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今回のアナルームニュースは、現在めざましスポーツを担当している奥寺健アナ。これまでいろいろなスポーツを取材している彼にとっても、2000年のシドニーオリンピックは特別なものだったようです。最前線で取材した彼の目には、この世紀末のオリンピックはどんな風に映ったんでしょうか? |
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2000年もあとわずか。皆さんは今年どんなことが思い出に残っていますか。 めざましスポーツを担当する私にとって、シドニーオリンピックの思い出は非常に大きなウェイトを占めるものです。 私は、オリンピックをはじめとする種々の国際大会の取材が大好きです。 それぞれの国、選手によって、大会に参加するスタンスは様々ですが、全てに共通するのは、(当たり前ですが)その一瞬にベストを尽くして頑張る気持ちだと思います。 野球の日本代表チームの一員として戦ったプロ野球選手達も、オリンピックの舞台の素晴らしさを感じていたようでしたよね。 |
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| 私が観た中で特に印象的だったのは、サッカー予選リーグ初戦「日本対南アフリカ」でした。 この試合が行われたのは9月14日(木)。開会式の行われる15日(金)に先立って行われ、しかも全種目を通して日本最初のゲームだっただけに、非常に注目されました。 私も試合開始時間より何時間も前から競技場に詰め、取材のためあちらこちらに気を配り、スタンド内外を歩き回っていました。 そして、例えばフランスワールド杯がそうであったように、日本12人目のプレイヤーであるサポーター達がスタンドをやがて埋めつくし、ブルーのシャツとあの歌声でスタンドを一色に染めて行く光景をイメージしていました。 |
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| ところが、現実は予想と大きくかけ離れていたのです。 | ||
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| 試合開始が近づいてもスタンドは空席だらけ。 そしてサポーター達も、テーマパークにでも繰り出した時のようなリラックスムード・・・。 |
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サッカー好きのあなたは 「そりゃそうだよ。出場選手の大部分が23歳以下に限定されるのがオリンピック代表、最強のフル代表が威信をかけて戦うワールド杯は格が違うんだから。」 と言うかもしれません。 しかし、それを差し引いても、尚、納得がいかないこのローテンション。 |
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でも、スタンド内を見渡すと、めずらしいものに気づきました。 メインスタンドの一番広い通路脇で、なんと、室内楽のライヴが始まっているのです。 戦いの場となるスタジアムの中で優雅に弦楽四重奏なんて! 演奏者達は地元オーストラリアチームのユニフォームを着ており、使われている譜面台の支柱はサッカーボールの形をした飾り付けが施されるなど、演出もかわいらしい発想で、こちらはまるでディズニーランドにでもやって来たよう。 ああ、こういう演出も「あり」か・・・。 |
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さらに、取材で私が話しかけたサポーターの大半はオーストラリア国内に住んだり長期滞在している日本人でした。 彼らにすれば、母国の選手達を迎えられる「ホスト」としての喜びでいっぱいなのだそうです。 そんな中で始まった「日本対南アフリカ」。 試合中100人〜300人程度にそれぞれかたまって陣取った日本サポーターの歓声がスタジアムに響き渡ったのは言うまでもありませんが、ああ、こういう形の真剣勝負も「あり」なのだなあ・・・。と思ったのは私だけではなかったと思います。 オリンピックならではの良さの一つに気づき、とても得をした気分になりました。 |
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現地では、オーストラリアのテレビもよく見ました。 オーストラリアでは、「チャンネル7」という局が一日中競技の独占放送をしていて、様々な競技について、中継をしたり、時間が重なるものなどについて録画放送をしたりしていました。 最初は、「日本の試合も放送されるかなあ」などと呑気な事を考えて見ていましたが、やがて、こちらが考えているような競技の放送は全く期待できない事が推測できました。 日本では、サッカー、野球、柔道、水泳、陸上、体操などが特に注目されますが、それらは全体からすればほんの一部に過ぎません。 オーストラリアでも同様の事が言えるわけで、ただその競技は日本とはかなり異なります。 私が観ていた範囲では、オーストラリアでよく放送されていたのは、水泳、体操、自転車、射撃、馬術、ボート、トライアスロン、といったところでしょうか。 ですから、日本とオーストラリアのテレビ放送の内容を比べるだけでも、オリンピックの印象は随分違うのです。 |
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「チャンネル7」ではスタジオに選手を呼んで、かなりじっくりと対談をしていました。 選手達も誠意を持って話していましたし(ただ、英語のため意味はあまり分かりませんでしたが)、話の中味も競技のことから、選手の生い立ちや生活面についてなど非常に幅広く触れていたようでした。 選手がとても魅力的に見えたし、テレビに関わる人間としてとても勉強にもなりました。 とりわけ人気者だったのは、競泳男子で世界記録を連発したイアン・ソープ選手。 オーストラリアでは間違いなく彼こそがナンバーワンのヒーローです。 対談番組のほか、コマーシャルやポスターなど至る所でイアン・ソープ選手は起用され、それはもう、大フィーバー! |
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| というのも、国技はサーフィンというオーストラリア、もともと「泳ぐ」競技自体に絶大なる人気があるのです。 ですから、競泳の会場の熱狂さは、他の競技と比べ群を抜いていました。 先ほど述べたサッカーの会場とはまるで雰囲気が違うのです。 増築を重ねたスタンドは常に観衆で埋め尽くされ、選手達に贈られる声援は次々に押し寄せる波のようで切れ目がほとんどなく、観客達のスタミナは無尽蔵にあるよう。 しかもその声援は、国を問わず素晴らしい結果を納めた選手に惜しみなく贈られていました。 |
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アナウンサーとして中立を守るために言うのではありませんが、私は、どちらの競技も、会場の雰囲気も素晴らしいと思いました。 そして、どんなに人気のある競技も、環境が変われば決してそうではないし、また(仕事の性質上、観客の少ない競技を見る機会には恵まれませんでしたが)、自分の注目していないところでも息詰まる戦いが繰り広げられています。 私の観たオリンピックは、あくまで私だけのものであり、別の人の観たオリンピックはまた別のもの。 決して全てを観る事も出来ないし、しなくてももちろん楽しめます。 そこで行われているのは選手個人の真剣勝負。 オリンピックのいいところは、チーム競技も含め「個人」が輝くことができるところだと思いました。 同時に、国の勝ち負けは、ここでは最終的にそれほど重要な事ではないのだとも思いました。 だから、オリンピックの取材はとても、とても魅力的なのです。 入社以来これまで、アトランタ、長野、そしてシドニーと取材する機会に恵まれ、放送上は表現できなかった私の「感想」を、この場を借りて初めて目一杯表現させて頂きました。どうも! |
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非常に誠実な仕事ぶりに定評がある奥寺アナらしい文章ですよね。本当にこういうことって、感じてはいても放送でお伝えする機会はなかなかありません。現場で取材をすることの多い奥寺アナは、きっとまだまだ感じていることが沢山あるんだと思います。「この試合、実際はどんな雰囲気だったの?」・・・など、質問があったら、ぜひアナルームニュースにメールをください。もしかしたら、奥寺アナがあなたの質問に答えてくれるかも!? |