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Vol.57

FACTORY TALK


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FACTORY TALK :ムッシュかまやつ & 近田春夫


ムッシュ=ムッシュかまやつ,BR> 近田=近田春男

ムッシュ:
え〜本日のゲストは、え〜明治元年からの、つまり ゲリー・リリースよりも早くから、あのーロックンロール・ピアノをやってた方 でございます。え〜今回が見納めになるかもしれません。ご紹介したいと思いま す。近田春夫さんです。

近田:
ど〜も、こんばんは。

ムッシュ:
ど〜も、この番組であの〜ゲストの方いっぱい迎え て印象に残ったアーティストって…?

近田:
一番印象に残ったアーティスト?

ムッシュ:
良くも悪くものよ

近田:
うん、あの〜誰だろうな?ぱっと言われるとね浮かばな いですね。かまやつさんは?

ムッシュ:
いや〜僕、今かんがえてなかったんだけど、こうい うのってそうだよね!

近田:
あの〜やっぱりだいたい、自分より若いのが出てくるで しょ?それで最初は なんか緊張感があるんだけれど、なんか一言“音楽”っていうきっかけがあった 瞬間からぱっとこう通じたりする瞬間っていうのは、そこんとこだけ何かねぇ 〜。

ムッシュ:
いろんな話しながら、糸口探してるんだ?

近田:
うん。っていうのは、見てる人たちに通じるように話す と、専門的な話っていうものになっちゃうと、ちょっとわかりにくいですよね。 でも、なかにはすごくこの番組を、もうちょっとね、音楽的な所で、もっとすご く詳しく見たい人もいるだろうし…と思うと、う〜んホント言うとね、テレビっ てねミュージシャン同士が話すのって結構難しい場所だと思うんですよ、だから ホントに…

ムッシュ:
でも、自分で考えたの?その辺。

近田:
ええ

ムッシュ:
それで、やっぱし見てる人がどう思おうと自分の好 きな事を喋った方が 得なんじゃないかな?って思ったわけ。

近田:
あぁ

ムッシュ:
ある人にとっては訳がチンプンカンプンな話であっ ても、その〜判ってくれる人も見てくれてるわけじゃない?で〜、音楽?音楽も そうじゃないかな? って思うのね。だからあの〜、多数を何、目的にして多数に聞いて貰うことを目 的にして作るっていう作業をあるいはこの“感じ”を判ってくれる人に、 判って貰えばいいや!と。でも願わくば、少しづつでもそれは広がっていくとい いな!って言うのは僕の考え方なんだ。

近田:
あぁ

ムッシュ:
僕ね、グループの時にね、そのとってもそういうい わゆる、なんつったら いいかな?実に中枢をいって、上手にその人たちをもう、子供からおじいちゃん からおばあちゃんまで、みたいな的なするのが、上手だった。非常に…。 マチャアキにしても井上順にしても、あそこでもう俺、ギブアップしたのね。こ のスタンスだと、絶対俺、勝てないなって結構若いとき判ったのね。

近田:
あぁ

ムッシュ:
うん、あの〜世の中がぱっくり、かわんない限り、 前には出られないって判ったね〜。

近田:
はぁはぁ

ムッシュ:
それでなんつったらいいかな〜。爪先だって前に出 てもすぐ倒れるだろうし、その方が格好悪いじゃない。だったら自分から後に下 がっていようと思ったのね、うん…。

近田:
なんかそういうことで、かまやつさん、ずっと自然でし たよね。あの自分でこうしたいって事をいうの、さっきなんか、たまたまそのフ ロントのお2人っていうね、いわゆるなんていうの?サービス精神に長けた方 だったから、その中で、結構音楽的に好きな事を、すごくかまやつさんがね、 やってる、そこを 見てる僕らみたいなファンってのが結構…。

ムッシュ:
でもそれはこういうショービジネスの世界では、も しかしたら凄くマイナスなんですよね。だけどことにロック・ミュージックは、 まあ僕は思うんだけど、結構やっぱしそうだなあ、結構純粋だと思う。うん、あ の〜、なんつったらいいかなぁ?よくあの、原宿でホコ天でバンドやってるこ ろ、見に行ったんですよ。そしたらうまいバンドもいるし、下手なバンドもいる んだけど…、3コード位しか知らなくて、中学生位のバンドだと思うんだけど、 人が5人でも10人でも見ているところで自分が演奏出来るって事、自体で有頂 天になっているわけ。バ〜ンって音が自分たちにバ〜ンってまず1発目、あの1 音出したとたんに目が動物の目になっちゃうんだよね

近田:
あぁあぁ

ムッシュ:
これがロックンロールだと思った。で、じゃあ、自 分は何なんだろうって だんだんだんだん焼きまわって来ちゃって、8小節たっても全然素面状態。 要するにはまり込めない。「客入ってんのかなぁ?」とかさ。 なんとか「あっ、コード違った」とかさ。そう言う事じゃないって思ったのね。 それでずいぶん反省しましたね。 だからそれまで、こういうバンドが巧いとか、いいとか、なんとかって考え方変 えたの、うん…。 だからそういうものも、取り戻したいと思いながら俺の一生、終わるんじゃない かなあ、と思うんだよね。


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