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Vol.68

CLAMP TALK


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CLAMP TALK :THE ASS BABOONS OF VENUS



中居=中居正広
野沢=野沢雅子
ボブ=ボブ・リンプ

野沢:
なんかチョコチョコ出稼ぎに来てるから。だから、そんな感じしないんだけど、もう6年なんですよ。

中居:
6年前。

野沢:
早いですよね。

中居:
でも、勇気いりませんでした?

野沢:
いや、勇気っていうか、考えてからもう半年経たないでぐらいで行っちゃったから。もう、べつになんか。

中居:
え?思い立ってすぐ?

野沢:
思い立ってわりと。「行くかな」みたいなことにして。

中居:
でも、こっちでお仕事もなさってるわけですし。

野沢:
うん。なさってたんですよね、それがね。

中居:
ね。いろんなね、レギュラー番組もちろん持ってましたし。

野沢:
持ってたんですよね。メチャメチャ迷惑かけてね、人に。で、辞めちゃって。

中居:
でも、「行こう!!」って?でも、最初は漠然と「あ、行こっかな」と思ったぐら いの軽い気持ちだったんでしょうね。

野沢:
まあ、そうですね。とりあえずまあ、世界に進出しなきゃなって思ってちょっと。

中居:
でも、絶対それってすごいね、勇気のいることですし。

野沢:
まあねー。

中居:
簡単にニューヨークで何かやるっつっても、あっちの状況がわからないわけですもんね?

野沢:
けっこうね。その「行く」って決めた時点で、ハッと気が付いたらニューヨーク行ったことがなかったんですよ。

中居:
一度もなかったんですか?

野沢:
一度もなかったんですよ。で、それはちょっとマズいなと思って、一応なんかお正月に休みもらって、一週間ぐらいちゃん下見に行ったんですけど、「ま、これだったら大丈夫かな」みたいな。

中居:
それがまた、なぜニューヨークですかね?

野沢:
いや、べつにどこでもよかったんですけど、本当に。ただ外国行こうと思ってて。

中居:
それはロスでも、ヨーロッパ系でもぜんぜんかまわないで?

野沢:
その時たまたま友達が「ちょっとニューヨークで洋服屋ひらくんだー」とか言って。それでなんか「じゃあニューヨークでいいかな」って。だから、友達がもしその時ぜんぜん違うとこだったら、ぜんぜん違うとこ行ってたかもしれないけどね。

中居:
それはもちろんね、旦那さんとも会ってなかったでしょうね。

野沢:
そうですよね。もし違うとこ行ってたらね。

中居:
ね。

ボブ:
……………?

野沢:
あ、わかってないんだよ。ちょっと可哀想。

ボブ:
ワカラナイ。デモ、面白イ。

野沢:
今、真面目なとこだったんだから、今。ぜんぜん。

中居:
まあ、面白い話はしてないんですけど。

野沢:
まあ、いいの、いいの。放っといて。

中居:
へぇー。それでニューヨーク。でも、最初あっちでは収入ないですよね?最初の 頃っていうのはもちろん。

野沢:
今もないんですけどね。お金ないんだー!えぇと、えぇと、えぇと、1カメ!?お金ないんだ!!今も収入ないんですけどね。

中居:
え?今あっちで何を?本職何ですか?あっちでの本職は。

野沢:
いちおう二人でバンドやってんですけど、ぜんぜん売れてなくて。あと、レコードレーベルもやってんですよ、二人で。で、それで7インチのレコードとか作ってんですけど、ぜんぜん売れてなくて。もう、貧乏ですよ、もう本当に。ね?

ボブ:
靴下ガナイ。

野沢:
靴下もなくて。

ボブ:
オ金ガナイ、靴下ガナイ。

中居:
靴下ないのにネックレスして。

ボブ:
デモ、コノ馬、コノまぐろ。

野沢:
マグロ?

ボブ:
コノ馬ハあめりかデ一番有名ノ馬。名前ハおきちんデス。

野沢:
聞かないで聞かないで、真剣に。

中居:
オキチン?

