第9回 2003年12月1日(月)放送 あらすじ

#9 検察官はつらいよ

 検察実務修習で被疑者の取り調べをすることになった楓たちは、指導担当検察官の相島忠子(中島宏海)から取り調べにおける諸注意を聞かされていた。取り扱う事件は比較的軽微なものであるが、それゆえに前科者も多く、決して油断することのないよう、と申し渡す相島の言葉を受けて、気を引き締める修習生たち…
 取調べは2人一組で行われる。アホヤンズの8人も、桐原勇平(堤真一)と田家六太郎(我修院達也)、羽佐間旬(オダギリジョー)と崎田和康(北村総一朗)、森乃望(松雪泰子)と黒沢圭子(横山めぐみ)、そして楓由子(ミムラ)と松永鈴希(奥菜恵)それぞれでペアを組むことになった。楓たちが取り調べる被疑者は、カード詐欺を働いたとして逮捕されたOL、相模冬子(京野ことみ)。楓は、警察の捜査記録があっさりとまとまりすぎていると指摘し、被疑者本人にそのあたりをとことん追及しようと意気込む。が、松永は取調べは検察官志望の自分にまかせてほしいと楓に言う。少しさびしい気持ちになりながらも、松永の気持ちを汲み取り、応援するような気持ちで取り調べに挑む楓。だが、実際の取調べは、松永の思うようには進まない。事務官としての役割に徹し、口出しすることなく冬子の話に耳を傾けていた楓だったが、松永と冬子の間の重苦しい雰囲気に耐えかねて、思わず食事を取ることを提案。「かつてはOLだったからお茶を入れるのは得意」と言って席を立とうとした楓に、冬子が親近感を示す。それを感じた松永は、楓を呼びとめ、同じOLとして、冬子と会話をしてみてほしいと耳打ちする。
 教室で、黒沢と森乃が担当した事件に関して桐原たちに相談していると、遅れて楓と松永がやってきた。楓たちの担当したカード詐欺の事件について、松永の話に耳を傾ける一同。松永は、事件の経緯、冬子の供述を踏まえて自分なりの見解を述べる。松永は、冬子には余罪はないとして取調べを終わらせようと考えていた。しかし、冬子はホストクラブの男、ジョン(葉山力樹)から詐欺の手口を教わっていた。羽佐間に取り調べの印象を聞かれた楓は、犯人は他にもいるはずなので、ジョンをきっかけに事件全体を解決しようと言い出す。それは、松永が取調べ中に持ち出した、似た手口で行われた未解決のカード詐欺の話だった。その事件では、カードを不正使用して換金性の高い東京~新大阪間の新幹線チケット100枚つづりが購入されている。しかし、冬子が買ったのは東京~越後湯沢間のチケット6枚つづりだけ。このため、楓も冬子は初犯で余罪はないと見ているが、それでは誰が未解決事件を起こしたのか? が、ひっかかっていた。
 結局、楓の熱意が通り、ジョンが取調室に呼ばれた。取調べは、楓が担当したが最初からジョンになめられてしまう。しかし、楓は勇気をふりしぼって直接、未解決のカード詐欺事件について切り出した。背後に複数のカード詐欺全体を操る者がいると指摘する楓に、ジョンが突然ブチ切れて椅子を蹴飛ばす。楓と松永、女2人だけの取調室に緊張が走る。と、そこに羽佐間たちアホヤンズの仲間が入ってきた。彼らの出現におとなしくなるジョン。心強い仲間の登場に、楓も自分のペースを取り戻して、再度の取り調べに。楓に見つめられて犯罪の有無を尋ねられ、松永の加勢もあって、ジョンはついに供述をはじめた…。
 数日後、寮の食堂では松永が羽佐間と田家に取り調べの顛末を語っていた。やはり、ジョンの背後には大きな窃盗・詐欺団が存在していた。末端要員であるジョンは、自分の仕事を冬子にさせようと試しにやらせてみたのだ。羽佐間と田家は、松永の手柄をたたえる。すると松永は、全てが楓の力によるものだったことを明かす。冬子の心を溶かして、松永を信用させたのは楓だった。その頃、楓は冬子の最後の取り調べを終えようとしていた。 翌朝、楓は研修所に猛ダッシュ。話があると、羽佐間に呼び出されたのだ。期待一杯に教室に飛び込んだ楓に、羽佐間は「君は検察官に向いてるよ」。羽佐間が弁護士志望だけにちょっと残念だけど、意外な言葉に戸惑う楓。誰より君のことを認めていると言う羽佐間に、楓は…。

キャスト

楓 由子  … ミムラ
羽佐間 旬 … オダギリジョー
桐原勇平  … 堤 真一
松永鈴希  … 奥菜 恵
田家六太郎 … 我修院達也

相島検察官 … 中島宏海

相模冬子  … 京野ことみ

黒沢圭子  … 横山めぐみ
崎田和康  … 北村総一朗
森乃 望  … 松雪泰子

ほか

スタッフ

■脚本
  水橋文美江
■演出
  松山博昭
■プロデュース
  山口雅俊

バックナンバー