TK MUSIC CLAMP
CLAMP TALK :近藤真彦
- 近藤:
- まあ、それはね、そういう人それぞれ考え方が違うけれども、僕の場合は車の世界と音楽の世界とやっていこうと思ってるわけでしょ。そうすると、もうそんなに甘いこと言ってられない。車の世界にいけば、今こういて話してる最中にも、中にはトレーニングしてる奴もいるわけだし。僕が歌を歌ってる最中に車のテストをしてるドライバーもたくさんいるわけだよね。で、僕が車のほうにいってる時に芸能のほうでは、他のアーティストがいろい新しいものを生み始めたりとかしてるわけじゃないですか。だから、それについていくためには、もうそんな甘いことは言ってられないというかね。
- 中居:
- でも、変な話、まあアーティストならアーティスト、近藤真彦というアーティストと、アーティストとして集中すれば、またアーティストとしての。
- 近藤:
- と、思うでしょ?ところがね、僕がね、一つのものにこだわり過ぎると、もう自分の頭の回路が狂ってくるぐらいにこだわり過ぎちゃって、破壊しはじめて終わってしまう怖さが自分にあるわけ。だから、入り込み過ぎちゃうのね。だから僕、こう見えても意外と真面目なんだけど、一つのものを熱心に始めると、もう奥、奥、奥入っていってしまって、で、自分がダメになってしまう。だから、一つのものをやっていながらも、もう一つの顔を持ったりだとか、逃げ道を自分で作ってあげないと、入り込み過ぎてダメになってしまう。だから、レーシングドライバーとしてレーシングドライバーだけをやっていたら、レーシングドライバーとしてもダメだったと思う。そういう性格なんだよね、きっと。
- 中居:
- でも、そのバランスをとるっていうのは非常に。
- 近藤:
- そう、それが一番。だから、レーシングドライバーとしてか、音楽をやってる人間としてやるかという仕事よりも、どこでスイッチを変えるかっていうのが僕の仕事だと思ってるんだよね。
- 中居:
- あ、なるほどね。
- 近藤:
- 自分の仕事は、とりあえずその場に行ったらね、さっきも言ったように俺は集中してやっちゃうほうだから。
- 中居:
- ガーッといっちゃうタイプですね。
- 近藤:
- そうそう。それはもう、間違いなく真面目にやるしね。ただ、スイッチが切り変わってないのがいちばん失礼に当るわけよ。
- 中居:
- アーティストとしての気持ちのままでレーシングやっぱり構えちゃいけないですし。
- 近藤:
- そうそう。それはレースをやってるほうのスタッフに対しても失礼に当る。じゃあ音楽に戻って来て、レコーディングスタジオに入ってる時にね、「今日のテストどうだったかな?」「今度のレースはどうかな?」なんて考えてると音楽に集中できないし、一緒に音楽をやってるスタッフにも非常に失礼にあたるから、いっさい考えないようにして。そのスイッチの切り替えがいちばんの仕事だと思ってる。
- 中居:
- 難しいですね、でも。
- 近藤:
- 僕がやってることはね、すごい難しいこと。
- 中居:
- やっぱり例えば、反省しなければならないこともありますし、いろいろ例えばレースやった後って喜怒哀楽なんでもありますよね。喜ぶ時、悔やむ時。歌ってもやっぱり、作品が出来た時にやっぱりありますよね。それを次の日に、その気持ちを抑えてレースに打ち込む。レースの結果を次の日に忘れて音楽活動するっていうは、それは難しいでしょうね。
- 近藤:
- 難しい。難しいしね、体力は問題ないんだけども、気持ちがね。
- 中居:
- そう、精神面ですよね。
- 近藤:
- そうそう、すごい強くないと出来ないよね。だから、僕は強いほうだと思うけれども、意外と挫ける。
- 中居:
- 脆かったりするんですか?
