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<第51回>
 ひかるが妊娠。勇作は有頂天になるが、文彦の何気ない言葉から、ひかるのお腹の子は猛の子ではないかと疑う。静子も、結婚して八年間妊娠しなかったひかるが、猛が帰ってきたとたん妊娠したことに、疑惑の目を向ける。
 一方、猛はひかるの妊娠を知り、激しいショックを受ける。
 が、勇作への復讐の手はゆるめず、検察に働きかけ勇作の汚職を摘発しようとする。
 猛は大河原商会へ乗り込み、取引を持ちかける。三枝の屋敷を差し出し、ひかると別れれば、勇作の借金を肩代わりしてもいいと。
 勇作は怒りにふるえ、猛への嫉妬をますます募らせる。

<第52回>
 検察がいよいよ勇作の逮捕に向けて動き出す。確実な証拠があれば、すぐにでも逮捕に踏み切れるというので、猛は絹を訪ねる。勇作の買収について記された伝衛門宛ての手紙を貸してもらおうと思ったのだが、絹は知らないという、妊娠したひかるのことを心配しているのだ。猛は絹に無断で、こっそり手紙を持ち出す。
 秀子が、猛とはもう会わないでほしいとひかるに言いに来る。猛に利用されてもかまわないと言いきる秀子に、ひかるは何も言えず、猛に会わないことを約束する。
 まもなく、勇作を贈収賄の罪で逮捕するため、検察官が三枝の屋敷に押しかけてくる。

<第53回>
 勇作が逮捕される。ひかるは保釈金を作るために取引先や知人を駆け回るが、思うようにいかない。
 疲れきったひかるに、猛が保釈金を差し出す。
 が、勇作の気持を考えると、ひかるは受け取るわけにはいかない。
 三枝の屋敷には債権者が押しかけ、金目のものは全て持ち出される。泣き崩れる静子を見て、ひかるは心を奮い立たせる。
 大河原の家のために、ひかるは土下座して、猛に保釈金を融通してもらう。
 そして、そのことは勇作に内密にする。
 まもなく、勇作は釈放される。ひかるに心から感謝するが、秀子から、保釈金を出したのが猛だと聞かされ・・・。

<第54回>
 保釈金のことで嘘をつかれた勇作は、ひかるがますます信じられなくなる。
 さらに、ひかるが猛の位牌をまだ大切にしまっているのを見て、激しい嫉妬にかられる。
 理性をなくした勇作は、ひかるをののしりながら、そばにいた友子を無理矢理犯してしまう。
 友子の異変に気づいた文彦は、勇作につかみかかる。勇作はまったく反省の色がなく、逆に文彦を殴り返す。居たたまれなくなった友子は、屋敷から飛び出す。
 ひかるは勇作の卑劣な行為を非難する。勇作はひかるのお腹の子の父親は猛だろうと暴れだし、それをやめさせようとしたひかるは、はずみで階段から転げ落ちる。

<第55回>
 勇作ともみ合い、階段から転落したひかるは流産する。ショックを受けたひかるは、大河原の家を出る。
 自責の念にかられた勇作は、猛に三枝屋敷の権利書を差し出す。
 猛は権利書を持って絹のもとへ駆けつける。そして、ひかると結婚したい、と打ち明ける。
 絹は屋敷には戻らないという。人としての心を失った猛を許せないと。
 ひかるは猛のもとへいく決心をする。
 そして、勇作に別れを告げる。全てを失くした勇作はひかるに謝罪し、ひかるの幸せを祈る。
 そこへ、ナイフを握った秀子がやってくる。猛に捨てられた秀子はひかるを道連れに死のうとする。

<第56回>
 猛に捨てられた秀子が、手首を切って自殺を図る。幸い命に別条はなかったが、ひかるは秀子を追いつめた猛を非難する。
 が、猛は全く良心の呵責を感じず、積年の恨みを果たし終えた喜びにひたる。ひかるは猛が昔とは別人になってしまったのを思い知らされ、絶望的な気持ちになる。
 その夜、ひかるは三枝の家に移った猛のために心づくしの夕食をこしらえる。猛はひかるの態度に納得のいかないものを感じながらも、幸せな気持ちに包まれる。
 深夜、安らかな寝息を立てて眠る猛の部屋に、ひかるは灯油を撒き始める。そして、マッチを取り出し、火をつける・・・・・・。

<第57回>
 猛に失望したひかるは、屋敷に火をつけて、猛と無理心中しようとする。間一髪で絹がひかるを止め、猛にも復讐の愚かさを説く。
 自分の間違いに気づいた猛は、号泣する。
 翌朝、猛は病室の秀子を見舞う。静子も勇作も猛を追い返そうとするが、秀子は喜ぶ。猛は秀子に改めてプロポーズする。
 ひかるは勇作のもとへ帰る。勇作は、ひかるがいれば何もいらない、と万感の思いをこめて、ひかるを抱きしめる。
 それからまもなく、秀子の退院の日がくる。手伝いに駆けつけたひかるに、秀子は、心の中で猛を思うのもやめてほしい、と鬼気迫る様子で、誓いを立てさせる。

<第58回>
 ひかるが勇作のもとに戻って1ヵ月。勇作は大河原商会の再建に励み、ひかるは静子の旅館を手伝っていた。
 猛は秀子と三枝の屋敷で新しい生活を始めていた。
 相変わらず自堕落な毎日を送る文彦の前に、友子が突然、現れる。文彦の子を妊娠したという。
 が、文彦はレイプ事件を引き合いに出し、勇作の子どもだと主張。嫌がる友子を連れて、勇作に慰謝料の請求に行く。
 勇作は自分の子どもだという証拠はないと突っぱねる。
 その日の話し合いは平行線に終わる。ひかるは友子が自分に何か言いたそうな表情をしたのが気にかかった。

<第59回>
 文彦が脅迫まがいのやり方で勇作に慰謝料を請求する。あくまでも友子のお腹の子の父親を勇作だと決めつけ、友子にもそう言い聞かせる。
 ひかるは勇作に言われて、絹に相談する。猛も心配して来てくれる。
 勇作と文彦の板ばさみになって苦しむひかるに、猛が必要な金を用立てると申し出る。
 ひかるは断るが、それを知った秀子は心穏やかでない。
 そんなとき、ひかるは静子から思いがけないことを言われる。友子の子どもを引き取りたいと。
 そして、ひかるが反対して家を出るなら、勇作と友子を一緒にさせてもいいという。

<第60回>
 友子の子を引き取りたいという静子に、ひかるは愕然とするが、勇作が友子との生活を望むなら自分は身を引いてもいいと考える。
 静子はひかるは猛とよりを戻すつもりなのではないかと邪推して、秀子に忠告する。ひかるは友子の本当の気持ちを確かめにいく。お腹の子は文彦の子だ、と泣きながら訴える友子。
 絹は自分勝手な文彦を責める。逆上した文彦は、絹を殴りつける。
 その夕方、友子が書き置きを残して姿を消す。
 秀子が友子を見つけて、三枝家の階段から友子を飛び降りさせようとする。ひかるが駆けつけ友子をかばい、猛もひかるの味方をする。


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