険しき“道”の彼方に~バンクーバーへ高橋大輔復活への450日
2009年12月20日(日)放送終了

放送内容詳細

 大輔は、それまで日本男子の第1人者だった本田武史の引退から、日本男子フィギュアスケート界を牽引してきた。トリノオリンピックでは力を発揮できなかった大輔だったが、自分の弱さを力に変え、全日本選手権を3連覇、2007年世界選手権では銀メダルを獲得し、バンクーバー五輪では金メダル獲得も、と目されていた。
 その大輔が練習中に靭帯断裂というという大怪我を負ったのは、昨年の10月31日のジャンプ練習中のことだった。オリンピックまで、約450日…大輔はこのシーズンを棒に振ることになってしまう。
 限られた時間。ライバルたちが着々と、オリンピックへの足固めをしている中、もう一度戦うために手術を決断。年末の全日本選手権では織田信成が復活。同じ時期に受けた手術は無事に終わり、その後は復活へのリハビリが延々と続く。ジャンプはもちろん氷に乗ることも、自由に膝を動かすことさえままならない日々。焦る。何度も止めたくなる。何度も逃げ出したくなる…。そんな中「スケートしたいです」「リアルに滑りたいです」と語る大輔は、何を糧にリハビリを耐え抜いたのであろうか。
 大輔は、普段は普通の青年である。二枚目ではない。かなり人間的である。
というよりも自分にも、他人にも正直な“いいヤツ”である。単純に、正直に「オリンピックにもう一度出たい」「金メダルほしい」ということだけだったのかもしれない。しかし、金メダルを取る、という一つの夢に、すべてを投げうって進めることが、我々がオリンピックを見て、何をも言えぬ感動を覚えてしまう理由なのではないだろうか。
 オリンピックまであと50日足らず。あの大舞台でもう一度、大輔の演技が見てみたい。イタリアの名作・フェリーニの“道”の曲を自身の怪我と重ね合わせ、高橋大輔はどんな演技を見せてくれるのだろうか。
 バンクーバー五輪に出場するには、12月25、26日の全日本選手権兼オリンピック最終選考会で、自らの手で切符を掴みとらなくてはならない。番組は、怪我直後から全日本選手権までの、高橋大輔が悩み、苦しみ、喜び、勇気を出して進んできた“道”のドキュメントである。
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スタッフ

■プロデューサー
 渡邊信治
 高橋伴文

■ディレクター
 木村英輔
 臼居貞夫(泉放送)

■制作
 フジテレビスポーツ局第二スポーツ部