- 近藤:
- そう。挫ける時に我慢して挫けないでいると、疲れたりストレスが溜まったりして仕事もうまくいかないから、あんまり我慢しないようにして、挫ける時は挫ける。
- 中居:
- 泣く時は思いきって泣くみたいな。
- 近藤:
- うん。まあ、泣くっていうのは大袈裟な表現だけども。
- 中居:
- でも、レースの次の日とかっていうのは、残ったりしないんですかね?僕なんてありますよ。例えば前の日になんかやった時に、「ああ、昨日はよくなかったなぁ」って次の日まで引っ張る時ってありますし。
- 近藤:
- それは人間だからね、あるよね。でも、それをやっぱりなるべく消していかないと、僕はダメだよね。他の人はちょっとわからないけれども。僕は今までそうして、そうやって出来てきたし、何年もね。
- 中居:
- 周りの人に認められたうえでの、やっぱり今の二つ出来る理由の一つでもあるんじゃないかなと。でも、そうやってレーシングでガーッといって、アーティストとしてガーッといって、どこですか?気を抜くところというのは。
- 近藤:
- うーん?だからね、きっと休みがないわけじゃないから、休みの日に思いっ切り遊んでるよね。
- 中居:
- それは先ほど言った海に行ったりだとか。
- 近藤:
- うん、そうそう。だから、あとはまあ、そうだねなぁ、遊ぶ時はだから、人一倍遊んでるよね。ハメはずして。だから、そこばっかり見られると、非常に遊び好きな人だなと思われがちだけども。
- 中居:
- あともう一つ、昔からですけど芸能活動とレースもやってますよね。あと一つ家庭が増えたじゃないですか。それっていうのは、すごいもう勝手が本当、違いますよね。ガーッてなる気持ち、姿勢も家庭にガーッていくっていうのも、僕にはわからない世界だったりしますけども。家庭が出ると、また仕事に対する姿勢だったりだとか、気持ちの精神的な面で余裕すらも無くなったりするんじゃないかなって思うんですよね。
- 近藤:
- まあ、そうなったら結婚しないほうがいいよね。そうだったら。
- 中居:
- 結婚は良かったですか?
- 近藤:
- 僕は良かったと思ってるよ。邪魔にならないからね、家庭とかっていうものが。邪魔にならないし、やっぱりまあ、テレビ局に仕事いくにしてもサーキットにレースやりにいくにしても、やっぱりいちおう外に出て仕事して、戦うっていう表現は非常に攻撃的だけども、外で一生懸命仕事して帰ってきて家に着いた時に一日の仕事を終える。終えないとやっぱり疲れちゃうからね。終える場所が出来たよね。それは独身の時には、独りで家に帰って。
- 中居:
- 迎えてくれる人がいなですよね。
- 近藤:
- いないわけでしょ。で、家に帰って仕事のこともまた考えてしまうだろうし、明日のこともすぐに考えてしまうだろうから区切りがなかったんだな、一年中。
- 中居:
- ちゃんと家に帰った時には。
- 近藤:
- いちおう今日の仕事は終わりだっていう区切りみたいなものは出来たよね、結婚して。
- 中居:
- じゃあ、すごいプラスですよね。
- 近藤:
- うん、僕はプラスだと思ってるよ。
- 中居:
- 結婚ねぇ………。
- 近藤:
- 興味ないの?ぜんぜん。
- 中居:
- いえ、したいですけども……。うーん?まだ自分がまだ、自分で自分のこと責任とれなかったりしますんで。
- 近藤:
- ああ、それ、僕も一緒だった。
- 中居:
- 若い頃っていうか、独身の頃?
- 近藤:
- うん。結婚するとやっぱり一人じゃなくなってしまうし。で、相手のことも考えなきゃいけないとなると、非常に疲れるなぁと思って。
- 中居:
- はいはい。
- 近藤:
- で、今でも僕そう思ってるんだけど、疲れない結婚がいいんじゃないかなって思うんだけど。
- 中居:
- でも、それって、してみなければわからないですよね。
- 近藤:
- あ、それはわかんないよね。賭けだよ。だから、もし疲れる結婚しちゃって、疲れる娘と結婚して「失敗した」って思ったら別れちゃえばいいじゃん。ダメかな?そういうの。
- 中居:
- それ、べつにダメじゃないですけども。でも、マッチさん、もし「ダメだ!」って思ったらすぐ別れちゃいます?
