あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「村長は殺された!」
 犬塚(田中邦衛)は、仁太郎(役所広司)が、本物の弁護士でないことを忠志(香取慎吾)から聞かされ呆然。こうなったら村人たちに、裁判は無理だと説得してもらうべきと言う提案を受け入れることにする。
 そうとは知らず村人たちは、仁太郎を囲む会の準備は着々と進めている。忠志は、仁太郎の自信過剰な態度を心配しつつ、無事説明会が終わることを祈るばかり。
 とそこへ、そんな心配もこれ以上しなくて済むような朗報が飛び込んできた。環境整備課の立ち入り調査がフナムシ開発に入ることになったというのだ。その結果フナムシの不法投棄の事実が認められれば処理場は閉鎖、裁判の必要は無くなり、仁太郎に登場してもらう必要もなくなる。
 忠志は、即刻、仁太郎には東京に帰ってもらいたいというが、犬塚は、それでは抜き打ちの立ち入り調査がバレてしまうからと調査終了までつきあってもらいたいと頼むのだった。くれぐれもこの件は他言無用でと釘を刺して・・・。
 だがわずか数時間後、フナムシの安西(國村隼)と網干(津川雅彦)の耳に調査が入るという情報はもたらされてしまった。仁太郎が、鴨田(金田明夫)のいるところでしゃべったことが原因だった。安西は、社員の蟇田(温水洋一)を呼ぶと指図を与えた。
 その頃、犬塚家では、信乃(鈴木京香)が二日酔いの仁太郎を介抱しつつ、弁護士バッチをなぜつけていないのか?などと尋ねていた。
 仁太郎の素性を疑う悌三(池田成志)に、「本物なら持ってるはず。見せてもらえ」と吹き込まれたらしい。だが、仁太郎は、慌てもせず「つけてると偉そうに見えるから・・・」と信乃の思った通りの返答をすると、疑いを一気に晴らしてしまうのだった。
 そしていよいよフナムシ開発に調査の入る日がきた。犬塚は張り切って調査員の田島(半海一晃)を案内する。だがそこには何一つ不法とされる実態がない! すでに、何らかの手を打ったのだと訴える犬塚だったが、逆に「言い加減なことをいうと名誉毀損で訴えますよ」と安西にやり込められ、みすみす県の営業許可を与えてしまうのだった。 
 「話しが違うじゃねぇか!」。調査結果を聞いて仁太郎は忠志に詰め寄った。またしても村人の前で説明をする役目が復活してしまったためだ。取り敢えず忠志が書いた台本を覚えやすいよう書き直してもらうため、東京の毛野(山寺宏一)にこっそりと村の電話ボックスから電話をした。だが、電話を終えボックスから出てきた仁太郎を網干が待ち受けていた。同乗させられた網干の車の中で、仁太郎は、網干の妻が好きでよく見るというサスペンスドラマの一本を見せられた。それは、仁太郎が出演している例のテレビドラマだった。網干はすべてを知っていた・・・。その上で、このまま村を立ち去れば、弁護士に成り済ましたことを告発もしないという条件を突き付けるのだった。
 これを聞いた忠志は、このままあっさり引き下がるのはひどすぎる!と仁太郎を責めた。だが・・・よくよく考え裁判を起こさせたくないという目的が網干と一緒だと気付くと、内緒で網干の元を訪れるのだった。
 だが、ここでまた事件が勃発した。犬塚が単身、フナムシ開発のゴミ捨て場がある山に入っていったというのだ。
 「おい、やべえぞ。腹癒せに火でもつけにいったんじゃねぇか!」
 仁太郎、忠志、信乃は胸騒ぎを感じ、知らせにきた義助(梶原善)と共に、犬塚の後を追った。

