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アミリー 第116回 2004年10月10日 「歴史あるお菓子」

フランス人にとってシューケットはなくてはならないおやつ。シュークリームのシューだけを一口サイズに焼き、大きなお砂糖をかけてあるというもの。パン屋の店先に並ぶと午前中には売切れてしまうほど人気。実はシューケットはシュークリームの元祖。元々はメディチ家の専属パティシェ・ポプランが考え出したお菓子で、貴族達が食べていたお菓子が庶民に広まった。
歴史あるお菓子


スイーツの本場パリ。
町中にあるパン屋さんの店頭には必ず、シューケットというお菓子が置いてあります。

小さくてほんのり甘いシューケット。午前中には売切れてしまうほど、パリジャンにとってなくてはならない、「おやつ」なのです。



パリ近郊の町、アミリー。
この町のパン屋さんでもシューケットが売られていました。
実はシューケットはイル・ド・フランスを中心に広まったお菓子なのです。

当時、メディチ家専属のパティシエ・ポプランは「何とか新しいお菓子が作れないか」と日々、研究を重ねていました。
そして、彼はふっくらとして歯ざわりの良いシューを作り出したのです。



以来、ポプランの作ったシューは日本でもお馴染みにお菓子に使われるようになったのです。

〜シュークリームの元祖〜

おいしいシューケットを焼き上げるには手間を惜しまないこと。
そのコツは……



〜火にかけながら根気よく混ぜる〜

そうすることで、生地の水を飛ばし、焼いた時にふっくらとしたシューができあがるのです。



その日の気温や湿度によって焼き加減を変えるのはできあがった時の食感を大切にしたいというこだわりから。


〜200度のオーブンで30分〜



「シューケット」


大人も子供も大好きな、ふんわり、さくさくのシューケット。
かつて、フランスの貴族達が食べていたお菓子は今では誰もが楽しめるおやつの定番になっているのです。



スタッフからのメッセージ
 「シューケット」と聞いてまず私が思ったのは「シュークリームとは違うのか?」ということでした。聞けばシューケットはシュークリームのシューだけ焼いたもの、だったのですが、果たしてそれだけでおいしいのか?と思ってしまいました。しかし、実際にシューケットを見てみると大きな粒砂糖がかかっていて、ふっくらとした一口サイズの甘い香りのするお菓子。食べるとサクサクした食感にほんのり甘い、本当に手軽に楽しめる丁度よいおやつでした。この大人気の定番お菓子は本当にパリの人々にはなくてはならないお菓子のようで、実際にパン屋さんの店頭に並んでいるところをなかなか見ることができませんでした。というのも私達がパン屋さんに行く時間には完全に売り切れてしまっているからなのです。お店の人に「シューケットありますか?」と聞くと「朝早く来ないと全部売り切れちゃうよ」という返事を何軒のパン屋さんに言われたかわかりません。
 それほどまでにフランスの人々に愛されているお菓子、シューケットは番組でも紹介したように、もともとは貴族達が食べていたお菓子。イタリアの富豪、メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスがフランス王となるアンリ2世の元に嫁ぐ時にパリに伴って来たお菓子職人のうちの一人、ポプランが作ったものだといわれています。このお菓子職人達はシューの他にもシャーベットやマカロンなども作り出したといいます。まさにフランスのお菓子の基礎を築いたと言ってもいいくらいですね。
 ところで、フランスでは「パン屋さんで売られているお菓子」と「お菓子屋さんで売られているお菓子」とがあり、一般的にはパン屋さんで売られているお菓子の方が庶民的で安いそうです。日本のパン屋さんではフランスパン、食パンからおかずパン、菓子パンとパンに関するものしかおいてありませんが、フランスのパン屋さんはそれに加え、ケーキやお菓子が置いてあります。エクレアやフルーツタルト、チョコレートケーキ、スポンジケーキ、クッキー…と日本ではお菓子屋さんで売られているようなものが一緒に店頭に並んでいるのです。では、フランスのお菓子屋さんは何を売っているのかと言えば、勿論お菓子ですが、パン屋さんよりは少しお値段が高いとか。手土産や今日は少し贅沢しようという時にはお菓子屋さんのお菓子を買うそうです。
 さて、日本で言うシュークリームは様々な文献に書いてある通り、フランスではシュー・ア・ラ・クレームと呼ばれ、パン屋さんのお菓子にはないものです。取材の時には無理にお願いして作っていただきました。残ったものをスタッフでいただきましたが、やっぱりシュークリームはおいしい!現地スタッフは「懐かしい!」といって感極まってシュークリームを頬張っていました。ある意味、シュークリームは日本とフランスが生んだお菓子なのかもしれません。

レシピ 「シューケット」
<作り方>
[1] なべに水とバターを入れて火に掛けて溶かす
[2] なべが沸騰したらすぐに火から下ろし、すぐに粉を入れたボウルに入れ、手早く混ぜる。この時、水分を飛ばすために火にかけながら混ぜるとよい。
[3] よく混ざったら更に卵を少しずつ混ぜていく
[4] [3] を絞り袋に入れ鉄板に一口サイズに絞っていく
[5] 絞ったものに粒砂糖をかける
[6] 200度のオーブンで30分焼く。焼けるまでオーブンの蓋を開けてしまうとシューがしぼんでしまうので注意する。

Boulangerie VETOIS(パン屋さん)
住所:45200 Amilly
TEL:01 38 85 31 13

「PRENDRE UN ENFANT」
YVES DUTEIL
作詞/作曲:YVES DUTEIL
レコード会社/CD NO:King Record/KICP-947
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