- 近藤:
- いや、別れられないとは思うけど。
- 中居:
- そうですよね。
- 近藤:
- うん。でも、理想はそうだよ。男なんか、みんな理想はそうなんじゃないの?結婚してダメだったらパッと別れて、また違う娘と結婚して、またダメだと思ったらパッと。
- 中居:
- それは………。
- 近藤:
- 出来ないけどもね、現実は。
- 中居:
- そういう理想を抱いてたりしたんですか?
- 近藤:
- いやいや、だからダメだと思ったら。例えばじゃあ、結婚してそうだな、どっかに飲みに行ったりとかさ、御飯食べに行くと、非常に僕好みのタイプの女の子がさ、カウンターで飲んでたりなんかしてたら、「あ、キレイだなぁ」とか思うじゃん。
- 中居:
- 思いますよね。
- 近藤:
- ね。そうすると、自然と、「もし僕がここで結婚していなかったら」とか考えるでしょ。
- 中居:
- はいはい。
- 近藤:
- ま、単純な話なんですけどね。
- 中居:
- 24は大人ですかね?
- 近藤:
- いや、うん、大人じゃないの?ある程度よ。僕はなんか、成人式は30で迎えたと思ってるんだけどね。20はまだ成人式じゃないな。成人になり切れてないなとは思ってるのね。30になった時に、初めて大人の社会の、大人として初めてスタートがきれたような。そういうふうに自分では思ってるのね。でも、二十歳になった時の成人を迎えたあの刺激よりも、30になる時りが刺激あるよ。「あ、俺、大人になったな」とかって思う。
- 中居:
- あ、そうですか。
- 近藤:
- 俺は二十歳の時にはもう、カッコいいというか、ダサい言葉で言うと、なんか青春時代はなんて言うの?二十歳過ぎてもあったよね。青春っていう言葉を使えたというか。30になってくると、青春真っただ中とか、もう言えない歳だよ。そうなってくると、なんか大人になったっていうかさ。
- 中居:
- それが自分で確信をもって、「ああ、自分は大人の仲間入りができたなぁ」と。
- 近藤:
- そうそう。「ああ、30が俺にとっての本当の意味での成人式だな」とかって思った。
- 中居:
- あ、そうですか。
- 近藤:
- でも、24歳は子供じゃないよね、絶対に。
- 中居:
- 僕の背伸びしたい時期っていうのは、18、9だったりするんですよ。大人に思われたいって。例えば中学生は背伸びしたい盛りですよね。強く思われたいし、外見もやっぱり強く、大人に思われたい。煙草を吸うことが大人だったり、お酒を飲むことが大人だったり。そういう勘違いした時期ありましたよね。18、9の時もそういう時期ありましたし。やっぱり二十歳ぐらい、21、2になって「あ、昔のが楽しかったな」って思ったりするんですよ。「ああ、中学の時も楽しかったな」「高校の時、楽しかったなぁ」。
- 近藤:
- 今、戻りたいと思う?
- 中居:
- 戻りたいとは思わないですけども、あの気持ちと今の気持ちっていうのは、けっこう一緒だったりするんですよ。それはだから、主張するかしないかなんですけども。だから僕、けっこう子供だなと思いますけども、このままけっこうオジさんになっても、オジさんていうか、30になっても40になっても、この調子でもしかしていいのかな?って。
- 近藤:
- ぜんぜんいいと思うよ、俺。ぜんぜんいいんじゃないの?
- 中居:
- ふざけたり?
- 近藤:
- もう、ぜんぜんいいんじゃないの?僕は絶対そうしていくよ。
- 中居:
- あ、そうですか。それって間違ってないですよね?
