アナマガ

どちらかというと シッカリ書きたい人のためのコーナー 10年以上の渡り、続いてきたアナルームニュースの中で 好例の連載企画を「コラム」という形で集めました。 個性あふれるラインアップ!ブログとはひと味違う魅力をお楽しみください!

アナルームニュース 2009年03月10日号

田代優美アナの旅する季節 part.2

編集員 コイケサン【編集員 コイケサン】
どうも!今回からフジテレビアナウンス室の電脳班のメンバーになったラーメン好きのコイケサンと申します♪ 今後ちょこちょこ登場すると思います。皆様どうぞよろしくお願いしま~す。
さて今回のアナルームニュースは、一人旅と冒険をこよなく愛する田代優美アナウンサー、人呼んで「女・カワグ○ヒロシ」がゆく!命知らずの心臓バクバク大冒険inバンコクです!! 当然ですが彼女、誰にも強制させていません。自ら好んで体験してきたんです!スゴ過ぎる~。さあそれでは、皆さんも(他局ですが)あの探検番組の音楽をアタマの中でリフレインさせながら手に汗握ってご覧くださいませ~♪

膝枕 お正月休みに、バンコクに行ってきました。
今までは、カレンダーとは少しずらして休むことが多かったのですが、
今年はほぼカレンダー通りに休みを頂くことになり、お正月期間のツアー料金の高さにまずビックリ。
オフシーズンの三倍近くするんですね。なので、空いているツアーの中で一番安いものを選び、
二泊四日、安・近・短のバンコク行きとなりました。

当初は特に目的もなく、アユタヤの遺跡を見て、街で、エステとマッサージ三昧、くらいに思っていたのですが、出発が迫ってきた頃にちょっと調べると、「バンコク発・虎寺オプショナルツアー」というものを発見。

その名の通り、虎を放し飼いにして育てているお寺なんです。
赤ちゃんの頃から育てて、血抜きした鶏肉などで、血の味を覚えさせない為、人に慣れていて、襲ったりしないのだそうです。旅行好きで、旅番組系は片っ端から見ている私は、何度かテレビで見たことがあり、もっと山奥にあるのかと思っていたのですが、日帰りで行けるのなら、行かない手はありません。

バス

さっそく現地旅行会社に問い合わせメールを送ったものの、どこの会社からも 「お正月で休みです」との答えだったので、仕方なく、自力で、地元ローカルバスに乗って行くことにしました。
虎寺は、カンチャナブリという、「戦場に架ける橋」の舞台になった町の郊外にあります。
ホテル前からタクシーにのって、南バスターミナルに向かい、係員らしき人に 「カンチャナブリ!」「カンチャナブリ!」と連呼して、「あっち、あっち」と指差されたバスに乗り込みます。
二時間半のバスの旅なんですが、古い観光バスのような車体でお世辞にも座り心地は良くありません。

インターネットで、「バスは15分おきにバンバン出ている」という情報を得ていたのに、なかなか出発せず、「満席になるまで出発しないのかなぁ?」と心配していると、30分以上経ったところでガラガラのバスはようやく出発。 見回すと、外国人旅行客は皆無で、私以外は全員地元の方のよう。
「こういう、路線バスの旅もいいなぁ」とテンションが上がる私。
ただ、道中一つだけ心配だったのはトイレです。
日頃から、国内の「格安温泉バスツアー」などにはしょっちゅう参加していますが、 ツアーバスは、適当な所できちんと「トイレ休憩」をとってもらえて安心です。
が、ローカルの路線バスでは、休憩は一切ありません。
水分を控えるのはもちろん、膀胱に活動休止してもらうには寝るのが一番と目を閉じました。

誰かに腕を叩かれて目を覚ますと、バスはいつの間にやら、通勤ラッシュの山手線もビックリの超満員。
車掌さんが怖い顔をして、隣の席に置いた荷物をどかせと怒ってる。
す、すみません、こんなに混むと思わなかったもので・・。
カバンを網棚に上げ、もう一度寝ようと試みるも、冷房が壊れた車内は暑くて暑くて、寒がりの私でも寝られそうにない。出発して2時間、なんだかトイレに行きたくなってきました・・。
最悪の場合は、一旦降りて、次のバスに乗ればいいやと思っていましたが、この超満員バスに立って乗るのは辛いので、とにかくガマン・・。暑い・・。水は飲めない・・。何とか眠ってごまかそうと羊を数える私・・。
眠れない・・。 目の前で体を斜めに立っているお姉さんは、眉間にシワ寄せて怖い顔。

