第77回 2004年1月4日 「フェーブ」
フランス各地で行なわれている正月のお楽しみ。
それは、フェーブと呼ばれる小さな人形をひとつだけ忍ばせた ガレットを作り、皆で切り分け、誰がその人形に当るかを競うこと。 当たった人は王冠を被り一日王様のように振舞えるという。 |
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今回番組で紹介したフェーブの工場には、ちょっと面白い歴史がありました。というのも実はこの会社、フランスで初めてエッフェル塔のミニチュアを作った会社なんです。そして、そのミニチュアがお土産として売られるようになると、その小ささと精巧さが評判になり、次々と依頼が来て、パリで有名な建造物や美術品の土産物までを作くるようになり、それがキッカケで、今のように会社が大きくなったそうなのです。もちろん、今では、様々な企業がお土産物を作っているのでしょうが、そういう店で見るロダンの彫刻や考える人の置物は、もともと、この会社でいち早く作られたもの。フランスに行ってお土産を買って帰った人の中には、もしかしたら、この会社で作られたものを買った人がいるのではないでしょうか。 とまあ、そういう会社で作られているフェーブですから、大きさ2センチ足らずの小さな置物といっても、その形や風貌などは本当に良くできています。番組の中では、その中のほんの一部しか紹介できませんでしたが、在庫として工場にあるだけで約2000種類。新しいフェーブを作りながら毎年約300万個のフェーブが、この会社から出荷されているそうです。工場のデザイン室には、今までの傑作フェーブがズラリと並んでいるのですが、見ていて飽きない可愛い物ばかり。このフェーブをコレクションするためだけに、お正月ガレットを何枚も食べているという人もいるのだそうです。 ところで、このフェーブ。フランス語の本来の意味は「そら豆」なのだそうです。 ガレット・デ・ロアを新年に食べる習慣が始まったのが11世紀のこと。当時は教会の参事たちが運勢を占うためにパンの中に銀貨を入れて焼いたのが始まりだといわれています。その習慣が一般化していった過程で、パンがガレット(パイ)になり、裕福な家庭では銀貨が金貨に代わり、貧しい一般の家庭ではそら豆を入れるようになったとのこと。そら豆はジャガイモがヨーロッパに伝わる前、春一番にできる作物であり、人々に大切にされてきた食べ物。そのそら豆がいつしか陶器で焼かれた人形に代わり、現在のフェーブに代わっていったのだそうです。ちなみに、今回紹介したパイ、「ガレット・デ・ロア」は、そのまま和訳すると「王様のパイ」。1年の始めにこのパイを食べ、見事フェーブを引き当てさえすれば、その日1日は仲間の中では王様気分。こんな風に新しい年をスタートできれば、きっとこの1年も良い年になるのではないでしょうか。 |
「ガレット・デ・ロア」 |
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<作り方> [1] 小麦粉、バター、塩、水を練り、何回も折りたたんでは伸ばしながらパイ生地を作る。 [2] アーモンドの粉にバター、砂糖、卵、ラム酒を入れアーモンドクリームを作る。 [3] 丸く伸ばしたパイ生地のまわりに卵黄を塗り、中央にアーモンドクリームを乗せる。 [4] アーモンドクリームの中にフェーブを1つ入れる。 [5] 丸く伸ばしたもう一枚のパイ生地を [4] の上に乗せる。 [6] 上に乗せたパイ生地の表面に卵黄を塗る。 [7] 焼く前に生地に模様を描いた後、焼いた時に空気が逃げるよう生地に2〜3穴を開ける。 [8] オーブンで25分焼く。 |
ALCARA (フェーブ製作工場) 住所:6 RUE DES TILLEULS 94500 CHAMPGNY SUR MARNE TEL:01 4516 1770 FAX:01 4516 3657 POUJAURAN JEAN LUC BOULANGER (パン屋) 住所:20,RUE JEAN NICOT 75007 PARIS TEL:01 4705 8088 FAX:01 4705 7399 |
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「LES EX」 CAMILLE 作詞/作曲:Camille Dalmais・Alexandre Chatinl レコード会社/CD NO:東芝EMI/TOCP 67198 |
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