- 近藤:
- ぜんぜん間違えてないんじゃないの?間違えてると思う人は思わせといて、自分が好きなように。ぜんぜんいいよ。俺はなんかもう、そんな「幾つだから」とかって考えてないよ。ただ、同級生と会うと、かなりショックを受けるけどね。
- 中居:
- どういうことですか?
- 近藤:
- やっぱり32歳になると、同級生はけっこうもう老けてるよね。
- 中居:
- ああ、もうオジさんだったりしますね。
- 近藤:
- そうそう。俺、いちばん若いよ、やっぱり。
- 中居:
- やっぱり見られてるっていう意識があるなかで、やっぱり活動っていうか、お仕事をしてるから、やっぱりそういうふうになるんでしょうかね。
- 近藤:
- それと、ただ単に若いだけかもしれない。
- 中居:
- いや、僕もやっぱり地元に帰ったりしますと、やっぱり若いです。若いっていうか、みんな老けてますよね。自分はもしかして、すごい若いのかもしれないなって。そうやって同級生と話してる自分が、すごい楽しかったりしますしね。普通に雑談して。
多分あの、事務所の先輩として、こうやって個人でお話するのは、多分、最初で最後じゃないかなと思うんですよ。
- 近藤:
- あ、そう?
- 中居:
- そういう気するんですよね。この番組でお会いするのはマッチさんぐらいじゃないかなって。
- 近藤:
- なんで?この番組終わっちゃうの?
- 中居:
- いや、終わらないです。
- 近藤:
- まだわかんないじゃん、誰が来るか。
- 中居:
- いや、わかんないですけども。
- 近藤:
- 俊ちゃん来るかもしれないよ。
- 中居:
- 俊ちゃんてジャニーズ事務所やめちゃったんですよね。
- 近藤:
- ああ、そうかそうか。そういう意味での先輩ね。そりゃそうだな。
- 中居:
- あの、俊ちゃんて、一緒に遊びに行ったりします?
- 近藤:
- 今はしないな。前からあんまり遊ぶほうでもなかったけど、一緒に。でも、よく遊び行ったことは遊び行ったよ。
- 中居:
- 「ディスコ行こうぜ!」とか?
- 近藤:
- そうそう、そうそう。どっちかっていうとあいつから誘ってきたよ、そういうとこ行くの。
- 中居:
- 「行こうぜ、ハハッ」(←物真似)
- 近藤:
- そうそう。
- 中居:
- やっぱりね、永遠の、ずっともう俊ちゃんかマッチか、俊ちゃんかマッチかって、いろんな人から言われてましたからね。僕のなかでは、ライバル心も絶対あったんじゃないかと思いますけどね。
- 近藤:
- まあなんか、そういう意識よりあれだな、一緒にやってきたなっていう気持ちのほうが本当はあるんだけども。まあ、ウマいこと周りの人がね、ライバルに作り上げてくれたなっていう。
- 中居:
- マスコミの人っていうか、周りの人によって。
- 近藤:
- 巷では、あまり仲良い噂は聞いたことないよね。僕と彼は。なんでなのかね?おかしいね。喧嘩したこともないし。
- 中居:
- 番組で御一緒する機会を見たこと、あんまないですからね。今になって。
- 近藤:
- でも、昔はね、ランキング番組だけ。「トップテン」とか「ベストテン」だけは一緒だったの。あとは全部、一緒にならないようになってたんじゃないかな?
- 中居:
- それは周りのスタッフがそういうふうにしてたんでしょうね。
- 近藤:
- ちょっとわかんないけどね。逆に言えば、うちの事務所から一つの歌番組に一回出るのに、いまだってうちの事務所から二人出ることってなかなかないじゃないですか。そういう意味だけだったと思うんだけども。
- 中居:
- そこらへんの事務所の体制っていうのも、今でも変わんないですかね。
- 近藤:
- 俺は変えろって言ってんだけどな。
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