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サンテミリオン 第20回 2002年11月24日 「ボルドー生まれのお菓子」

ボルドー地方で生まれるワインと深く関わりのあるお菓子。
元々はワイン作りのオリを取り出す工程の中で卵白を使う習慣があり、
残った黄身を無駄にしないように作られたもの。
ラム酒を使い周りがキャラメル状になった大人の味。
ボルドー生まれのお菓子

ワインの生産地として有名なボルドー地方。
そのブドウ畑に囲まれて、サンテミリオンの町並みがありました。




中世の面影を残す古い町並みとワインを楽しみにやってきた観光客がふと立ち寄っていく小さなお店。
ここでは、ワインに深く関わりのあるこんなお菓子が作られていました。




そもそも、このカヌレが生まれたのは1000年以上も前の事。
工場では、樽の中でゆっくり熟成したワインの中に卵の白身を泡立てて入れる作業が行われていました。
すると、どうしても残ってしまう卵の黄身。
「この黄身をなんとか役立てたい」
そんな思いの末に生まれたのが、「カヌレ」だったというのです。

卵の黄身に小麦粉や砂糖、ラム酒を加えて、銅の型に入れられていくカヌレの生地。
「オーブンで1時間30分」

こうして銅の熱で一気に焼き上げる事で周りだけがキャラメル状になり、中は柔らかいお菓子が出来上がっていくのです。


「カヌレ」
ワインの産地だからこそ作られてきたボルドーのお菓子。

甘さの中に引き立つラム酒の香りが大人の味を感じさせます。


スタッフからのメッセージ
 カヌレというお菓子をおいしく作る秘訣は、どうやらお菓子を焼く時に使う「銅製の型」にあるようです。番組でも紹介していますが、カヌレの魅力はキャラメル状に焼かれた外側の生地と、柔らかいままカステラ状になった内側の生地という2つの食感が楽しめることではないでしょうか。
 もう一度簡単に作り方を説明しておくと、まず、材料の小麦粉、卵黄、ミルク、バニラ、ラム酒、砂糖を生地が滑らかになるまで混ぜ合わせます。(残念ながら材料の分量については企業秘密ということで教えて頂けませんでした)そして、その生地を一晩寝かせます。次に、生地を銅製の型に入れ270度のオーブンで1時間半ほど焼き上げます。(この時、あらかじめ銅の型の内側にはバターを塗っておきます)ここで肝心なのは銅製の型を使うこと。つまり、熱伝導率の良い銅製の型をオーブンの中で急激に熱する事で生地の外側だけが一気に焼き上がり、中の部分はカステラ状のまま、外側がキャラメル状になるという訳です。
 そもそも「カヌレ」というお菓子は、この銅の型が波上に湾曲していて、その状態をフランス語で「カヌリュール」という事から、この名前が付いたのだとか。甘すぎず、ラム酒の香りと味わいが大人の味を感じさせてくれるお菓子なので、もし、家庭で作ってみようと思われる方は、銅製の型を探してから作ってみてください。
 それにしても、この店のあったサンテミリオンという街は、古い建物が残り、周りには広大なブドウ畑もあり、おまけにおいしいワインの産地という、とても雰囲気のよい場所でした。ここは、サンテミリオンという街と、その街を囲むように広がるブドウ畑が一緒になって世界遺産にも指定されている所なので、フランスのボルドー地方に行く機会があったら訪ねてみる価値がある場所だと思います。


Le Canele de Bordeaux Lemoine(カヌレのお店)
住所:9,rue du Clocher 33330 Saint Emilion
TEL:05 57 24 65 64

Masion Lemoine(カヌレの工場)
住所:56,rueBaudin 33110 Le Bouscat
TEL:05 56 43 11 33
FAX:05 56 50 21 72


「De l'autre cote du temps」
アーティスト:Liane Foly
作詞:作曲:Liane Foly
レコード会社/CD NO:Virgin/No:7243 54301223
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