第11回 2003年12月15日(月)放送 あらすじ

#11 検証!私たちはここにいた

 司法研修所では、修習生の卒業試験ともいわれる司法修習生考試試験(いわゆる2回試験)の最終日が終了した。楓由子(ミムラ)、羽佐間旬(オダギリジョー)、桐原勇平(堤真一)、松永鈴希(奥菜恵)、田家六太郎(我修院達也)、黒沢圭子(横山めぐみ)、崎田和康(北村総一朗)、森乃望(松雪泰子)のアホヤンズの仲間たちほか、修習生たちはほっとする間もないまま、今度は修了後の進路を決めていかなければならない。
 そんな中、森乃は、野佐木恍也教官(石橋凌)に呼び出された。森乃は野佐木から札幌の法律事務所を紹介されていた。だが、森乃の過去をめぐって、その法律事務所が急に腰が引けてしまい、受け入れを断ってきたと野佐木は説明する。さらに、野佐木は困惑する森乃に異例の処置を検討していると告げる。一方、楓は自分なりに考えて決めた、今後の進路についての思いを羽佐間に伝える。“初心に帰り”弁護士の道に進む、と。楓の決意を喜ぶ羽佐間自身は、大手法律事務所を狙っているのだが…。
 翌日、羽佐間は研修所で浮かない表情。2回試験で目標の順位に達することができず、大手法律事務所に相手にされないと落ち込んでいるのだ。そんな羽佐間の相手をしたのは桐原。大手事務所の担当者にもう一度会って、熱意と情熱を訴えるといきまく羽佐間に桐原は、大手事務所が扱ったある事件の資料を差出し、羽佐間なりの起案を書いて大手事務所に提出し、弁護士としての手腕を見せろとアドバイスした。
 その頃、教室では楓たちが田家を取り囲んでいた。田家の進路が裁判官に内定したのだ。と、そこに沢口裕子教官(もたいまさこ)がやって来て、最後の講義が始まる。羽佐間と桐原は欠席。沢口は、修習生に最後の課題として『マグロの不当表示事件』を与える。『国産・天然もの本マグロ』と表示されたマグロを購入した一部の消費者たちXが、表示の嘘に気づいて卸もとのY社の代表を詐欺ではないかと警察に告発したもの。楓はこの課題に飛びつき、仲間と課題を検討するために、いつものように放課後の教室へ。だが、教室に残っていたのは松永だけ。仲間たちはそれぞれ、就職活動や就職先からの飲み会誘いなど、それぞれの事情で出かけてしまったのだ。楓は、松永と課題を検討しようとするのだが、一致する結論はすでに出ており、議論の余地はなさそう。それでも…と、楓はひっかかるが…。
 森乃は、桐原とバーで会っていた。桐原は、元検察官の弁護士の事務所から内定をもらったことを森乃に伝える。すると森乃は、野佐木から言われたことを桐原に告げる。心配する桐原だったが、森乃は大丈夫だと先に店を出てしまった。その後、街を歩いていた桐原は、森乃のもと“妹分”、伊勢今日子(室井滋)と偶然再会する。今日子から飲みに誘われた桐原は、森乃が堅気になった理由を聞かされた。
 その翌日も、楓は放課後の教室に机を並べて仲間を待っているのが、やはり誰も現れない。寮に戻った楓は、みんなの意見を聞いてみたいと羽佐間の部屋を訪ねる。桐原からもらった資料で起案に取り組んでいた羽佐間は、翌日みんなで話そうと言う。そして、約束どおりに翌日の教室にはアホヤンズのメンバーが集まる。だが、みんなの話題は森乃の進路に。森乃は野左木から、検察官の内定を知らされたのだ。楓は課題を討論したいが、仲間たちは松永同様、もう一人一人で答えを出せるとのってこない。みんなの態度を見た楓は、他人行儀に「もう結構です。失礼します」と告げて、荷物をまとめて教室を出て行ってしまう。仲間たちは、いつもと違う楓の様子に…。
 沢口教官の最後の授業で、楓は課題の答えを発表。簡潔にまとめた回答に、沢口教官にほめられるのだが、楓は自分なりの疑問をぶつけていく。楓は、消費者Xに対するY社の詐欺罪は成立しないとしながらも、そのことをもっと検証するべきだと言うのだ。名もない人に思いを馳せる楓を個人的には好きだと言う沢口教官だが、起案としては成立しないとつき返された。
 がっかりした楓は起案の再提出に事務局へ赴く。しかし、提出箱に入れることは出来なかった。力なく楓が教室に戻ってくると…なんと、そこにはアホヤンズの仲間たちが揃っていた。とたんに勇気づいた楓は、久しぶりに仲間たちと討論。次々に飛び出す、仲間たちの生きた意見に目を輝かせる楓。だが、結果的に消費者に対するY社の詐欺罪の成立は難しいし、民事上の損害賠償請求も実際には困難だという結論に。楓も結論は妥当と思うが、騙されて傷ついた消費者を思うと黙っていられない。すると、羽佐間はそんな人たちの思いは楓が受け止めてあげればいいと言う。そんな弁護士になればいいと。他の仲間たちも羽佐間に和し、またそれぞれの決定進路と、研修所での思いを語り合う。楓たちは、別々の進路に進む。しかし、8人の仲間は、これからもずっと…。

キャスト

楓 由子  … ミムラ
羽佐間 旬 … オダギリジョー
桐原勇平  … 堤 真一
松永鈴希  … 奥菜 恵
田家六太郎 … 我修院達也
田中一朗  … 岡田義徳

山本宗司  … 金田明夫

野佐木恍也教官 … 石橋 凌

沢口教官    … もたいまさこ
伊勢今日子   … 室井 滋

黒沢圭子  … 横山めぐみ
崎田和康  … 北村総一朗
森乃 望  … 松雪泰子

ほか

スタッフ

■脚本
  水橋文美江
■演出
  水田成英
■プロデュース
  山口雅俊

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