『乳児性湿疹』 2005年4月21日

桜の咲くころなるとお花見の穏やかでやわらかな思い出と共に、苦い記憶がよみがえります。
一年前のちょうど今頃、私は、4ヶ月になった娘を連れて一ヶ月以上にわたって、色々な病院の皮膚科を回っていたのです。

娘が2ヶ月になる頃から、ほっぺにぶつぶつと赤い湿疹が出来てきました。
最初は小さかった湿疹がどんどんひどくなり、みるみるうちにほっぺ全体が真っ赤になってしまい、見ていて可哀相なくらいになってきたからです。
最初は周りの人にも「子供って、誰だってこれくらいの湿疹はできるよ!」「普通よ、普通!」と言われ、母にいたっては「胎児のときに母親からもらった毒素が、今どんどん外にでてきているのだから、仕方がないの!そのうちに治るよ。」と妙な説得力。
私は“毒素”を子供に与えていたの〜〜??そんなあ〜・・・
でも、その言葉を信じてほっておいたのですが、はじめて訪れた予防接種会場で、ほかの赤ちゃんを見るとほとんど赤ちゃんのほっぺはツルツル!!ではないですか!!
「なに?!ぜんぜん普通じゃないじゃない!」と思って、それから、私と娘の病院まわりがはじまったわけです。
心配したのは、アレルギーなのではないかということ。


最初に訪ねた病院。
「乳児性湿疹でしょうね。よく洗って、保湿をしてあげましょうね。」
洗顔石鹸と保湿クリーム(プロペト)を処方してもらいました。
「とにかく乾燥しているのがよくありません。」という言葉に敏感に反応した私は家の納戸から加湿器を引っ張り出し、ベビーベッドのそばに設置。
蒸しタオル作って、時々顔に覆い、蒸しタオルパックをしたり・・・と。
でも、一週間様子を見ても、変化なし。
悪化することはなくても、好転することはなかったのです。

ちょうどその頃、はじめて娘の顔を見にと、我が家にお祝いに来てくれるお客様も増え始める頃。
せっかくだったら、お肌つるつるの赤ちゃんを見て欲しいと気持ちばかりがあせり「明日こそ、ツルツルになりますように」と、毎晩祈るような気持ちで顔にクリームを塗り、朝起きればまず一番に肌の調子をチェックするという日々でした。
そして、またがっかり、の繰り返し。

よし、別の病院にいこう!
「乳児性湿疹ですかねえ。あと半年はつるつるお肌は期待できませんね。」
ときっぱり。
「え!!あと半年もこのまま我慢するしか方法はないのですか?そんな〜!あの〜、アトピーや、アレルギーということはないですか?」とびくびく。
「う〜ん、なんともいえませんね。まだ3ヶ月や4ヶ月という月齢では、検査もできませんから。とりあえず、保湿クリーム(アズノール)を出しておきます。」と。

直感として、「この医者はパス!!駄目だ!」
でも、一週間は言われたとおりにやってみよう。
結果、さらに悪化。

自分の娘の湿疹を治せる良い医者も探せないなんて、仕事柄、自分自身が許せない。
早速、知り合いのお医者さまや、友達、知人、ママ仲間などから情報収集。
乳児の皮膚トラブルはこの医者!というお医者様を見つけ、予約の電話を入れました。
さすがに、人気のお医者様!!
予約可能なのは2ヶ月後。

仕方ない!待とう!!

待ちに待った、先生の診察日。
診察室に入るなり娘が着ている服を見て
「ねえ、お母さん、これ着せすぎです!もう4ヶ月になるんだから、上下分かれているものを着せてください。暑いんですよ。それに靴下なんてはかせなくても!!」
と言って、娘から靴下をむしりとりました!!
「あなた大人のオムツはいたことありますか?ないでしょう!あれ、意外と暑いんですよ!赤ちゃんはオムツをはいているんだから、これだけでも暑いんですよ!」
「はあ〜、・・・・。オムツは、はいたことがないんですけど・・・」
この先生をよく見ると確かに老齢。とてもお元気そうに見えるけど、何かで入院したことでもあるのかなあ・・オムツはいたことあるんだろうなあ、こんな言い方するくらいだから。なんて考えると、白衣を着たその先生がオムツをした姿を想像して、妙にニヤリとしてしまったり・・・あ、いけない、いけない、ちゃんと娘のこと聞かなくっちゃ!