2時間から2時間半で到着のはずなのに、出発して3時間経つても一向に到着しない・・。
「行き先は終点のはずなんだけどなぁ・・、乗り過ごしちゃったのかなぁ?」 不安にさいなまれ、「カンチャナブリ?(は まだ先ですか?)」と、必死に身振り手振りで周りの乗客に聞いてみても全く通じません。
こうなったら行き着くところまで、と心を決めた頃、出発から3時間半後に無事カンチャナブリに到着。
時計を見ると15時半 。

虎寺で虎と戯れることができるのは、13時から16時。間に合うかなぁ・・。
タクシー飛ばせばギリギリかなぁ・・。
バスを降りてひとまずトイレにダッシュしてから、ツーリストポリスの交番があったので、虎寺に行くためのタクシー乗り場を尋ねると、「タイガーテンプル?you、トゥー レイトだよ。もうクローズだよ。明日の朝行けばいいさ」とのツレないお返事。

―― 明日の朝って、この町に泊まれってことっすか?
バンコクの超高層ホテルに部屋取ってるんすよ・・、と心の中でやさぐれる私。
「でも、タクシー跳ばせば、何とか間に合うのでは?」と食い下がってみるも、まるで振り付けを合わせたかのように、「無理無理」と、揃って首と手を大きく左右に 振る5人のポリスマン。これ以上逆らうとタイホされそうなので、あきらめました・・。
バスターミナルのベンチに座って、茫然自失になりながら、どうしようか考えること5分。結果は~?
「よし、決定!今日はこのままバンコクにとんぼ帰りして、また明日、もう一度来まっす!」
―― マジっすか?片道3時間半っすよ!
明日また来るんすか?アユタヤ遺跡は?と、やさぐれるもう一人の自分が悲鳴を 上げるも、「いいんです!アユタヤはいつか誰かと来ればいいけど、トラはそのうち触れなくなるという噂もありますから」 となだめ、その日はそのまま、バスでバンコクに戻りましたとさ・・。
トホホ・・。 ちなみに、移動距離約200キロのこのバスの旅、バス代は78バーツ、300円弱です。 安っ!

バス


チチチチチ・・(鳥の鳴き声)。~そして、翌朝。
昨日より2時間早起きし、78階にあるホテルのレストランでの絶景朝食ビュッフェを楽しむ時間を30分短縮し、昨日と全く同じ行程をたどり、13時半に無事カンチャナブリバスターミナルに到着。
ツーリストポリスにタクシーを紹介してもらう。ポリス公認なら、安心でしょう。
多少ボラれるくらいは、日本人旅行者である以上、甘んじて受け入れますが、女一人旅、身の危険だけは避けないとシャレになりません。タクシーと言っても、軽トラックの荷台に座席が取り付けてある相乗りタクシー。
それを値段交渉して、虎寺までの往復3000円で半日貸切ることに。

膝枕 促されるままに、荷台でなく助手席に座ると、そのタクシーの運転手のおじさんが、 トヨタカローラ(日本車)の写真を見せながら、私には理解不能なタイ語でしきりに何か言ってくる。
私はここで、日本車を売りつけられるのだろうか・・?
いくら安くても、持ち帰れませんし・・。しきりに断っていると、どうやら、 この軽トラックより、日本車のほうが乗り心地がいいから、家に寄って乗り換えよう、とのことらしい。
ポリス公認だから、誘拐される心配もないでしょう、と、OKして、運転手さんのお宅にお寄りして、奥様からミネラルウォーターとお菓子まで頂いてからカローラ(日本車)に乗換え、虎寺へ。

このドライバーさんが本当に親切で、チケット売り場から何から案内してくれるし、待ち合わせ時間に遅れると追加料金取る運転手さんも多い中、ゆっくり見てきていいよと言ってくれるしで、助かりました。

虎寺の入り口には、入場料300バーツ(約900円)の表示と共に、英語の説明書きの看板があり、 読んでみると「今まで、このタイガーテンプルで、虎に噛まれるなどの事故は一切起きておりません」とのこと。
信じるしかありません。
そして、入場の際、一枚の紙を渡されます。
読んでみると、「万が一、何か事故が起きても、一切の責任を虎寺に問いません」とのこと。
サインするしかありません。
いつもは加入しない、海外旅行障害保険に入っておいて本当に良かった・・。

