、やはり何かのパーティやクリスマスなどの特別な行事の時が多いようです。
 取材の時、日本人のカップルがお土産にフルイ・コンフィを買って帰る姿を見かけましたが、この町に行くような事があれば、記念に買って帰るのも良いと思います。何といっても、滅多に味わえない高級なデザートですので…
 ちなみに・フルイ・コンフィの「コンフィ」とは、「漬け込む」という意味があるそうです。よくフランス料理の店などに行くと「カモ肉のコンフィ」なんてメニューがあるのを御存知の方もいるのではないでしょうか。この場合のコンフィは脂の中にカモ肉を漬け込んでいるという意味です。もともと、何かに漬け込むということは、保存を目的とした、昔の人の知恵から来ているそうです。果物は砂糖漬け、肉は脂漬け、魚は酢漬け、というように。そうした保存食が、今では、有名な料理のひとつとして知られるようになっているのを聞くと、いかにもフランスらしい…そんな気がします。

レシピ 「フルイ・コンフィ」
<作り方>
[1] 果物を軽く茹でて柔らかくする。
[2] 茹でた果物を、砂糖、水飴、水を混ぜたシロップに中に入れ、1週間ほど浸ける。
[3] その後、漬け込んだままの果物を60度の温度に管理された部屋で2〜3週間置く。
[4] 更に、1週間に1度位の割合でシロップごと果物を煮詰め、これを7〜8回繰り返す。
[5] 煮詰めたシロップの中から果物を取り出す。
[6] 新たに煮詰めたシロップの中に果物を入れてすぐに出し、表面に砂糖の膜を浸ける。
*この作業をグラサージュという。
[7] 表面の砂糖が固まったらできあがり。

Fruits confits LILAMAND(お店&工場)
住所:5 av Albert Schweitzer 13210 St Remy de Provence
TEL:04 90 92 11 08/FAX:04 90 92 53 83

「SWEET KISS」
Isabelle Antena
作詞/作曲:Powaga
レコード会社/CD NO:Victor/VICP-62869
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