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ミリー・ラ・フォレ 第113回 2004年9月19日 「ミリーのミント」

11世紀から薬草栽培の地として有名だったミリー・ラ・フォレ。近くに流れる小川と黒砂の土俵が丁度薬草栽培に適した土質、湿気を作り出している。香り高く、葉も厚いミリーのミントは春と秋に収穫され、乾燥ミントにしてキャンディーやチョコレートなど様々な加工品になる。そんなミントのフレッシュなものを使い、ミント農家オリジナルのミント料理を紹介する。
ミリーのミント


パリから南へ50キロ。自然豊かな町、ミリー・ラ・フォレ。
自然豊かなこの町のはずれにはジャン・コクトーが残した教会があります。

内部には、たくさんの薬草が描かれていました。
その中で、入り口を飾るように描かれていたのがミントでした。



広大なミント畑は今、収穫の最盛期を迎えていました。

ミリーのミントは色が濃く、葉も厚くて、香りが高いのが特徴。

その訳は、良質の川の水を含んだ黒砂が、ミント栽培には適していたからです。



しかし、昔は150軒あった薬草農家も今ではビエヌルさん一家だけ。

〜昔ながらのミント栽培〜

収穫したミントは曾おじいさんの代から使っている倉庫の中で、1年もの時間をかけて自然に乾燥させていきます。



〜香り高いミント製品に〜

ミント収穫の時期の食卓には摘んだばかりのミントを使った料理が並びます。



まずは、ミントを細かく刻み、香草の香りいっぱいのソースを作り、子羊の肉にたっぷりと塗ります。
こうすることで肉の臭みがなくなり、とても柔らかくなるのです。

〜油をかけながらオーブンで45分〜



「キュイール・ド・アニョ・オ・マントゥ」

収穫を喜び、家族で楽しむ食卓。
一口食べるごとに広がるさわやかなミントの香りは仕事の疲れを癒し、明日への活力になっているのです。



スタッフからのメッセージ
 ミリー・ラ・フォレはパリから車で60キロととても近く、フォンテーヌブローが近くにあるということもあり、緑が多く、別荘やバカンスを過ごすための施設も数多くあります。そして、町のはずれには番組の冒頭にも出てきたサン・ブレーズ・デ・サンプル教会が静かに佇んでいます。この教会は住宅街の中にあり、注意深く探さないとうっかり見過ごしてしまうくらい、小さな教会です。しかし、中へ入った部屋一面のジャン・コクトーの描いた絵には圧倒されてしまいます。こんなに大胆に絵を描くのはコクトーならでは。入り口を入って正面にコクトーの描いたキリストの絵。その回りを取り囲むようにして描かれている薬草の絵。コクトーはこの地で晩年を過ごしたと言われていますが、その時に、この教会をコクトー風に造ったのだそうです。
 さて、そんなコクトーが晩年を過ごすのに選んだここ、ミリー・ラ・フォレはこの上なく緑の豊富な場所。フランスには様々ないい所がありますが、パリに近くてこれだけの自然が多く残っているところも珍しいのではないでしょうか。もともと、この町は薬草栽培が町の産業でした。この土地が薬草栽培に向いていたことで発展してきたそうです。しかし、医学の進歩により徐々に「薬としての薬草」を必要としなくなってきたのです。そうしてだんだんと薬草農家が減り、今では取材させていただいたビエヌルさんのお宅だけになってしまいました。ビエヌルさんは4代続く薬草農家。一家がここまでやって来られたのはミントのおかげなのだそうです。それはビエヌルさんのお父さんが「薬としての薬草は廃れても、薬としてではない新しい薬草の使い道があるはずだ。だから、私たちは薬草を作り続けよう」と言ったのです。そこから、ミントを中心に新たな薬草栽培を始めたのだそうです。一時期はそれでも危ない時期があったそうですが、ミントのおかげで今日までやってこられたのだと、娘のカトリーヌさんは言います。まさにミントが救世主。
 話は変わりますが、今回、この薬草農家のビエヌルさんは私達の取材の他に、地元のテレビ局に密着取材されていました。そこで、私たち取材班も成り行きで、その番組にバッチリ出演してしまったのです。いつも撮る側の私達、逆に撮られるという側になるのは変な感じで緊張してしまいました。「打ち合わせ風景を撮ってもいいですか?」「どういった番組で取材に来たのですか?」「今までフランスで取材した中で一番おいしかったものは?」などなど質問攻め。どっちが取材対象なのか良くわからない状態になってしまい、ある意味一番大変な取材だったかもしれません。しかし、最後には「お互いにがんばりましょうね!」と言って国を超えた(?)連帯感が生まれたのでした。

レシピ 「キュイール・ド・アニョ・オ・マントゥ」
<作り方>
[1] 子羊肉をオリーブ油、玉ネギのスライス、生のミントで1日漬け込む。
[2] 香草ソースを作る(ミント、レモングラス、アニス、ローズマリー、タイム、バジリコ、玉ネギをそれぞれみじん切りにし、オリーブ油を加える)
[3] [1] に [2] を塗りこみ、包むようにして巻き、たこ糸で縛る。
[4] お皿に[3] を乗せ、[1] で漬け込んだもの、水、タイムの花を入れ、オーブンで45分。この時、オーブンに入れたら放っておかずにマメに油をかけながら焼くのがコツ。


L'Herbier de Milly(生産農家のお店)
住所:24, Place du Marche 91490 Milly la Foret
Tel:01 64 98 92 39


「ONE WITH THE SUN」
SHELBY LYNNE
作詞/作曲:SHELBY
レコード会社/CD NO:東芝EMI/TOCP-66237
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