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第103回 2004年7月4日 「ラヴィオール」![]()
その姿は白い板チョコといった感じ。それを、そのままお湯に入れてかき混ぜると小さなラヴィオリがひとつ、ふたつと浮かび上がる。フランスの小さな町・ロマン生まれの「ラヴィオール」は薄いパスタの中にコンテチーズ、ホワイトチーズ、パセリを練ったものが入っている、いわばフランス風のラヴィオリ。さっぱりとした味わいが人気となっている。
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![]() ![]() この番組の取材を通してフランス各地を回り、様々な場所で、その土地の料理を毎日のように食べていると、時々、「フランス料理以外のものも食べたいなあ」という気分になります。「何を贅沢な事を…」と思われる方もいるかもしれませんが、フランスに1週間以上滞在した事のある方なら、この気持ちを分かってもらえるのではないでしょうか。今回も、取材を始めて10日以上も過ぎた時、スタッフ皆で「今夜はイタリアンにでも行ってみる?」ということになり、リヨンの街でレストランを探し、久しぶりに食べられるパスタに大いに期待して、とある店に入る事になりました。さて、何を食べようかと思いながらメニューを開くと、パスタの種類がナポリタンとボロネーゼ、カルボナーラにアラビアータの4種類のみ。「スパゲティナポリタンなんてイタリアにはないメニューのはずなのに…」と、やや不安を残しつつもアラビアータを注文。テーブルを囲み皆で話しているとき何気なく厨房を見ると、恐らく、前々から茹でてあったのだろうパスタを鷲掴みにして何やら料理をする姿が…。ますます不安。そして遂に目の前に登場したパスタの姿を見て…。愕然…。お皿の中に盛られているパスタは、まるで、大昔、給食などで食べた事のある「ソフト麺」のようで、水分を含んで丸々と太り、口の中に入れても歯ごたえが無く、いわゆる「アルデンテ」などという言葉には程遠い食感だったのです。しかも、アラビアータとはいえ、ただ辛いだけ。その辛さも尋常でなく、ただただ辛いのみ。以前、フランス在住のスタッフから「フランスで出されるパスタは茹ですぎていることが多いから、美味しいものにはなかなか巡り合わない」と聞いてはいましたが、それにしても今回は大失敗。一応、食べる努力をしてみたものの、結局、半分近く残してしまいました。 話は、番組の本筋とはかなり離れてしまいましたが、そんなパスタもあるフランスの中にあって、今回紹介した「ラヴィオール」は、もともと、イタリアからの移民労働者が持ち込んだものが起源とあって、しっかりと歯ごたえもある、パスタらしいパスタでした。あのホワイトチョコレートのような形をしたラヴィオールには1枚に48個の粒を作ると決められているそうで、3枚が1人分なのだそうです。(前菜として食べるには2枚で1人分が適量とか)お湯で茹でながらかき混ぜると、自然に一粒、一粒に分かれていくのも面白く、特に味付けもせず、ソースも作らず、そのまま食べられるのが手軽な感じもします。実際に食べて見ると、やわらかくツルッとした食感のあるパスタの中から、程よい塩っ気のあるチーズの味わいが広がるので、「なるほど、これなら余計な味付けなど必要ない」という事が良く分かります。他の食べ方として、フライにしたり、サラダに入れたりしても良いそうで、きっとワインなどのツマミとしてもいけるのではないでしょうか。あるスタッフいわく「これなら簡単にできて日本でも流行りそうなので、ラヴィオリバーでも開こうかしら」とのこと。実現するかどうかは定かではありませんが、とにかくお勧めの逸品です。 |
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「ラヴィオール」![]() |
<パスタの作り方> | ||
[1] | 小麦粉に水、タマゴ、油を入れてよく練り、生地を薄く延ばす。 | |
[2] | 具は、コンテチーズ、ホワイトチーズ、パセリ、タマゴ、塩を混ぜ、よく練る。 | |
[3] | [2] の具を [1] の生地で包む。 | |
<ラヴィオールの茹で方> | ||
[1] | 沸騰寸前のお湯に塩、サラダ油を入れる。 | |
[2] | [1] のお湯の中に、四角い板状のままのラヴィオールを入れ、ゆっくりかき回す。 | |
[3] | 茹で時間は90秒。お湯の中で粒が分かれていく。 | |
*グツグツと沸騰したお湯でラヴィオールを茹でると、パスタの生地が破れ具がでてしまうので注意すること。 |
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![]() Les Ravioles de la Mere Maury(製造工場) 住所:Les Chambards 26540 Moure Saint Eusebe |
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![]() 「Un peu d'eau」 FRANCOISE HARDY 作詞/作曲:F.Hardy・JN.Chaleat レコード会社/CD NO:東芝EMI/TOCP-67221 |
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