ボブ:
おきちん。

野沢:
リピートしないで。

ボブ:
競馬ノ人、ヨク知ッテル。

野沢:
知らない、知らない。

中居:
何だかよくわからなくなってきた。

野沢:
そうでしょ。ちょっとね。

中居:
その時はぜんぜんなんかね、「やっぱりニューヨークではもしかして通じないのか?野沢直子は」みたいなことも書いてあったんですよ、日本の。

野沢:
誰だよ!?書いたのよぉ!!通用してたんだよ!けっこう。

中居:
なんか、猿の物真似とかなんかネタでやってたって。

野沢:
そう。大道芸人ね、もう。クーッ。なんかね、そう、公園とかでやってたんですよ。猿の物真似とか。で、あとね、一日でやめたんだけど、今考えても自分でもすごい勇気あったなって思うんだけど、これはけっこう知られてないから言いますけど、ムンクの叫びっていうのを一人でやってたことあった。メトロポリタン美術館の横で。ずっと立ってたの、ずーっと。誰もわかってくれないの、それ。で、日本人に見っかってんの。「何やってんスか?」なんて言われちゃって。メチャクチャ恥ずかしい。もう赤くなっちゃって、もう。「何でもありません」なんて敬語使っちゃったもん。「あ、それはダメだな」みたいな。

中居:
それ、ぜんぜんダメでした?

野沢:
それはちょっとね、なんか変な白人が写真撮ってりしてたけど、ぜんぜんダメ。で、まあ、いちおう猿の真似とかけっこうやってたんですけどね。

中居:
「世界に進出だ!」みたいな。

野沢:
「進出だぁ!!」なんて。で、まあ飛行機のなかで「何やろうかな?まず」なんて。で、一応やったのは腹話術なんですけど、最初に。だから、ゲロ吐くミッキーマウスとか作っちゃって。最初、英語も出来ないのに腹話術やって、ぜんぜんわかんないの。誰もわかんないの。「ええ!?」なんて。滑りたおし。寒かったぁ、もう。

中居:
でも、それで「帰ろうかな?」って思ったことは?

野沢:
いや、でもその時に、だいたいもうつかみのネタとして用意していた猿の真似がウケてたんですよ。だから、それで「あ、ちょっと猿やってみようかな、この国で」なんて、わけわかんない。

中居:
本当にあの、あっちで自分のお笑いが通用するかっていうことだけで行ってたんですか?

野沢:
うん。

中居:
すごいですね。本当、漠然としたもう。

野沢:
漠然としてるでしょ。

中居:
ね。

野沢:
で、いまだにやってるっていうのがね。

ボブ:
スゴイデスネ。

野沢:
どうしたらいいの?って感じ。

ボブ:
電気ハ、本当ニ面白イ。コノ電気。チョット怖イデスネ。

中居:
ちょっと怖い?何が怖いですか?

ボブ:
私ハ、頭、ウーウー。

野沢:
ああ、もう、ちょっと打ち過ぎてる。彼ったら、もう。もう、あなたったら、もう。

中居:
ちょっとね。でも、それって僕はすごいことだと思いますよ、やっぱり。

野沢:
そうですか?

中居:
保証がない世界にやっぱり行くっていうのは、うん。

野沢:
まあね。

中居:
だって収入の保証もないですし、どうなっちゃうか自分でもわからないわけじゃないですか。

野沢:
まあ、そうなんですけどね。いちおうまあ、でも、大道芸人やってた時って言うか、まあやってたっていってもそんなに長い時期やってなかったですけど、なんか一夏ぐらいは毎週頑張ってやってたんですよ。その時とか、いちおうなんか、お金とかちょっともらったりしてたんですけど。もうなんか、日本人の人とかが「頑張って下さいね」なんてもう。時々、観光客の人がもう。それもけっこう恥ずかしかったですけどね、なんか。20ドルぐらいバンッともらっちゃって。

中居:
でも、それだけですよね?収入の術は。

野沢:
いや、まあ、でもね、吉本からね、有給休暇扱になってて。いまだにお給料もらってるんですよ。

中居:
ええ!?

野沢:
15万円。月。源泉徴収で13万5千円。

ボブ:
吉本ー!!吉本ー!!スゴイ!!

野沢:
あ、わかったみたい、なんか。わかったから嬉しいんでしょ?

ボブ:
大好キ、吉本。

野沢:
嘘つけよ、もう。そうなんですよ。もうこれは家賃にね、もうピッタリっていう感じで。

中居:
あっちではライヴ活動だけですか?