<第5回> 「宣戦布告」
 村長の犬塚(田中邦衛)の死をきっかけに、信乃(鈴木京香)は意志を次いで村のために戦う覚悟だと決意を新たにしてみせる。父の宣戦布告死の知らせを聞いて遺産目当てで久し振りに夫と共に舞い戻ってきた妹の雪乃(土屋久美子)に対しても、「土地を売るつもりはないし、店も続けていくつもり」と言い放ったのだ。
 その後、悌一郎(寺尾聰)、悌三(池田成志)の琴井兄弟がやってきた。裁判の詳細を気にし、仁太郎(役所広司)の素性を怪しんでる様子の琴井兄弟は、仁太郎にいろいろと尋ねたいことがあるようだっだが、東京から作家の毛野(山寺宏一)が来たと信乃に耳打ちされた仁太郎は、そそくさとその場を去ってしまった。
 毛野は弁護士仲間と信乃には紹介した。だが、仁太郎がわざわざ彼を呼び寄せたのは、明日の説明会のために原稿を書いてもらうためだ。そして毛野は、期待にこたえてわずかな時間で忠志(香取慎吾)の書いた下手な原稿を、見事にプロの作品にしてみせたのだ。しかも「裁判にもっていく決意をする」と「裁判を断る」という2パターンを・・・。 
 仁太郎は、さっそく原稿片手に練習をし、忠志に、これでなんとかなりそうだとのサインを送った。だが、そうとは知らない信乃は言う。
「村の人をまとめていくのは大変だとは思いますが、なにとぞよろしくお願いします」と。
 だが、これにたまりかねた仁太郎は、とうとう明日の説明会では、裁判を諦めろというつもりだと打ち明けてしまう。この裁判に勝ち目はないし、自分は勝てる戦いしかない!というカッコいい理由づけをして・・・。
 「現地調査をしてもらった結果」と忠志も後押しする。しかし、これを聞いた信乃は、見せたいものがあるというと仁太郎を、ダルマ池に案内した。そして村の子はみんなここで泳ぎを覚え、その昔、村から出たというオリンピック選手もここで練習していた。なのに今ではフナムシのせいで水は汚染され誰も泳がなくなってしまったと話すと、なんとか村の子供が泳げるようにしてほしい。そのためにたたかって欲しい!と頼むのだった。 
「俺にしてやれることないのか?・・・俺は村長に村の未来を託されたんだぞ・・・」。思わず心揺れる仁太郎に、忠志はきっぱりと言った。
「これはドラマじゃないんだ。現実の話なんてすよ。あんたはドラマの主人公じゃない。それを忘れないように」。
 翌日。富増公民館には大勢の村人が集まり、仁太郎の登場を待っていた。

<第6回> 「裏切ったヒーロー」
 仁太郎(役所広司)の一言で、富増村は一気に裁判に持ち込むムードに傾いた。忠志(香取慎吾)は、そのいい加減さに呆れるばかりだが、信乃(鈴木京香)は「勝ちますとも!」と言い切る仁太郎に、以前にも増して信頼を深める。
 しかし、問題は残っていた。仁太郎は弁護士ではないのだから法廷に立つことはできないし、村人もまだそのことに気がついてはいないのだ。もちろんフナムシ開発側の網干(津川雅彦)もそれを承知しており、いくら勢いで裁判をやる!といったところで、不可能だとたかをくくっていたのだ。
 だがそこに、これまで法廷ドラマを100本見たという実績を持った毛野(山寺宏一)が思わぬ奇策を持ち出してきたのだ。仁太郎は弁護士としてでなく、村の原告として法廷に立てばいい。そのために、まず村に住民票を移すことが必要だと。
 そしてこの作戦はもちろん信乃にも内緒で、忠志も了承の上で実行に移されることになり、さらには裁判の意志を直々に探りにやって来た網干の耳にも、忠志の口から挑戦的に伝えられた。
 「一体誰がそんな知恵を与えたのか?」。網干は思った。そして敵がその気ならばと、網干とフナムシ開発の社長・安西(國村隼)は、ある秘策に打って出るのだった。  その頃、忠志と信乃は、裁判に備え新しい村長選びを進めていた。信乃は、気をつけダルマの生みの親で、村人からの信頼も厚い悌一郎(寺尾聰)こそと思うのだが、勝つ見込みもない戦いはできないと弟の悌三(池田成志)はつれない。かといって「我こそは!」というわりに人望の無い天馬(磨赤兒)などに任せるわけにはいかない…。天馬は「なぜ俺ではだめなのかと」不満をぶち上げる。選考は難航した…。
   だが、頭を抱える忠志をさらに悩ませ慌てさせる事態が発生したのだ。天馬が2000万円でフナムシに買収された! 村長も決められず、もたつく状況を見透かされたかのようなこのやり方に、忠志も信乃も青ざめた。そして、そこに、場の雰囲気を察して青ざめる男が一人…!?


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