「あの〜」と質問をまとめておいたメモ用紙を取り出して、質問を始めると
「お母さんね、そんな細かいこと、メモにいちいち書かないほうがいいよ。ノイローゼになるよ。お母さん、この子をお風呂に入れるとき何度でいれるの?」
「お風呂ですか・・・え〜と。助産婦さんには、38〜40度くらいって言われたので・・」
「40度なんて、高すぎるの!36度でいいの。もしかして、長風呂させてないでしょうね。赤ちゃんは3分でいいの!3分で!」
「3分じゃ、身体があったまらないな・・・」と心のなかでひとりごと。
「もしかして、赤ちゃん用の全身シャンプーで、髪の毛まで洗っていないでしょうね?」
「洗ってます・・・」
「お母さん!自分は髪と身体を別々のシャンプーで洗うでしょ!?じゃ、子供もそうしてあげなさいよ。そんなに高いものではないんだから。」
しまいには、
「それから、お母さん、その髪型どうにかならないの?長いんだから、縛んなさいよ。首元でぴらぴら、ぴらぴらしていると、それが不潔なのよ!」
と私の髪型まで言及する始末。



店頭に並ぶ数々のローション

処方された塗り薬
とにかく、いろいろ、いろいろ、本題に入るまでの、長いこと!長いこと!!

結論をまとめると、娘の湿疹は、娘が生まれてからこれまでの私の娘にたいするケアーの仕方がいちいち間違っていたために発症したものであるということ。
服を着せすぎ、お風呂に入れすぎ、洗いかたが足りない!と。

先生は薬を処方してくださり、お勧めのベビー乳液・髪用シャンプーも教えてくれました。
薬は、顔にはヒルドイドソフト(保湿剤)とキンダベート軟膏(ステロイド)を50%ずつ混ぜたもの。
身体用には、ヒルドイドソフトとロコイド軟膏(ステロイド)を50%ずつ混ぜたもの。
ヒルドイドとステロイドを半分ずつ混ぜてしまうというのが、この先生の薬のポイント!
チューブ薬をポッイっと処方するのとは訳が違う!のです。
これが、たいした優れもの!!
魔法の薬のように、娘の湿疹を見る見るうちに消してしまうのです。

ステロイドはホルモン剤で副作用もあり、小さな子供に使うのは親としては勇気が必要ですが、正しい使い方をすれば、とてもありがたい薬です。
ステロイド系の抗炎症薬には5段階の薬があります。
l群が最も作用が強く、V群が最も弱いものです。
  1. デルモベート・ダイアコート等
  2. フルメタ・アンテベート・マイザー・ネリゾナ等
  3. リンデロンV・フルコート等
    (抗生剤配合)ベトノバールG・リンデロンVG
  4. アルメタ・ロコイド・キンダベート等
  5. プレドニゾロン等
もちろんそれぞれの症状にあわせて処方されるものですが、娘に対しては、かなり作用の弱いステロイドを処方して下さったのだということが、これでわかります。
以下、先生が教えてくれた“正しいスキンケアー”の方法です。
ポイントは、ステロイドだけを続けるのではこれをやめたときにまた症状が悪化しますが、このスキンケアーを毎日繰り返すことで初めて効果を発揮という点です。
あくまで娘の湿疹症状に対するケアーの方法なのですが、参考になる点もあると思いますので、ご紹介します。
ちょっと個性的な先生ですが、効果は抜群でした。


    週一回のスイミングはパパとの大切な時間

    水の中は大〜好き

    みんなでジャンプ!!
  1. とにかく顔はよく洗ってあげること
  2. お風呂は一日1回。36度位の温度で3分くらい。
  3. 身体と髪は別のシャンプーで洗うこと。
  4. 入浴後、全身のスキンケアー。ベビー乳液の量は、片方の手(脚)で、5円玉くらいの量を満遍なくのばしてあげること。全身に塗るのでかなりの量になります。
  5. 薬は湿疹のあるところのみに使います。まずベビー乳液を塗り、その上から薬を塗ること。
  6. 身体と顔は別の薬です。
  7. このスキンケアーは一日2回。
  8. 口周りは食事の度に、食事時以外でも、口の周りに何か付いたらその度に汚れをよくふき取ってあげて、その度にベビー乳液を塗ること。
  9. 服は、上下別々のものを着せましょう。基本は薄着に!
  10. 部屋は25度を保ちましょう。
一年たった今も、毎日このスキンケアーを怠らず続けており、おかげさまで娘の肌は年中つるつるです。

