『フランスで見つけたエコ~その2~』 2008年09月01日

フランスの郊外を巡っていたら、まるで絵本から切り取ったような、小さくて可愛らしい町に幾つかめぐり合いました。細部にまで手入れが行き届き、情緒もあり、素晴らしい街並みに思わず“おとぎの国”へ来たような感覚に襲われました。



仏で見つけた茅葺き屋根の家
そんな一画で発見!フランスで藁葺き屋根の家!
私は勝手に“日本独自の文化”だと信じていただけに心底驚きました。しかし待てよ。昔読んだ、欧州童話「三匹の子ブタ」の中で藁葺き屋根が狼に吹き飛ばされちゃうシーンが出てきたような・・・。なぁんだ、昔から藁葺きの家はヨーロッパにあったってことですね。
しかし、それを今再現!となれば、これぞ完全にエコを意識した行動♪
木で杭組を形作り、レンガで外壁を固め、藁で葺いた屋根の家を建てる。これぞまさにブー、フー、ウーの家の三要素。合体ですね!鬼に金棒!笑・・・
冗談はさておき、藁葺き・萱葺き屋根の家は最近EUで流行っているそうで、特にフランスでは、藁葺き屋根の家は毎年倍に増えているとか。昔の家には、理にかなう何かがあるのでしょうね。それと、都会から地方への移住者が増えていることも大きく関係しているみたいでした。
まー、とにかく驚きました。


ここにも
 
映画「アメリ」の舞台となっているモンマルトルの丘でも発見。行交う人と比べても結構大きいでしょ?
地方を巡り首都・パリに着くと、やっぱりパリは大都会だなー、と優美な街並みに見とれていたら、あら? 何やら見たことのない怪しい物体を発見!
街角に突然ニョキッと生えている、人の背丈程もある緑色の怪獣!何これは!?
そこには「空きガラスをここに入れて下さい。ただし、周辺住民の騒音を考慮し22時から7時まではビンを捨てないで下さい。“パリを美しく”」の文言が。どうやら「空きビン回収BOX」のようです。ホッと一安心。
以前フジテレビ・パリ支局員だったことのある阿部知代アナに聞いてみたところ、パリではビン類は日本の郵便ポストの様にこの緑色の回収BOXに自分で入れに行くのだそうです。処変われば・・・ですね。


駅構内のゴミ箱も分別
日本でもゴミの分別は家庭から始まり、職場、学校、コンビニなどいたるところで行われていますが、これはフランスも同じでした。
駅構内でも、“リサイクルにまわせる資源ゴミ”と“そうでないもの”に分けるようになっていました。

更に街中に珍しいものを発見!

レンタル自転車


これが自動受付機。
お金を払います。
あの〜・・・自転車のどこが珍しいの?と思われるでしょうが、地下鉄の駅から地上に出た所に停めてあるこれらは、全てが「レンタル自転車」。ね、日本では避暑地等でしか見たことないでしょ。そうと分かれば乗ってみたいですよね〜。調べました。

この「Velib’(ヴェリブ)」という名のレンタル自転車システム。実は開始前から相当話題になっていたようですが、満を持して去年の7月にスタート。その時点では750箇所のセルフサービス・レンタル駐輪場&10,600台の自転車を設け始まりました。
さてはて、どういうシステムなのか。

まず、払い戻しされる手付け金として150ユーロを払い、その上で1日券=1ユーロ、1週間券=5ユーロ、年間券=29ユーロのどれかを購入。その他に毎回使用料がかかりますが、最初の30分は無料。その後30分毎に1ユーロ程、追加されます。
実際に利用するには、どこかの駐輪場から自転車をピックアップして、パリ内の他の駐輪場でそれを返すことが可能。いわゆるレンタカーと同じシステムで「乗り捨て」ですね。評判も上々で、制度開始から1年で自転車は20,600台、駐輪場も1,451箇所にほぼ倍増し、利用説明書も世界8ヶ国語で訳されるほどに拡大したそうです。


小泉支局長と
これによって、当初の目的だった「騒音と汚染の減少」のみならず、交通がスムーズになり、路上駐車の減少という副産物も生まれ、得ばかり!しかも自転車に乗ると安上がりな上、エコで健康にも良く、車や地下鉄よりも早く目的地に着ける時もあるようで、素晴らしい成果を挙げているそうです。

色も、見た目も決して格好のよい自転車ではありませんが、街中をビュンビュン走る姿を見て、「これに乗りたい!」と、私、異様にそそられてしまいました。
しかも、旅に出たら地図を片手に自分の足で歩くのが「一番地理が頭に入る」という想いと、ショッピング街が7時に閉まってから日没まで(パリの夜は陽が暮れるのが遅く、7月初旬でPM11時頃!)の時間の過ごし方としては、サイクリングはもってこいだと思ったからです。しかし!
「ツーリストは交通ルールがわかっていないから、あまり安全面からオススメできない」と、ネイティブの小泉陽一パリ支局長の弁。
そうですよね・・・。ここは安全牌を採り、ご助言通り今回は諦めることにしました。

後からわかったデータですが、市の公約で、現在では731kmにも及ぶ自転車専用レーンが出来、事故件数は増えていないという優等生ぶりを発揮しているようです。
次回パリに行ったら、是非とも利用してみたい“足”です。

モネの「睡蓮」でおなじみ、ジベルニーのモネ邸宅庭。絵、そのものですよね。美しい所でした。
自分の目で見て、感じて、“知る”って素晴らしいことですね。今回の旅で、地球上の行ったことのない所に貪欲に行かねば、折角の人生もったいないことをしているような気がしてしまいました。しかも“エコ”というレンズを付けて見ると、思ってもないような面白い物に出会えるんですよね。国内も含めて、行ける時に多くの所へ行っておこーっと。
仏がEU議長国となった記念に、2ヶ月限定で、EU旗をモチーフにした“12個の☆+青色のライトアップ”でイルミネーション。23時には白い発光がちりばめられ、美しさ倍増。まるで宝石箱をひっくり返した様でした・・・うっとり♪