お寺の広い敷地内には、水牛や、イノシシ、鹿などがのんびり歩いていましたが、 ひとまず彼らには目もくれず、お目当ての「虎」様に向かってまっしぐらに 半ばダッシュ。
ここまで来て、 「はい、時間切れです。今日の虎との触れ合いタイムは終わりました~」なんてことになっては目も当てられません。 「タイガーキャニオン(虎の谷)」と書かれた看板の矢印に従い、谷を下って行くと・・・、そこには・・・、10頭近い虎がそこここにゴロゴロと寝そべっています。
そこに欧米人の観光客が行列を作っていて、ボランティアスタッフに順番に導かれ、虎を撫でたり、さすったりしながら写真を撮るのです。 スタッフの説明によると、「追加料金1000バーツ(3000円)を払うと、 スペシャルフォトを撮ってもらえる」とのこと。 「撮ります、撮ります」と1000バーツ支払う私。
何がどうスペシャルなのかは不明ですが、せっかくですから。

オーストラリア人家族に続いて、私のスペシャルフォト撮影の順番に。
スタッフに手を引かれ、虎に背後から近づきます。
大きな虎を間近にして、急に恐怖心に襲われますが、黒いTシャツを着ていることだし、大丈夫、と自分に言い聞かせます。(赤やオレンジの服は虎を刺激するので着用不可と、お寺の案内書に書いてあるのです。)


膝枕 虎の後ろに座れと指示されるので、しゃがみこむと、地面に腰をべったり下ろして座れ、とのこと。
言われるままにべったり座ると・・・、スタッフが、寝転んでいる虎の頭を持ち上げて、私の膝の上にドサッと乗せるではないですか?
「な、なんてことするんですか?!」と驚いて、「重いから、この猛獣の頭を、とっととどかして!」と目で訴えると、笑い出すスタッフ。
3000円払って、罰ゲームを受けている気分・・。
心臓バクバクです。


腕枕 虎との膝枕ショットの撮影が終わると、またスタッフに手を引かれ、おなかを丸出しにして昼寝をしている虎の前に連れていかれます。 無防備な寝姿は、大きな猫と思えなくもないけれど、その大きさはやはり猛獣の迫力。そして今度は、その猛獣の目の前に寝転がれと指示されます。 や、やりますとも・・。
虎の左前脚の上に頭を乗せて、抱き抱えられるように、
腕枕のポーズ
昼寝中のこの虎が急に目覚めて、背後から首筋を甘噛みされようものなら、私の頭は転がり落ちそうですが、大丈夫でしょうか?虎の熱い体温が、背中から伝わってきます。


癒されそうな暖かさとやわらかさ・・、ではあるのですが、相手は虎ですから。
「写真、撮れました?撮れてます?撮れてるなら、もういいです」と、 腕枕も早々に切り上げました。
立ち上がると、脚がガクガク震えていました。 だって私、実は普段、怖くて犬も触れないんですもの・・。
この、膝枕、腕枕写真のセットがスペシャルフォトのようで、続きまして、通常フォトの撮影。


3頭のトラと 3頭の虎の後ろに回って写真を撮るんですが、罰ゲームを終えた今となっては余裕が生まれ、言われなくても自分から虎の背中を撫でてしまいました。 虎の毛の感触は、やわらかくって、猫っ毛でしたよ。
3年前に四川省で撫でたパンダの毛のほうが、ゴワゴワしていて剛毛でした(旅する季節 part1を見て下さいネ)。
写真の出来は、大満足、インパクト負け知らず?のショットが撮れました! 来年は寅年ですから、年賀状の写真にも使えそうです。

良かったら、虎寺で虎と添い寝してみてはいかがでしょうか?

編集員 コイケサン【編集員 コイケサン】
ふう~。よかったよかった何事もなくて。
それにしても田代アナ、アユタヤを袖にしてもトラを選ぶとは・・・。しかも不便なバスの道のりでの連日のチャレンジ。さすがですねえ。そういえば田代アナ、なんとお台場のフジテレビまで自転車でくることもあるとか!お台場付近の強風は並大抵ではないのですが。 旅だけでなく実生活までカワグ○氏を地で行く田代さん、これからは「隊長」と呼ばせてください! 隊長、次回の報告も待ってま~す。