タクシー乗り場。サッカーボールのサイン灯を付けたタクシーにお客（上島竜兵）が乗り込んできた。すると運転手・今田秀人（香取慎吾）は「日本代表候補のボランチ戸田和幸選手は髪型を変えることで有名です。さて初めて代表入りした時の髪型はどれ？」と4択の質問を出してきた。結局答えられなかったお客は乗車拒否された。運転手はサッカーの神様が乗せてはならぬと言っていると訳の分からないことを言い出したのだ。見るとタクシーの天井には往年の名選手の顔写真がいっぱい貼られ、「サッカーの神に愛されない人は乗車お断り」の張り紙も。降ろされた客が名前を聞くと運転手は「ただのサッカー通」と答えた。
　秀人が古びた定食屋で食事をしていると、テレビからワールドカップスペシャルキャスターに抜擢された女優・大林里枝（上原多香子）の挨拶が聞こえてきた。実は里恵は実際にサッカーも見たことなく、好きな選手の名前を聞かれても覚えていない。カメラに向かって笑顔で「一緒にワールドカップを盛り上げましょうね！」と手を振る里枝に秀人は「その前にサッカーの勉強をしろ！」と怒りを顕にする。
　食事を終えた秀人がタクシーに戻り、里枝の悪口をぶつぶつ言っていると「呼んだ？」と里枝が後部座席から起きてきた。秀人のタクシーで昼寝していたのだ。名選手たちの写真を暑苦しいと言い、しかもサッカーは嫌いと断言する里枝を秀人は“一日で立派なサッカー通に鍛え直してみせる”と特訓を始める。
　まず連れて行かれたのは横浜国際総合競技上。日本対ロシア戦が行われるスタジアムだ。次にワールドカップオフィシャルグッズの数々を紹介され、続いて公式ホイッスルを製作している野田鶴声社、更にレンタルビデオ店でサッカー関係の映画を紹介されたりと、サッカー情報を次々教えられるのだった。
　その後も関係各所を回り、最後に定食屋で“あの人”（田中邦衛）と会う。伝説のサッカー通と言われる“あの人”は、里枝に「戦う前に試合を諦めちゃあいけねぇよ」と言い店を出て行った。一体何を言っているのか分からなかった秀人が里恵に訊ねると、実は里枝はキャスターとしての初仕事から逃げてきたことを告白する。自信がないというのだ･･･
　果たして里枝はこのままキャスターの仕事から逃げつづけてしまうのか？