「子供の肌はぴちぴちで強い!」って思い込んでいるってことありませんか?
子供は何のお手入れもしなくても、モチ肌で羨ましいわ〜なんて発言は、単なるおばさん的発想だということをこの時つくづく思い知らされました。
調べてみると、生まれて3ヶ月までの新生児は母親のホルモンをまだ身体に蓄えているので、充分な量の皮脂が分泌されていて、肌もぴちぴちなのだとか。
しかし、その時期が過ぎると分泌量が減ってきて、肌は乾燥しはじめ、湿疹が出来始めるようです。
赤ちゃんの肌は、とても敏感で弱いのです。
このフレーズを使うと、なんだか赤ちゃん用ボディーソープの宣伝みたいなんですけど、本当なんですよ。これが。

ただ、今回私が体験したのは、アレルギーなどのトラブルのないケースです。
アトピーのお子さんをお持ちのママ達は、とても大変な思いをしていらっしゃると思います。
私が子供の肌について心配し始めたとき、アナウンス室の先輩ママ・松尾アナウンサーに相談しました。松尾さんは私の心配を自分のことのように考えて下さって、以下のようなメールを送ってくれました。
それが、とても参考になり、どれだけ心が落ち着いたかわからないくらいです。
彼女の許可を得て、そのメールをここに掲載します。
皆さんも、是非参考になさってください。

尚ちゃん
本当にお子さんのことは気になりますよね。
乳児性湿疹に関しては、相当に体験を積んだ私です。
そんな私の体験から得られた結論をいうと、
「湿疹は、時期がくれば治る」 です。
ですから、そこへいたるまでは、大雑把にいえば、どんな治療でも良いのだと思います。

単なる保湿剤を塗るだけでも、過度でなければステロイド剤を塗ってツルツルにしても、ホメオパシーを試しても、何もせずに時期を待っても、尚ちゃんが納得するものが良い治療法だと思います。
ちなみに娘は、漢方薬でとても改善しました。
それぞれにプラスとマイナスがありますので、 状態を見ながら選ぶのが良いと思います。

私なりに言うと・・・・
  1. 保湿剤のみぬる ・・・ これでおさまる湿疹もあるが、そうでない場合は、赤い発疹が出た状態が続く可能性がある
  2. ステロイド剤を塗る ・・・ ツルツルになりますが、使い続けると紫外線に当たると色が黒くなる。だんだんと強いものでないと効かなくなるなどの副作用があります。
  3. ホメオパシーを試す ・・・効果が顕著に出る場合と、そうでない場合があります。また、代々木にセンターがるので、そこへ行く必要があります。
  4. 何もしない ・・・   発疹がひどくなっても、親子で「平気でいる」忍耐力が必要。でも、最も自然ではあります。
  5. 漢方薬を試す・・・せんじ薬が苦いけど、小さい頃なら水分として飲んでしまいます。ただ漢方も薬なので、子供の内臓の状態を考えると、半年くらいでやめたほうが良いようです。 娘は8ヶ月の時、漢方でアトピーの症状が格段によくなりました。

子供の肌の不調は、親の私の心理的な負担になっていたと思います。
本を読んだり、情報を聞き回ったりしましたが、最も良かったのは、その方法を試すことで、「家族みんなの健康を考えるようになった」(掃除をまめにしたり、浄水器を新しくしたり、洗剤を変えたりなどなど)「自然に治る力を大切にする生活になった」ということでしょうか。
子供の肌は、時期がきたら必ずよくなるものなので、息子がたまにひどくなっても、「あれ?どうしたのかな?」くらいで、今の私はまったく平気なんですよ。

一番よいのは、娘さんがある程度楽になる方法をとって、尚ちゃんが「いずれ治るんだわ」と、ゆったり構えることだと思います。

いつでも大丈夫ですよ。 また相談してください。
紀子


先輩というのは、ありがたいものです。
なんでも相談できる人がそばにいてくれるというだけで育児は何倍も楽になります。

人生の中で、何度もは経験できない育児だからこそ出来るだけ、深く悩まず、楽しく、驚きも喜びに変えて、頑張って行きたいものですね。