ヒロシマを遺した男~原爆資料館 誕生秘話~<Wナイト>
ヒロシマを遺した男~原爆資料館 誕生秘話~<Wナイト>
2014年8月13日(水)放送終了

放送内容詳細

広島市の原爆資料館(広島平和記念資料館)。ヒロシマの被爆の実相を伝える施設として国の内外に知られ、年間140万人もの人が訪れる世界でも数少ない「負の遺産」を展示する資料館である。しかし、この資料館がある1人の学者の信念によって生み出されたことを、今となっては知る人はほとんどいない。
昭和20年。当時、広島文理科大学(現・広島大学)で地質鉱物学を指導していた長岡省吾さん。原爆投下の翌日に広島市内に入り、護国神社で腰かけた石灯ろうの表面に、異常な高熱によって尖った無数の“トゲ”ができていることに驚く。石の専門家である彼は「特殊な爆弾だ」と直感し、毎日廃墟となった広島の町に通い、焼けただれた石や瓦、ビンなどをひたすら集めるようになった。やがて終戦後国が立ち上げた被爆調査団の地質学5人のメンバーに長岡さんも選ばれ、広島だけでなく長崎でも調査を行うようになり、個人的に拾い集めた石や瓦はいつの間にか膨大な量になっていた。
昭和24年、広島市は中央公民館に「原爆参考資料陳列室」を開設、長岡さんの収集品の展示をはじめた。しかし、焼け跡に多くのガレキがまだ残る時代、集めた「被爆資料」は人々の関心を呼ぶものではなかった。だが長岡さんはねばり強く「あの一瞬に何が起きたのか」を訪れた人に訴え続けた。
番組ではわずかな手がかりをもとに国内外に当時を知る人々を訪ね、原爆資料館を作った男の軌跡を追った。
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出演者

【ナレーター】
高橋克実