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トゥール 第118回 2004年10月24日 「トゥールの名産品」

トゥールの名産品であるリエットは豚肉を香草と一緒に煮込んで細かくつぶしたペースト状のもの。そのリエットはこの町で生まれた。1936年の創業以来、昔と変わらない方法でリエットを作り続けている。7時間煮込んだ豚肉をフォーク1本で細かくつぶしていく。人の手でつぶすと細かくなりすぎずに丁度良い歯ざわりになるというこだわりぶり。普通はそのままパンに塗って食べるが、今回はリエットを使ったアペリティフを紹介する。
トゥールの名産品


かつてルイ11世の時代にフランスの首都が置かれた町、トゥール。
そして、この町には、フランス人が大好きな豚肉をペースト状に潰したリエットの発祥の地でもあるのです。

今ではフランス中で作られているリエット。
しかし、トゥ−ル生まれのリエットは脂身が少なく、蓋を開けて煮ることでより味がしっかりついているのが特徴。



〜7時間じっくり煮込む〜

そして、発祥の地ならではのこだわりは、フォーク。
機械を使わず、昔ながらのフォークを使って潰すことで細かくなり過ぎず食べた時に肉の食感が残すことができるのです。



〜人の手で丁寧に…〜

更に3時間煮込み、手間と時間をかけながら作られるリエット。
合計10時間以上煮込んだその味は肉の旨みが凝縮された伝統の味として親しまれてきたのです。



〜トゥールのリエット〜

そのまま食べてもおいしいリエットにもうひと手間加え、おしゃれなアペリティフを作ります。



軽くほぐしたリエットを加えたら生地がなじむまでよく混ぜます。
そうすることで、焼き上がりがふわっとなり、肉の旨みが引き立つようになるのです。


〜オーブンで20分〜



「ケイク・オ・リエット」


いつでもどこでも手軽に楽しめるリエット。
この町で生まれた少し大人のしっとりとした味わいは今もこうして町の人々に親しまれているのです。



スタッフからのメッセージ
 ロワールといえば、ロワール川沿いに数々の古城が残るフランスでも屈指の美しい景観が残る場所。数多くの芸術家や文化人がここで過ごしたといいます。ロワール川沿いを走ると、岩を切り出した急な斜面に家が建っています。これはもともと、ワインを貯蔵するために作られたもので、冬でも気温が下がりすぎず、夏は涼しく年間を通してほぼ一定の温度を保てるという訳です。そんな当時のワイン農家の方々は自分達も一緒にそこに住んでしまおう、と次々と岩が切り出されていったのだそうです。それが今では一般の民家やワイン貯蔵は勿論、キノコ栽培などに利用されています。(#70、71参照)
 さて、今回取材した町・トゥールはロワール川とシェール川に挟まれた町。13世紀から15世紀のステンドグラスや彫刻がみごとに残っており、ロワール古城巡りの出発地点として観光客の方々も集う賑やかな町です。そんな歴史ある町で生まれた「リエット」は1936年、この町にあった一軒のお肉屋さんで生まれました。その店のご主人、アードワンさんは当時「この町に名産になるものが作れないだろうか」と考えたのがきっかけで、リエットが作られたのだそうです。リエットというのは番組でも紹介したように豚肉を煮込み、ペースト状に潰したものですが、フランスのどこの家庭にもあるもので、おなかを空かせて帰ってきたけど家に何もない時など、ちょっとパンに塗って食べることができる、手軽でおいしいおかずとなるのです。今ではル・マンのリエットの方が有名になっていますが、もともとはトゥールが発祥の地。ここからリエットのレシピが広まったのです。トゥールのリエットは肉が大きく残っていて、その肉の食感を楽しむことができます。味は日本でいう豚の角煮にそっくり。よく味が染み込んでいて、10時間も煮込むので柔らかく、とてもおいしいものでした。この会社はリエットの他にもパーティーの仕出し料理なども作っていて、リエットにする前の豚の角煮(こちらでは角煮とは言いませんが…)も売っていて、そちらの味も試してみたい感じがしました。
 工場では女性が中心となってリエットをフォークで潰していましたが、「フランスではフォークは日本でいう菜箸みたいなものです」と説明を受けました。「それにしても、何でフォークなんですか? わざわざ普通のフォークでこんな大量のお肉を潰すのはいくらなんでも大変でしょう。もっと改良できるんじゃないでしょうか?」と質問したところ、「何でフォークかなんて考えたこともありません。ただ、昔からの作り方を守っているだけですから」と皆さんそろっておっしゃいました。オートメーション化されているこの時代に、こういった昔ながらの作り方を守っているところがあるということは素晴らしいこと。これからも是非、伝統を守っていって欲しいと思いました。

レシピ 「ケイク・オ・リエット」
<作り方>
[1] ボールに小麦粉、酵母菌、砂糖、塩を先に混ぜる
[2] ある程度混ざったら卵を入れ、混ぜる
[3] よく混ざったらリエット、ラード、干しぶどうを入れ、更によく混ぜる
[4] バターを塗った型に生地を流し込む
[5] オーブンで20分焼く

SA HARDOUIN
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「CLARA」
Skye
作詞/作曲:Skye
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