野沢:
ライヴ活動もしてたし、自費でいちおうCD作ったんですよ。で、いちおうまあ、千枚作って、日本にも何百枚かいちおうなんかえぇと、出したんですけど。何百枚なんですけど。それで、いちおう千枚は売れてましたね、いちおう。

中居:
でもあの、僕なんかほら、宣伝する術っていうのはいろいろあるじゃないですか。雑誌であったりテレビであったり。そういう「我々がCD出した」っていう宣伝みたいのは?

野沢:
そういうのね、なかったですね、はっきり言って。だから、ライヴやった後に「CDでーす!」とか言って。で、手売りとかしてんの。なんか貧乏臭いですね。

中居:
うっそー!?マジ!?

野沢:
SMAPの人になんか、こんな話していいの?って感じ。ま、いっか、べつにね。

中居:
いやいやい、それはそれでやっぱりね。そうですか。それ、すごいですよね。

野沢:
え?そうかな?すごいって言われるとなんか恥ずかしいな。私ってすごかったんだ。

中居:
それは何枚出されてるんですか?

野沢:
いちおうだから、それで1枚CD作って、それでその後に解散しちゃったんですよ、 チンパンジーズ。で、二人でレコードレーベル作って。それで「もうちょっとなんかダンスミュージックっぽいの作ろうか?」とか言ってたんだけど、ぜんぜんなんか、結局、出来たらぜんぜん違うんですけど。

中居:
ダンスミュージック?

野沢:
「作ろうか?」って言ってただけで。結局、でき上がったのそうじゃないんですけ ど、あんまり。

中居:
え?どんなんですか?ダンスミュージックですけども。

野沢:
それが今、二人やってるやつなんですけども。

ボブ:
Waltz。Waltz。

野沢:
あ、ワルツ。わけわかんない。放っといて、放っといて、もうね。1時間中放っと いていいから、もう。

中居:
淋しそうな顔してるんだもん。

野沢:
小道具、小道具。

中居:
でも、やっぱり子供さん生まれてからやっぱり変わりました?

野沢:
夜はね、すぐ眠くなりますけどね、確かに。だから、今ちょっと眠いですよ、もう。朝早いから。

中居:
朝早いことによって。

野沢:
眠い、眠い。

中居:
やっぱりでも、仕事に対する姿勢とかって変わってきます?

野沢:
いや、基本的にはぜんぜん変わんないですね、やっぱり。

中居:
キャラクターが変わったりだとか。

野沢:
キャラクターねぇ。多少は変わった面があるとは思いますよ。でも、基本的にどうかな?そんなに変わってないと思うけど。でも、多少は変わりますよね、それはやっぱり。

中居:
生活もちろん、リズムももちろん変わるでしょうし。

野沢:
うん。やっぱり子供中心になるし。

中居:
ええ、ええ。

野沢:
でもまあ、うち、けっこうそれでツアーとか回ったりする時に子供とか連れてってんですよ。だから、そんななんか。あんまりべつに、なんかやってること事態、そんなに大して変わってないんだけど。まあ、けっこうあの、あれですよね、チンパンジーズやってた時とか、けっこうあの、こんなこと言うのは恥ずかしいんですけど、母乳で育ててたんですよ。だから、なんて言うの?もうぜんぜんわかんない話だと思うんですけど、とにかくもう、3時間おきぐらいに、とにかくあげるんですよ、オッパイを。だから、チンパンジーズその頃やってて、それでとにかくもうライヴやって、すぐ帰って、猿のままあげてましたよ、よく。もうしょうがないから、そのメイクのまま。子供とかも、もう慣れてきちゃって「ママ!」なんて、泣かなくなっちゃって。最初はびっくりしてたけど。けっこう「その絵面って?」とか自分でも思いながらね。「嫌だなぁ、人に見られたくないや」なんて思いながら。けっこうやってましたよ。

中居:
すごいね、でも。おろそかに出来ないですもんね、どっちもね。

野沢:
まあね。お腹空かさせとくわけにいかないしね。

中居:
でも、なかなかその収入がやっぱり思わしくない時に………。

野沢:
「思わしくない」。丁寧な言い方ですね。貧乏ってことね!?1カメ!!

中居:
あの、「ああ、やっぱりニューヨークに来たのちょっと間違いだったんじゃないかな?」って。

ボブ:
びんぼー!!びんぼー!!

野沢:
今の良かったよ。

ボブ:
びんぼー!!

中居:
貧乏はわかってるんだ。

野沢:
うん、わかってる、わかってる。

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