ブルーハーツを思い出せ(2008.12.17)

落語は、人間の色、金、欲をうまく衝いていて、
苦しい年の瀬も思わず、笑ってしまって何とか年を越せそうだ。
越せば穏やかな正月。不況だから、バカ騒ぎはしないで、
歌留多取りの声が聞こえてくるかもしれない。

和歌は、上の句と下の句があるから、遊びが成立する。言葉遊びもある。
落語では、なんにでも当て嵌まる便利な下の句があると教える。
試しにどうぞ。
天智天皇ども持統天皇でも紫式部でも蝉丸でも小野小町でも、
どの上の句をもってきてもピタリと来る言葉、
そう、「それにつけても金の欲しさよ」。

こんなことになるとは、思わなかった。
誰もがそんな思いの金融ショックで暮れる今年だが、
この科白、経営者の口からは聴きたくない。
こんなこと、そんなこと、あんなことを予測しながら
舵取りをするのが経営者の仕事でしょと。

百年に一度だろうと5年に一度だろうと、
能天気なリーダーのお陰で路頭に迷うのは、いつの世も下の者、弱い者ばかり。
上の方は、一昨年、辞めたアメリカ金融大手のトップが、
日本円にして30億、45億という賞与を手にしたというのがいい例で、
日本にも食い逃げのようなのが多い。

なんだこの激しいダウンはと、賞与明細を見て目眩がしたが、
同僚は「もっとたいへんな人もいるよ」と下を見ようとする。
冗談じゃない、下を見て比較するから
マイナスのスパイラルに陥るということがわからないのか。
弱い者が夕暮れ、さらに弱い者を叩くと
歌ったブルーハーツを思い出せっての。

上の責任、経営者、リーダーこそ痛みを感じるべきだろう。
世界のトヨタが役員賞与ゼロを検討中と。実現すれば大英断だ。
労使協調がうまく言っているといわれるトヨタの組合も経営側に対して、
強力に賃上げ要求をしている。苦境にあっても活力溢れる会社の見本だろう。

わたくしは、ラジオ・テレビ通じて31年のアナウンサー生活、
葉書をくれる中小、零細の経営者、スポンサー企業、
業態も規模も地域もちがう様々な会社と付き合ってきた。
自ら所属する会社も、一ラジオ局ながら、
業界をリードしつづけたニッポン放送の輝かしい時代と、
怪物・ホリエモンに襲われ、狼狽した時代を体験した。

絶好調企業も、冬晴れの青空に飛ばした紙飛行機のように、
落ち始めたら急激にストンってのは珍しくない。
では、急降下は、予測不可能か。そんなことはない。
下の者の言うことに、偶にでいいから耳を傾ければいいだけのこと。

77年間も世界の自動車、最大手として君臨しつづけたGMのCEOは、
「失敗を犯した」と上院公聴会で初めて非を認めた。
時、既に遅し。もう、そろそろ丸3年になるが、
年の初めに元取締役が「GMはもはや危機的状況、即刻、善処を」と大声で語った。
経済の専門家は「3年前なら立て直す資金も時間もあったが今となっては。
誰の責任か。経営陣だろう」と厳しく指摘している。

耳を貸さない独裁、どこの組織にも企業にも居る。ジョンイルと呼ばれる奴が。
また、トップはジョンイルでなくとも、たちの悪いミニジョンイルがいる。
こ奴を重用する経営者がいると、その会社はゆっくり腐る。気がついたらボロボロ。

キムジョンイル、まっこといい名で、正式には金正日。
金が正しく配られる日が、この金融危機をきかっけに訪れることを願いマンセー!